『全員集合っ!』 10分くらいすると、皆が西園寺に集まってきた・・・。 ピンポーン。 「はーい。・・・わあぁっ!」 「はぁ〜い未夢ッチィ!誘ってくれて嬉しいよ♪」 (やっぱり誘わない方が良かった。) 彷徨は苦い顔をしてそう思ったのだ。 「西園寺くん、おじゃまします〜っ。」 綾が西園寺に上がる・・・。 「どうぞ〜。」 彷徨が快く迎え入れると、ななみもそれに続いた。 「あたしも〜っ。」 「未夢ちゃん、歓迎会開いてくれてありがとう〜!」 「私も〜♪」 「どういたしまして!」 佳奈子と恵に礼を言われた未夢は嬉しそうに返事をした。 「あんまり浮かれてるなよ。」 「何よ!お礼言われたから嬉しいだけじゃない!」 「あ・・・あの・・・未夢さん、こんんにちちちちははは・・・。」 栗田が過ぎた緊張感でもって未夢に挨拶をすると未夢も何だか照れくさく挨拶する。 「あ、こっ、こんにちはっ・・・。」 栗田はぼ〜っとしているようだ・・・。 (ぽ〜・・・。) 「彷徨くん、こんにちは・・・。」 クリスも、もじもじしながら彷徨に挨拶する。 「あ、ああ〜・・・こんにちは・・・。」 「・・・。」 未夢も彷徨も苦笑していた。 「・・・あれ?ところで三太見なかったか?」 「ううん、見なかったよ。」 彷徨は三太が居ないのを疑問に思い栗田に尋ねたが知らないと言う。そこへ・・・。 「・・・ぉ〜い、はぁ〜、遅れてごめん〜!」 「お、来たか。」 「とちゅうでレアなぬいぐるみ見つけちゃってさ〜、来るの遅れちゃったよ!」 (あっそ・・・。) 三太がようやくやって来たようだ。未夢が言う。 「皆そろったね!」 「ああ。あ、そう言えば烈度たちのこと忘れてた。」 彷徨は烈度の元へ・・・。 「烈度〜、待たせたな、みんな来たぞ。」 「あっ、どうも〜っ。」 「・・・」 彷徨が皆に言う。 「さて〜、これからどうするっ。」 「ここってやっぱり広いよね〜!」 ななみは西園寺の広さに感心していた。 知ってはいるものの実際に目の当たりにするとこれがまた違うと言った。 「そうだね〜、わたしたちにこの寺見学させてよ!」 「私も久しぶりにこの寺見まわってみたい〜!」 「ぼくもこの寺は詳しく見てなかったな。」 烈度が提案すると、綾も望も賛成の方向のようだ。 「じゃあ決まり!寺見まわり!いい?西園寺くんっ。」 「い、いいけど・・・。」 佳奈子が無理に決定させると、彷徨はしぶしぶうなずいた。 (私はもう何回もこの寺見まわってるけどね・・・。ところで彷徨っ、ルゥくんたちの事、 みんなにバレないよね!?) (・・・あ、ああ、多分・・・。) (・・・?) 未夢はいつもの冷静な彷徨が一瞬動揺したことに気付いていた・・・。 「ここって広いよね〜。うちなんか狭いよ〜。何かネタがありそうね♪」 「綾ちゃんがプチみかんさんモードに入りそう・・・。」 未夢が苦笑している・・・。 「おっ?あれ何?」 烈度が興味津々に彷徨に聞いた。 「ああ、あれか?あれはコイシ岩ってやつだ。昔親父が幽霊をあの岩に封じ込めたんだよ。」 「烈度、さわるなよ。」 「零!わかってるよ!うるさいなあ。お?でもこれならいいでしょ。」 「他人様の家の蛇口のホースなんかもってどうするつもりだ。」 「へっへ〜ん、こうだ!(ジャアーーーっ!)」 「うわっ・・・!烈度っ!」 「へへ〜ん!」 「烈度くん、結構過激だね・・・。」 未夢は烈度の行動に驚いた。 「すみません、あいつは見捨ててやってください。」 「そんな!」 「零くん、ずぶ濡れで大丈夫?タオル持ってこようかっ?」 