Kanon
2004年正月冬によくやった感動ゲームです。
ここでは攻略と言うか、私の独断と偏見によるレビューとなってしまうと思います。
以下ではなるべく、紹介→感想の順にレビューしていきます。
・紹介
17歳を迎えた「相沢祐一」が白く霞む寒い街に再び戻ってくる。
過去に訪れたことのある街での出来事は、コンピュータがデータを削除したようにすっかり忘れていた。
そこで出会う再会と新たな出会いで、昔の記憶を取り戻していく。PCゲーム界では言わずと知れた名メーカー「Key」の最初の傑作品。
なんか、製作に相当時間がかかったらしいが、それなりの結果である。
今回のテーマは「奇跡」。様々な場面で記憶と「奇跡」が話の『鍵』となる。恋愛アドベンチャーでPS2でも出ている。以下、キャラクター毎に説明。
・水瀬 名雪
祐一の「いとこ」で、祐一をずっと想い続けていた雪の少女。
7年間も祐一を想い続けたという一途な強い一面を持つ。
普段は、朝に弱く寝坊は少なくなかったり、鈍感だったり、結構おとぼけ屋さん。
素直な性格で、口癖は「うにゅ〜」や「〜〜だお〜」などがある。
母の水瀬秋子と生まれた時から同じ家に17年間ずっと二人暮らしで過ごしてきた。生まれてからも父の顔は見たことがないようだ。
母の事も何も知らない(と言うか、秘密といわれて知らされてない)。 とりあえずジャム(不味い?)が恐れあるものだということは知っているらしい。
見かけとは裏腹に、実は陸上部の部長さん。生まれつきの猫アレルギーのせいで猫に近づくと涙とくしゃみが止まらないという、可愛そうな持病?もある。ゲーム内で最初に会うキャラであり、一番身近な存在。
世話焼きで、いつも祐一の事を考えてくれたりする。
いたるところでいい人っぷりを発揮。
このストーリーを越してから他のストーリーを選択すると、名雪がすごく可愛そうになってくる。
アニメではあゆがメインヒロインであり、そのストーリーを本道に進んでいくので、やはり名雪の思いは最後まで実ることはない。
ここまでくると「初恋は実らない」と言う話が現実味を帯びて来そうな感じがして、リアルで感情移入できる。もっとも、名雪が他のキャラと比べて一番まともだ(空想的でない部分が多い)から、それは言えているかもしれない。
Kanon内では素直なところの性格の彼女が一番お気に入り。
最後の最後で、最初みたいなシーンが重なり、感動した。特に、テロップのシーンではじ〜んと来た。
最終的には奇跡が起こって、事故った秋子さんが復活して(ちょっとネタバレ;;)、ハッピーエンドとなる訳だが、 その後のエピローグが知りたくなるほど微笑ましい終わり方をしている。
重要サブキャラクターは水瀬秋子。目立つサブアイテムは、ケロロ軍曹 いやや、けろぴーかな。
まだやった事なくてこれから機会があったらやってみようかな、と思う人は このストーリーは私的にオススメ。ちょっと日常的すぎるけど、普段と変わらない事が幸せだと思えるストーリー。悪く言っても「無難」だ。
・美坂 栞
体の小さな女の子。
しかしその過去には様々な事情があり、他人にそれと感じさせない雰囲気がある。
祐一に出会ってから女の子らしい恋が始まるようになる。笑顔の向こう側に、諸々の事情を抱え込む少女。
あることがわかっていながら泣かない。悲しまない。
まるで仙人みたいに、その訪れを悟り待っているようだ。
そんな彼女に関わっていく途中は、もちろん彼女が祐一にそんな事をいきなり言い出せるはずがないので、何故栞が中途半端に拒絶したりするのか、わからなくなってくるかもしれない。
ストーリーの展開でそれは徐々に理解してくるが、完全に理解した頃には幸せどころか「不幸」と言う言葉が相応しい。
Kanon内では彼女とのストーリーが一番恋という感じがする。最も、恋に憧れていたのが栞だからであるが。
