かれんだー0表示(即更新なし) 1秒待ち クロスフェード更新 カレンダー25日目表示 クロスフェード通常 CG消去 1秒ウェイト ====================================== 仲直り ====================================== 烈「聞いて〜。パソコンの話だけど、メモリをギガバイトに増設したので仮想メモリの設定を0にしました〜」 今日まで色々あったけど、何ごともなかったかのように彼は元気だ。 その笑顔は本当なのか? でも、彼なりの何かの努力かもしれない。わたしも付き合ってあげることにする。 未夢「パソコンのお話?仮想メモリって?」 烈「仮想メモリは、物理メモリが足りなくなったときのためで」 烈「ハードディスクの空き容量を、メモリのように使うわけだけど」 烈「アクセスが、メモリと比較にならないくらい激遅だから」 烈「メモリがあるなら、アクセスの早い物理メモリで全部済ましてしまおうと言う魂胆です」 未夢「なるほどね。早くなった?」 烈「元のメモリ256メガバイトから700メガバイト位増設したわけだけど」 烈「これの効果があまりないようで…」 未夢「あらら」 烈「CPUが2.5ギガヘルツだから、何もかもの作業が光のように一瞬だと思えるけど」 烈「プログラムやシステム自体が無理やり仮想メモリを必要としているものがあったりで」 未夢「ふ〜ん、そうなんだ」 烈「物理メモリを増設しても全領域使うことが無いから、仮想メモリを消してしまえ」 烈「ってのは何か根本的な間違いがあったみたい」 烈「起動できなくなってたソフトとかあったから」 烈「まぁ仮想メモリの設定はすぐ直せるので良いんだけどね…」 未夢「それなら、良かったね」 烈「あと、OSの再起動が、確かにエラーはなくなったけど」 烈「それでもOS自体が元々重いので、CPUが2.5GHzでも処理が安定しなくって」 烈「まぁ、ハードディスクが1ギガバイト空いてようが1テラバイト空いてようが」 烈「64メガバイトのメモリを使うっての自体が重い作業であることには変わりないから」 烈「CPUの2.5ギガヘルツってのもただただ数字だけの凄さで」 烈「体感の速度はまだまだだと言えるね」 烈「これからはもっともっと…速くなっていくんだろうね」 烈「光の速度を超えて…」 今、わたしたちと同じように勉強している高校生の中から、そういうことを見つけ出す子が出るかも。 -------------------------------------------------------------------------------------------- 烈「見て見て、面白いこと書いてある」 烈「怒られた時、許してほしい時の対処法」 ケータイの画面を見せながら言ってきた。 烈「謝罪コメントは文頭に書く」 烈「主観を入れず、事実を説明する」 烈「カラダ全体を使う」 烈「気の毒に思われるほどしょげ返る」 烈「今後の対処法を説明する」 烈「気の毒に思われるほどしょげ返るって、なに」 笑っていた。 本心から何気なく笑っているように見える。 可菜ちゃんとは仲直りしたから何の問題もないはずなのに。 わたしの気にしすぎだ。 ============================================================================= 烈「ガルァ"ルァ"ルァ"ルァ"!」 未夢「なになになにっ?」 烈くんが放課中に突然叫びだした。 烈「やばいやばい、勉強わからなくて狂いそう、つか狂った」 烈「その日の課題を空白提出とか、体に毒な地獄でしかない…」 烈「ここ最近はそんな勉強面での不安な毎日です」 烈「生活に支障きたしそう」 未夢「予習しなよ」 烈「最近はゲームの敵のロジックを考えることに夢中になってて…」 烈「ちょっとしたゲームで遊ぶのも面白いけど」 烈「自分が作ったアルゴリズムでコンピュータ同士が戦ってどっちが勝つかと言うのを見るのも面白くて」 烈「今までのゲームは敵同士の試合見て何が楽しいとか思ってたけど」 烈「自分が作ったものとなると楽しさ10倍だ。ナルシストみたいにみえるけど」 未夢「ゲームって?」 烈「オセロとか将棋だよ」 未夢「なるほどね」 烈くんはケータイから目を話し、お外を見た。 烈「最近雨降ってないね〜。乾燥しすぎて水枯れしないかな。大丈夫かな?」 烈「いざとなったら雪とかして浄水器使って、使える水作るのかなっ」 烈くんはケータイに目を戻し、独り言を言うかのように続け始めた。 烈「私が、本当は明るい人だと知っている人にしか見せれない世界があるんだ」 未夢「なぁに、また突然」 わたしは机に肘をつき、手にほっぺたを乗せながら聞いていた。 烈「もう一人の私」 烈「いつも笑顔の私は、一人の時にはこんなことを思っている時がある」 烈「多分それは全て自分の否定…」 烈「私は存在していない方がいいのかなぁ―――」 烈「こんな答えのない自問さえも、私の心の底から消し去ってくれることを」 烈「人の言葉を、待ち続けてる」 未夢「それは…」 言うのは簡単だけど、難しいことでもあった。 烈「私はブログを書くときに、このブログを見ていると確信できるいくらかの人たちを」 烈「どうしても意識しながら書いちゃってるね。少なくとも10人は…」 烈「それを意識しながらでも、たまに暗いブログになると言うことは何を意味してるだろう?」 