「あ、大丈夫だから・・・。」 (ぽ〜・・・。) (ぽ〜・・・。) クリスと栗田がぼ〜っとしている・・・。烈度がまた彷徨に聞く。 (ところで、あの2人さっきからゼンゼンしゃべんないけど、どうしちゃったのかな、 彷徨くん。) 「あ、ああ・・・気にしないでやってくれ・・・。」 「とりあえず見まわったね〜っ。」 佳奈子が楽しかったように言った。 「そうだ!これからみんなでかくれんぼしよう!」 「おいおい、ここは他人様の家で、しかも寺だぞ。そんな失礼な事が出来るか。 みんなだって賛成するはずないだろ。」 烈度がいきなり凄い事を言ったので零は慌てる。しかし皆は・・・。 「なんか面白そう〜!あたしは賛成〜!」 「なんかネタになりそう〜!私もいいよ〜!」 「ぼくも未夢っちぃに見つけてもらいたいな♪」 「おれも賛成〜!」 「わたくしは彷徨くんに見つけて貰いたいですわ。」 「ぼ、僕は未夢さんに・・・。」 「私も別に良いよ!」 「私も〜。」 ななみも綾も望も三太も、クリスも栗田も恵も佳奈子も賛成した。 「ほら!良い考えじゃんっ。」 「・・・。」 「ねえ彷徨くん、やってもいい?」 「で、でも〜っ、ココは広いけどあんまり隠れるところは少ないと思うよ〜っ・・・。」 未夢は賛成派ではないようだ・・・。 「探せばきっとあるって!早くやろうよ!」 「あ、ああ・・・。」 「やった〜っ!」 三太が強引にやろうと言うと彷徨はうなずいた。烈度は喜んだ。零もしぶしぶやること にしたようだ。 「仕方ないな・・・。」 (ねえ彷徨っ、ルゥくんたちのUFOとか見つけられちゃったらどうするのっ!?) (とりあえずなんとか時間を稼いで、あそこの部屋には入れられないようにしない と・・・。) 「何やらさっきから未夢ちゃんと彷徨くん、こそこそと何を話してるのかしら・・・。 もしかして皆がが隠れてる間に2人で 愛の逃避行でも計ってるんじゃ・・・・・・そして〜♪二人は日本を離れてっ永遠の愛の 旅へ〜!宇宙に旅立つふったりは〜!」 「ち、違うんだ花小町っ。」 「あのねクリスちゃんっ!今彷徨とねっ!みんなにお菓子だそうかな〜って考えてたところ なの!」 「あら、そうでしたの。」 「お菓子っ!?食べたいけど今からだったらかくれんぼの時間なくなりそうだね。」 烈度は子供みたいなことを言っている。 「そ、そうっ。じゃあ早くかくれんぼ始めちゃいましょ〜っ!」 「・・・。」 未夢の焦った様子を見た彷徨は沈黙している。 烈度がかくれんぼを始めようとする。 「じゃんけんで鬼を決めようっ。」 「この場合、鬼って言うのか?まあいいや・・・。」 零は烈度の妙な言い方に突っ込んだが細かくは気にしていないようだ。 じゃんけんで決めることになった。じゃんけんぽん!あいこでしょ!あいこでしょ・・・。 延々と続いたじゃんけん・・・。 未夢、彷徨、列度、零、恵、佳奈子、クリス、ななみ、綾、三太、望、栗太、 12人もの人数でじゃんけんしても中々決まらない。 二人ずつ分かれてじゃんけんすると、勝敗はどんどん決まっていく。 一番負けたのは恵になった。 鬼は恵になった。烈度が叫ぶ。 「恵が鬼だーっ!九十秒秒数えたらもういいぞ!」 何で九十秒なんて中途半端な数字なんだか・・・。周りはこの1分半という時間に理解 できないようだ。烈度も理解してないようだ。 恵は九十秒数え終わった・・・。 「みんな何処に居るんだろう〜・・・?」 恵はまずお風呂場に向かった。 「わあ〜なんかすごい古風・・・。」 恵は思わず声を上げた。