最初はただ気になる存在であるだけだったが、事情を知るにつれて大切に想うようになっていく。
祐一と過去に会っていないためプロローグがなく、無理やりキャラを濃くするために作ったような設定が多いが、その内容が濃すぎてしっかりキャラとして活動している。
重要サブキャラクターは美坂香里。目立つサブアイテムはストールか。
私がKanon内で最後に越したストーリーだが、私的に感動度は真ん中くらい。
大好きって訳じゃないが、嫌いではない。これからやる人には、非難の声は聞こえにくそうだと思う。
・沢渡 真琴
ジージャン姿にミニスカート、金色の長髪の横はリボンで結ばれている、
祐一に恨みを持つ少女。
しかし記憶はない。
自分の行動の理由が祐一だという「道しるべ」だけを頼りに存在している。
祐一に会ってから居候先の「水瀬家」に居候することになる。
仕事は、祐一を闇討ちする事で、その内容はもっぱら子供のようないたずら。
日課は「食って遊んで寝る」こと。
大好きな肉まんを頬張りながら漫画を読んで、夜は祐一にいたずらをする。
困ると「あぅー」と言う口癖がある。
居候中は保育所でバイトをしている。
やがて真琴の復讐心は別のものへと変わっていく。真琴のストーリーは、しっかり読んでいてもあまりに現実味を帯びなくて納得できずわからないかもしれない。
普段は夜にいたずらしたり、性格があまのじゃくだったり(ひねくれていたり)、キャラとしては好きじゃない人も多いかもしれない。
途中の話では栞のストーリーと重なるように感じる場面もある。
彼女のストーリーは複雑すぎて、キャラだけ知っているとつまらないストーリーだと勘違いしてしまいそうだが、最後の写真を一緒に撮ろうとする場面は正に涙もの。
重要サブキャラクターは天野美汐。目立つサブアイテムは・・・ぴろ?
言葉だけだと少しわからないかもしれないが、これはキャラよりストーリー重視で、感動で言うならKanon内で一、二を争う。それだけでも充分やる価値はあると思う。
・川澄 舞
夜の校舎に佇む少女。
自称「魔物を討つ者」。
いつも夜の校舎で剣を持ちながら魔物が現れるのを待っている。
どんな訳からか夜に現れる魔物を倒すのが目的の生活を送ることになる。
そして今も魔物を討つために夜の校舎に存在する。出会いが神秘的な光景ということから始まる舞のストーリーは、最初は感情表現のない舞に対してつまらないと思うこともあるが、逆にだんだんと彼女を理解していくにつれてその考えを認めることができるようになっていくと思われる。佐祐理さんはそんな彼女の感情表現が薄いところを補ったキャラであったかもしれない。そのため口数や登場場面も多く、サブキャラとは思えないほどメインヒロインと同じくらいの活躍場面がある。
感情が薄いという設定の裏腹に、キャラとしては濃いイメージが多い。
剣を持っていることから現実離れしたイメージや、感情表現が薄いことが逆にキャラを濃くしている。「はちみつくまさん」と「ぽんぽこたぬきさん」 や、牛丼や和食が好きなこと、動物が好きでさん付けをするので、しりとりには弱かったり。3人の中で反応が遅く、後でチョップなどの突っ込みを入れるなど、彼女の存在感はかなりある。魔物との闘いが終わるイベントでは、祐一の妄想などが入ったりしてよくわからないが、結果的には舞自身が己の力を信じることにより魔物との戦闘が解決されて終わるのが感動する。
あゆとはあまり関係がなく、奇跡ともあまり関係がないがあえて最後の舞の復活を奇跡と関連づけることはできる。
このストーリーではこの「祐一」と「舞」と「佐裕理」の3人の友情が主にテーマとなっており、学園生活での思い出が重視されている。
このストーリーで製作者側がプレイヤーにどういったことを訴えたいのかは私にはわからなかったが、少なくとも感動しないことはなかった。しびれた。
このストーリーを作っている人は真琴のストーリーも担当し、名雪・栞・あゆは別の人が担当したようだ。
