MOON.


うたわれのすぐ後にやった
あまり好評だとは聞いてないが、KEYのメンバーが
最初に手付けた作品と言う事でやってみた。



・ストーリー
主人公は女学生の天沢郁未。
長らく家を留守にしていた大好きな母が、帰ってきた。
しかし母は謎の変死を遂げる。
母が関係していた宗教団体"FARGO"へ単身乗り込み、真実を確かめようと目的を持つ。
そこで出会う仲間たち、悲劇、悲惨な現実・過去。
宗教団体や信者が語る『不可視の力』とは何なのか。
真実とは何なのか。

後に『KEY』のメンバーとなるTactics(NEXTON)のメンバーたちが最初に手懸けた最初の作品。
内容がアレ過ぎて、とりあえず痛い。それが第一印象。
Tacticsは何を望んでいるのだ と感じるシーンも多い。
全てのパソゲーがこのようなエロゲーだと誤解できるに足る作品だとも言える。
展開としては、毎回の過程が同じなのでプレイヤーもゆっくり理解していくことができそうだ。
テーマは特にないが、つけるとしたら「真実」とか「過去」とか言えそう。以下キャラレビュー。



天沢 郁未
本編の主人公で、女学生。学校屈指の美女と言われている。
大好きな母の謎死の真実を知るため、単身"FARGO"に乗り込もうとする。
そしてClass"A"に配属され、そこで精神鍛錬を受ける。

実はかなりえっちな子だったりする事には多少驚き。
それとは別に、奥に秘めたる決心は確固たるもの。
母を愛する余り彼女を狂わせたと言うのもあるかもしれない。
真実を理解するため行動派で、危険の中にも積極的。
そう言う意味では、勇気があって強いと言える。
だが他人に2度と言いたくないような過去を突きつけられてくじけそうになったり弱いところもある。
自分のやっている積極的な行動が周りを不幸にしているのではないかと言い出すが、結果的には皆を幸せに導いた。
真実を知ることで不幸の館から見事、自分も仲間も救い出せたことは、奇跡と言えるだろう。ラストはいい感じだと思った。



巳間 晴香
"FARGO"に向かう信者たちを乗せるトラックの中で知り合った少女。
元気な性格と言うより、多少荒れた感じの性格。
ガサツなところはあるが、頼れそうなしっかり者。
FARGOの一員として働く義兄を連れ戻そうとする。

しっかり者のためか、今までに辛い過去が少なく、"FARGO"ではClass"C"に配属される。
そこでFARGOの行いが陵辱だと知り、犯され仲間にも心を閉ざした冷たい態度・対応を取るようになった。
こんな事をしている義兄を止めさせるため会うのだが、説得に応じれない義兄は晴香を庇うため死去。
実験途中で失敗したロスト体として凶暴化する晴香だが、郁未に説得され改心した。
"FARGO"を脱出したときには過去を閉ざした晴香だが、いつか過去と向き合おうとする姿勢は良いと思う。
それまでに時間はかかるだろうが、とりあえず辛い過去を閉ざすと言うのもわかる気がした。



名倉 由衣
晴香と同じく、トラックの中で携帯電話で声をあげていて知り合った少女。
小さい身体で本人曰く馬鹿だが健気な頑張りや。
数年前自分を残して行った姉を取り戻すため、"FARGO"に乗り込む事を決心した何気に強い女の子。

3人の中で18禁と言うのを唯一正しく(?)使えた過去を持っている。
自分が襲われたせいで自分の事で両親が喧嘩して、家族がバラバラになった。
自棄になった由衣は取り返しの付かないようなとんでもない行動を犯してしまう。
姉が"FARGO"に入っていって不可視の力を欲したのは、そんな"家族"を取り戻すため。
それを忘れた由衣は姉に嫌われた。
それでも姉と一緒に一からやり直そうとする由衣は、姉から最後の優しさを感じる。
目的は果たせなかったが、最後は無事に出られて、郁未たちとも元気で、と言う感じで終わってよかった。
ストーリーが一番マシなのか、CGも3人の中で一番多いような気がする。(あれ抜きで)






・シナリオ
とりあえずウツ。やった人なら誰もがそう言えると断言してやる。
だがそれは悪品と言う事ではない。
過去に辛いことがあった。親族に何かがあった。だから神の力を得て過去を変えたい。
またはそう願った親族を連れ戻すために。精神鍛錬と言う名の訓練を受けたり。
その最果てに得るものは何なのか、って話。
その過程はあれが中心になってるから、どうにもシナリオと言う言い方がしにくいと言うか
付け加えたと、個人的に感じてしまう。


・CG
確かにいたる絵。しかし当所のメンバーたちの仕様か、ほとんどえち絵。
しかもせっかく色んなCGを見てもほとんどが痛いから、頑張って手に入れようとするやる気が失せてしまう。
鍵っ子やり込み派とか物好きでなければ感動でもないものを全部見ようとはしないだろう。
でも数はかなり多め(つかCLANNADと同じくらいかそれ以上?)なので豊富さに関しては文句ない。こういうものに限って多いものだ。


・音楽
なるほど、確かにあのKEYの作品のような音楽だ。
『おもひで』などは特にそれを感じる。 作品のテーマがこのようなものでもなければ名作になってたかもしれない。
雰囲気に合わせたためほとんど暗いものばかり。
だが雰囲気に合っているという点ではかなりよくできていると言えよう。
哀しい過去などで流れる音楽は、お馴染みの感じだった。
新しい作品をやってから古い作品の感想でお馴染みと言うのは変だけどw
ちなみに当DISCから音楽は抽出できそうにないので残念。


・システム
FinalVersionなので全声あり。男性の声優、いくらお金になるとは言え台詞は恥ずかしくないのか・・・
Ctrl押したままで未読でもメッセージ飛ばし可。メッセージウィンドウでもスキップ機能あり。
古いためか、リニューアルしてもホイール機能はなし。
ゲーム中CPU100%使用だった。ちなみにうちのCPUはセルロン2.5GHz。
OPはアニメ。ちょっと動きが雑だけど。ゲーム中はDOS窓でのゲームみたいな移動ができる。
コントロールキーを押していればメッセージ以外も即飛ばし可能。
セーブ箇所は30箇所。相変わらず多い・・・が、選択肢上よくセーブするので結果的に少なくなってしまう。
オプションでは、選択肢時マウスの位置を初期化するかどうかのON/OFFがあるが、はっきり言っていらない。ONになってるとめんどい。
インストールするにはDISCが3枚必要。DVDじゃないのね
選択肢がありすぎて難易度に問題ありかと思う。


・総評
精神鍛錬の意味はある程度理解できたと思う。方法が痛々しいとしか言えないけど。
あそこからラストのような微笑ましい展開はまるで奇跡のようだ。考えにくい。
過去と向かい合うことで自分を見出すことや、過去を忘れることで生きていけることなどが伝わった。
ストーリーとしてはよくできているが、もしパソゲーを初めてやるのがこれだとしたら
パソゲーというものを誤解してしまいそうな陵辱モノであったことは間違いない。
パソゲーという世界が広まり始めたばかりの作品だし、あるブランドとしてその時期の最初の作品だから仕方ないといえば仕方ないが・・・

笑いがあるとすれば、郁未のツッコミと少年の天然くらいしかない。
音楽も悪くないとは言え雰囲気に合わせるための暗いものばかり。
鍵っ子ならKEYのヤツラが初めて作ったのはどんなものか と言う興味本位でやればいい。
それ以外の人がやるのなら、パソゲーという世界に耐性がついてなければやるべきではない。
元々そう言うものを望んでいるなら話は別だけど。



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