風呂桶の中を覗いてみるが何も無かった。 「こんな簡単な場所に隠れてるわけ無いよね。あはは。」 恵は苦笑いしながら、風呂桶のふたを開けきらずにまた閉めて行ってしまった・・・。 ・・・。 「・・・・・・フフフフフ、ぼくは見つからないよ〜・・・!」 望はオカメちゃんを黙らせながら、いつもと違う形相で真面目に隠れていた。 一方、恵は西園寺の辺りを見回しながら叫んだ。 「佳奈子ー!未夢ちゃーん!みんなーどこ〜?」 笑うような声で呼びかけるも当たり前に誰からも返事は無い。 とりあえず、適当な部屋に入って襖を開けてみると、 「あっ!」 「えっ!?」 なんとさきほど風呂場に居たはずの望が居た! 「望くん見つけたー!」 「ぼくはるぇでぃーに見つけられるなら本望さー!」 目をキラキラさせて叫んだ望は、そのまま恵についていく。 「ねえ恵さん、このバラはとても美しいよね・・・あっ、でも恵さんと比べればバラなんて 月とすっぽんだよね・・・。」 「佳奈子ー!」 「恵さん、ぼくの話聞いてよ〜。」 望は泣きながら喋るが恵は全く興味なし。 恵は手当たり次第に人の家の襖を開けてはそのまま開けっ放しにして見通しのいい様にした。 襖をまた開けていくと、今度はななみが、さらにクリスまでも見つかった。 「ねえ、なんでみんな部屋に居るだけで隠れてなかったの〜?」 「いや〜部屋に入ったはいいけど隠れるところ無くてさ〜・・・。」 恵が素朴な質問をすると、ななみがそう答えた。 「これじゃ〜かくれんぼじゃなくて見つけんぼだよ〜。」 恵はかくれんぼの鬼になってみんなを見つけるのがつまらないというような感じで言った。 望はハッと今更気付いて恵に見つけられたみんなを見て言った。 「ハァ〜イ女子の皆さん、いつの間に出て来たんだ〜い?皆さんにバラを差し上げるよ〜っ。 はい、ななみちゃん、クリスちゃん、それと〜、 はい、転向してきた恵ちゃん〜。」 望は黒っぽいバラを取り出した。 「黒いバラ?」 恵が不思議そうにそのバラを受け取ると同時に質問した。 「珍しいバルカロールだよ。濁った色だけれど、真っ黒になるほどぼくの愛は濃いのさー!」 「要するにドス黒い怪しい色って事だから気にしないほうがいいよ〜。」 ななみが恵にそっと言いやった。 「う、うん。」 恵は苦笑いしながらそのバラをしまった。 クリスはさっきから辺りをキョロキョロ見回しながら彷徨を探している・・・。 「全然見つかりませんわ彷徨くんが・・・そう言えば未夢ちゃんもまだ見つかっていません 事・・・ ハッ!もしかしたら! (彷徨『未夢、この機会に二人で皆の見つからない所へ隠れよう。』) (未夢『彷徨うれしい!私どこまでも付いて行くわ!彷徨なら!』) (彷徨『未夢・・・。』) (未夢『彷徨・・・。』) 「そして、そして、そして二人は互いに顔を近づけあい、口元をすぼめてちゅちゅちゅの ちゅー!!!!!!!ばぼひゃーんん!!」 「クリスちゃん怖いよ〜。」 クリスの謎な暴走に恵は怯える。 クリスは彷徨を探して狂い、望は女子を想って止まず、ななみ苦笑いして恵は残りの皆を 探していた。 「もう一回風呂場に行って見よう。」 恵は来た道を振り返り、もう一度風呂場に向かって風呂桶の蓋を全開して見た。 しかし、やはり何も見つからなかった。 見つかっていないのは未夢、彷徨、烈度、零、佳奈子、綾、三太、栗太の8人。 今までの経過では、恵が鬼の役となり、望が見つかり、ななみ、クリスと次々と見つかって いる状態。 「みんなどこ行ったんだろう〜?」 