重要サブキャラクターは倉田佐裕理。目立つサブアイテムは、剣だ。
私が最初にやったストーリーで、最初はとっつきにくいが、後々理解してあげれるくらいになると良いと思えてくるようになるストーリーだ。
・月宮 あゆ
祐一の過去と最も深い関わりあいを持つ少女。
商店街で大切な「何か」を探し続けている。
たいやきが大好きで、ほとんどたいやきを食べたいことばかりを考えていたりする。強烈な影響力を呼んだ「うぐぅ〜」の持ち主。羽のリュックと幼い感じの性格が印象的。商店街でしかほとんど会えないので、商店街に行かないと中々会えない。
ストーリーの中では、あゆは祐一に自分以外の誰かに好きな人がいると考えて謙虚な思いで見つめているようである。
最後のシーンで、あゆが自分の過去と祐一の過去を重ねて祐一のことを精一杯考えて出した彼女の最後のお願いをする場面が感動の涙シーンに他ならない。
その時祐一の悲痛な叫びは森に響き渡る。正直、私もプレイした時同じような感情だった。
重要サブキャラクターは相沢祐一(主人公の過去)。目立つサブアイテムは羽のリュックだろう。
ってか語りきれなくなってきた。(ぉ) まぁとにかく感動するので、先入観抜きでやってみるといい。
・総合的な感想
まず、食べ物ネタが多く、キャラが濃く感じる理由としてはかなり色々ある。と言うか、ゲームだからこういう設定ができるのだが逆に言えばこれくらい特徴がないとキャラとして影が薄くなってしまう。
現実にこんなキャラが居たらいいなとお思いの方も居るだろうが、実際居たらちょっとキモイと言うか、引くかもしれないと思う。(カノンに限った事ではないが・・・)
絵と音楽は、かなり良い。絵に関しては個人的に真琴とかがちょっと他より劣っていたような気がするかな、程度であるがどれも正にプロ。
場所は、実際ある所をスケッチしているらしい。
音楽も、ヒロイン毎に音楽が用意されたり、シーンに合っている音楽が多い。「朝影」などはかなり良い。よくここまでやると言いたい。
エンディングも、ちゃんと一つのストーリーを終えたような感じの曲だ。
まるで一つの映画でも見終えたような感がある。
ざっと見直してみたところ、紹介説明と感想がごっちゃ混ぜになってて見にくくてすみません。
ストーリー内ではあまり、こうだ!と言う決定的な話が公になっていないので、隠れたまま終わっているようなものもあります。多分それは、製作者側が、後はユーザー自身で物語を作っていってほしい、尾をつけて一人歩きしていくかもしれない、と言う希望・願望があるんじゃないでしょうか。私が初めてやった恋愛系ですが、ものの見方が変わりました。
Keyの作品をやった人が良かったと言っていたのでやってみたら、噂以上でした。
ついでに小説も買いました。知らなかったら買っていませんでした。
やった年が「なんで今頃」と言われるような時間差ですが、やった時期が冬だったので余計感動できました。
しかしそれが他人に知れたため「とうとうお前もそう言う系に来ちゃったかー」とか言われます。私はそう言うのにあまり突っ込んでいなかったため、そういわれます。こみっくぱーてぃーって何?って言ってた時代が懐かしいです。
しかし今でもカノン以外の作品は名前聞いたことある程度です。カノンは恋とは違い、何かをきっかけに一緒に居るというストーリーのように感じました。
感動系が好きな人なら、これは本当にやってみた方がいいと思います。
余談ですが、ちょっとした小説を別の所に置いといたんで、良かったら読んで見て下さい。
恋愛アドベンチャーは年齢指定ゲームです。
18歳未満で興味をお持ちの方はPS2などの全年齢対象版をお楽しみ下さい。ちなみにURL「kanon.html」の部分を「kanon_2.html」にすると訂正前のネタバレテキストページが見れます。
やったことない人はやってから見てください。