恵は他のみんなを探しつづけた。 一方、その問題になっている者たちはと言うと・・・ 未夢は家の外で隠れる場所を探していた。 「う〜ん・・・どこが隠れるのに良いかな〜・・・どうしても隠れなきゃならないの かな〜・・・。」 彷徨は、普通に厠に行っていた。 「何でおれがかくれんぼしなきゃならない羽目に・・・。」 烈度と零は、家の中を探索していた。 「お寺ってもっと何もないかと思ってたけど意外と色々あるんだ〜っ。」 「そりゃ、生活上最低限必要なものはあるだろう・・・。」 綾と三太は一緒に居た。そして何やら劇について話していた。 「ねえねえ、今回のかくれんぼを劇のネタにしない〜!?」 「え!それ良いねぇ!それでさ〜、レアなCDでバックを盛り上げてさ〜・・・。」 栗太はある部屋の押入れの中にこそこそっと声も立てずに密やかに隠れていた。 内田は西園寺の中と外とをさ迷っていた。 「どこに隠れればいいんだろう〜・・・。」 一方、恵たちは西園寺の廊下を歩いていた。 見える部屋の襖はあけっぱなし。かなり見晴らしがよく、家の中をつらぬいて向こう側が 見える。 未夢は外で歩いていたことをばれずに済み、家の中のある部屋に入った。 「よしっ。もうココに決めた!わたしの部屋の押入れだ〜!」 そう気合を入れて襖をガバッと開けると、未夢は声をあげた。 「うわぁあぁ〜!」 「えええっ!?」 栗太も驚いた。 「ちょ、ちょっと栗田くん!どうして私の部屋にいるのよ!」 「えっ、えっ、ココって光月さんの部屋だったんですか・・・御免なさい・・・。」 そう言って二人は目が合うと、視線を避け顔を赤くした。 そうしている内に恵がこちら側にきた。 「ねえっ、今声が聞こえたんだけど何かあっ・・・って未夢ちゃんと栗田くん!」 「未〜夢〜っ、浮気はダメだよぉ〜?」 「まあ栗ちゃん、未夢ちゃんととってもオアツイですのね♪」 「未夢っち、ぼくというものがありながら〜。」 「だって!私は自分の部屋に隠れようとしたら栗田くんが居ただけだもん!」 「えっ、僕のせいなんですか〜?」 「〜・・・どうしたっ?今何か未夢の叫び声が聞こえたけど・・・!?って皆何やってんだ? かくれんぼ終わりか?」 未夢の叫び声に、人がぞろぞろ出てきた。彷徨もつられてこちらに来たようだ。 「ん?今何か声が聞こえなかったか?」 「気のせいでしょ〜っ。」 しかし零と烈度は気付かなかったようだ。 「あっ、西園寺くんだ!未夢ちゃんが心配で出てきちゃったの?」 「あ〜あ〜・・・王子様の、ご登場だねぇ〜未夢〜。」 「西園寺くん!今までどこに隠れていたんだ!この卑怯者!」 「あ、西園寺くん、どうも・・・。」 「彷徨!」 「彷徨くんが未夢ちゃんのために・・・王子様はお姫様を助けるために・・・ そして二人は愛の逃避行へぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!!」 「ちょ、ちょっとクリス、何で僕・・・苦しいから苦しいから!」 「・・・何だ何だ一体この騒ぎは。おれって何かやったのか?」 彷徨は周りを見た後、未夢を細い目で見て言った。 「も〜うっ!変なタイミングで出てくるんだからぁ〜!!!」 「何だよ!未夢が叫ぶから何かあったのかと思って来たんじゃないか!」 自然と未夢と彷徨は口喧嘩になる。これぞ『仲が良いほど喧嘩する』の公式。 「まあまあこんなところでヒステリーしなくてもさ〜・・・後でたっぷり王子様と語り合い なよお姫様〜。 ななみは顔を赤らめて笑いながら未夢に言った。 「も〜ぅ・・・ななみちゃんはすぐそういうこと言うんだから・・・。」 「って言うか〜、西園寺くんは未夢ちゃんが心配で出てきちゃった訳ね!?」 恵は手をポンと叩いて納得して、彷徨に確認した。 「うっ・・・。」 「なぁ〜んでぇ彷徨くん言い返せないのですかぁ〜!!!」 栗太の首を締めるクリスの手に100万馬力の力が入る。 栗太くん、死亡です。泡を吹いてます。 未夢は彷徨から完全に視線をそらしてしまった。 彷徨は周りを見渡してみた。 「あれ、まだ三太と小西や、烈度と内田は見つかってないのか?」 「うん。西園寺くん、見なかった?」 「ああ、見てないぞ。って見てても教えてよかったのか?かくれんぼって。」 「そりゃあそうだったっけ・・・。」 恵は苦笑いした。 「そうだっ、廊下を歩いてただけだから、まだ本堂の方とか行ってないんだよね〜。 西園寺くん、本堂ってあっちだっけ?」 「ああ、向こうの方だ。」 彷徨が本堂を指差すと、恵はああそうかと向こうの方へ歩き出した。 すると中から人の声が聞こえる。 「あいつ、何やってんだ・・・。」 彷徨は呆れながら中の様子を予想した。 恵がバッと本堂の戸を開けると、中に三太と綾が居た。 綾は床にぺたんこ座りで本を開き、三太はあぐらをかいてその本に見入っていた。 「おっ!彷徨!今、劇のネタが良い所なんだよ〜!」 「黒須くんらしいねぇ〜・・・あ〜やっ、こんな所で何してんのっ。」 「ななみちゃんもおいでよ〜!今ね〜、このかくれんぼの事を今度の文化祭のネタにしよう かなって思っててさ!それでさ・・・。」 「劇一筋だねぇ〜。未夢と西園寺くんの事を、ネタにしちゃいけないと思いつつもあたしも 見たいかなぁ未夢と西園寺くんの劇!」 ななみは未夢をまた睨んで言った。 「もうやだよ劇はぁ〜っ!恥ずかしいもん!」 「いいじゃん!台の上で西園寺くんとラブラブだよぉ〜!?」 「おいおいこらこら、お前ら何でそういう話してんだ〜。」 西園寺は頭に『+』のマークをつけてイライライライラ。 クリスが栗太にボディーブローを入れている。悲惨〜。 「劇ならこの光ヶ丘望に任せたまえ!楽しいミュージカルをやろうじゃないか〜!」 「それなら何か良いネタある〜!?」 綾が目をキラキラ輝かせながら、望に言った。 「ダメだこりゃ・・・おい未夢、そう言えば烈度たちは見つかってないのか?」 「知らないっ!」 未夢は何故か顔を赤らめて彷徨から視線を避け、向こうを向いてしまった。 「おいおい・・・おれって何か悪いことしたのかよ・・・。」 「あんたのせいでしょ!」 未夢が怒っていると、クリス燃え(萌え?)上がる。 「ギャァァァ〜!」 ああ、栗太くんやばいよ。誰か助けないのかな。 恵は、佳奈子や烈度たちを探すことにした。 「皆はここで待ってて〜。」 「佳奈子〜!烈度〜!零〜!どこに行ったの〜いい加減に出てらっしゃい〜。」 恵は叫んでみるが反応なし。 「もう一度今度は西園寺くんの家の中をしっかり見て探してみようかな・・・。」 すると佳奈子はすぐ見つかった。 「あ〜!佳奈子!こんな所でなに小説読んでんの!」 恵はおいおいと言うような感じで佳奈子に言った。 「だって、ここ涼しいし静かだったから本読みたい気分だったし〜っ。」 「佳奈子、さっきの騒ぎ聞こえてなかったの〜。」 「え?何かあったの?」 「いや何でもないよ・・・。」 恵はまあいいやと話を流した。 「そっか。」 「本は後にしてっ、さあ佳奈子も烈度たちを探しに行こうっ?」 「そう言えば他の皆は?」 「皆見つけて、今はもう本堂に監禁だよ〜!」 「監禁ね!」 佳奈子は笑いながら反応した。 一方、噂の烈度たちは、相変わらず家の中を探索していた。 「へぇ〜、お風呂場とかも古風で良いね〜っ。」 「おい烈度、もういいだろ〜・・・。」 「あっ!こっちもこっちも!」 「おいおい・・・人様の家をあんまり駆けずり回るなよ〜・・・そして壊すなよ〜。」 「何だよわかってるって!」 烈度がお風呂場を去った後、恵たちもちょうどお風呂場にきていた。 「烈度と零、ここにも来てないのか〜。一体どこに行っちゃったんだろう。」 恵たちと烈度たちは、ちょうどおっかけっこしているような状態にあった。 でも、とうとう烈度たちと鉢合わせし、お互い指を指してびっくりした。 「あ〜っ!烈度見つけた!」 「あ〜っ!恵〜!」 「だから言わんこっちゃない・・・。」 零は呆れて烈度の顔を見て言った。その時恵は尋ねてみた。 「今までどこに居たのよ〜?」 「え、家の中を探索してたぁ。」 「ちょうどおっかけっこになっていたのね・・・。」 佳奈子納得。 全員見つけた所で、恵は本堂へ烈度たちを連れて行った。 「あっ!烈度くんたち見つけたの!?」 未夢が恵に尋ねた。 「うん。ずっと西園寺くんの家を探索してたんだって〜。」 「彷徨、すっかり家の中見られちゃったね。」 「参ったなこりゃ。」 彷徨は苦笑いで済ました。 「もう6時か・・・早いな、皆、今日はもうそろそろお開きにしてまた明日にしようぜ。」 彷徨はリーダーシップらしく皆に提案。 「うん!彷徨くん、今日は楽しかったよ!また明日!」 「お邪魔しました。」 「結局私一人鬼で終わりか〜。」 「西園寺くん、またね〜。」 「今日は未夢のヒステリーが見れて良かったねぇ〜綾〜。」 「うん!このネタ絶対劇にする〜っ!」 「あっ、小西さん!おれも協力するよ〜っ!」 「僕を忘れないでくれたまえ!」 「キシャァー。」 「・・・。」 烈度たちは未夢と彷徨に礼を言い、ななみたちはおしゃべりをしながら階段を下り、 クリスは栗太をひきずって行った。 栗田くん、生きてるのかな。心配ですね。ハイ。 「あ〜あ〜・・・何か今日はいつもよりいっそうドタバタだった感じだよね〜・・・。」 「ああ〜・・・おれも疲れて腹減った。って言うか、歓迎会のはずがただのかくれんぼと は・・・。」 そう言いながら二人は隣り合わせで玄関の中へ入る。 彷徨が自分の部屋へ休みに行こうとすると、未夢は彷徨に訪ねた。 「ねぇ・・・彷徨・・・わたしが騒いじゃった時、本当に私が心配で来てくれたの・・・?」 彷徨は振り返ってこう言った。 「・・・ああ・・・。」 「・・・彷徨・・・ありが・・・」 未夢が恥ずかしそうにお礼を言う所で、彷徨は言った。 「だってお前、ねずみでもゴキブリでもすぐ騒ぐから、お前じゃ片付けられないじゃんと 思って掃除に行こうと思っただけだよ。」 「なっ・・・悪かったわねねずみやゴキブリで騒いで!お礼なんか最初から言わなきゃ 良かった〜!」 彷徨が舌をべっと出しながら笑って言うと、未夢は思いっきりベーっ!ってやって 自分の部屋の方へ行った。 その未夢の後姿を、彷徨は何故か悲しそうに見た。 未夢が自分の部屋に行こうとした時、立ち止まって思い出したようにこっちを向いていった。 「そう言えば、ルゥくんとワンニャー、まだ帰ってこないね?」 「ああ・・・そう言えばそうだな。もうそろそろ帰ってきても良い頃のはずなんだけど な・・・。」 ドタバタした日だったが、もっと恐ろしい事件はこれから始まる。