烈「この年になってそれだけ、心の底から悩む事項が多いと言うこと」 烈「真の私の姿を映し出している『ブログ』」 烈「見ている人を笑わせたり何かを評価するためだけのうわっつらのブログじゃない」 烈「その赤裸々さこそが、近しい人には逆に余計見られ続けてしまう原因なのかもしれないけど」 未夢「どんなことを書いてるの?わたしにも見せてよ」 烈「ダメだよ、恥ずかしいじゃない。それに、色々ばれちゃう」 未夢「えー」 烈「まぁ、PCではない日記なら3日坊主よりも短いけどね」 烈「あと、この時期に何を悩んでたかって言うのを後から見るのは結構面白い」 烈「今から一年前は、宿題とかゲームとかがんばってたなぁ…って」 烈「ぐだぐだ言いながらも色々がんばってたなぁって」 烈「そう思うと、今ぐだぐだ言ってるのはたまたま谷の時期なんだーって」 烈「勘違いして済まそうとするんだよね。勘違いと言うところがまたオツなものなんだけど」 未夢「あはは、そこは勘違いなんだ」 わたしは笑った。 烈くんは愛想笑いのように、こちらを見て笑った後、続ける。 烈「ブログを見ると、どうやら月末は周期的に谷の時期に入るみたい」 烈「しばらく愚痴や反省で凹みつつ、月の始めにはそれから修復されつつ元気を取り戻してる」 烈「だから、辛いのは少しの間がんばれば、レベルアップした自分がそこにいる」 烈「成長した自分がそこにいる」 烈「悩むときは、またがんばっているときだ」 烈「だから、今もがんばろう」 烈「それが、何年も何年も繰り返されて…」 烈「人は成長していくと思うんだ」 未夢「いいことじゃない。応援してるよ」 烈「任せて!」 烈くんは、力瘤を作るように手をグーにしながら、笑った。 応援しながら、思った。 烈くんが何を書いてるのか、ちょっと気になるな、と。 そしてわたしの気になっていることが、気のせいではないのかな、と。 --------------------------------------------------------------------------------------------- お昼ご飯を食べた後、図書室へ来ていた。 可菜ちゃんを見つけ、少しお話していたところで、零くんを見つけた。 烈くんとは一緒ではないようだ。 零くんの元に駆け寄った。 未夢「零くんも来てたんだ。零くんもあっちで一緒に本読もうよ」 零くんは無言で首を横に振った。 未夢「…なんで、いつも一人なの?誰かと一緒にいたほうが楽しいのに…」 零「…自分の時間がなくなるから」 未夢「あっ」 零くんは去ってしまった。 可菜「…その言葉、『なんでいつも一人なの?』について考えてみたけど…」 未夢「わ」 可菜ちゃんがついてきていたみたいだった。 可菜「そういう質問はするべきではなかったかもと思う」 可菜「なぜなら、そんな質問をしても楽しい会話になりそうもないし」 可菜「その質問は、言い換えれば『あなたには友達がいないね』って言ってるのと同じになっちゃうから」 可菜「さらにマイナス志向の人だったら『コミュニケーション力が低い』」 可菜「って言われていると考えるかもしれない」 可菜「『自分の時間がなくなるから』なんて彼は言ってたけど」 可菜「烈くん以外の人とはまったく喋らない訳じゃないでしょ?」 可菜「たぶん未夢ちゃんにとって、質問の答えは二の次で」 可菜「最大の目的は彼と一緒に楽しく話がしたいだけなんだと思った」 可菜「少しだけ言葉が足らなかっただけだと思うよ」 未夢「う、うーん…」 そうだったかもしれない。自分の気づかないところで彼を傷つけてしまったのかも。 今度会ったら謝ろう。 --------------------------------------------------------------------------------------------- 未夢「うん?」 教室に戻ると、何やら騒がしかった。どうやら烈くんの席周辺のようだ。 烈「どうしてそんなこと言うの?」 烈「陰でぶつぶつ言ってないで私より良いこと言ってみてよ」 烈「あなたに、偏見を理解する心がある?」 未夢「烈くん?どうしたの?」 男子「おい、保護者の登場だぜ」 見ると、この前言い合ってケンカしてた男子たちだった。 烈くんが来る前までは、わたしも通りすがった時に普通にちょっと会話してたぐらいで。 何かいがみ合うような子じゃなかったと思ってたのに。 未夢「ね、ねぇっ、これ、どうしたの?」 彷徨に聞いた。隣にいた彷徨が肘をついて目を瞑ってた。 彷徨「知らね。そいつらが突然勝手に因縁つけてきてたんだよ」 様子を見てたらしい彷徨が言った。 いつもの彷徨通り、詳細を語るのがめんどくさそうにしてたが、その通りなのだろう。 何となく雰囲気はわかった。 未夢「みんな、どうして烈くんに辛く当たるのっ?」 男子「そ、それは、こいつがっ…」 未夢「烈くんがっ?」 男子「…」 男子はそれ以後黙ってしまった。 何か言いたげだったけど、何も言ってこなかった。 烈「…もういいよ、未夢さん。きっと私が悪かったんだ」 ふいに烈くんが言った。 烈「…私も前に何か色々言っちゃったし、みんなに迷惑かけちゃったんだよ」 烈「ちゃんと謝るから、その代わり、みんなが何で怒ってたのか教えて欲しいな」 烈「みんな、ごめんなさい。私が悪かったです」 烈くんはみんなに頭をぺこっと下げた。 いきなりだったけど、潔い感じだった。 対する男子たちは怖気づいたようにびっくりしていたが、その姿勢に対して少し緩和になった。 彼の一人は頬をぽりぽり書きながら、何か言いにくそうにしている。 男子2「…君が光月さんによく話しかけるのが羨ましかったんだよ」 男子1「ばっか、おまっ…!」 あまり責めに積極的じゃなかった後ろにいた子が言った。 未夢「…はっ…?」 唐突にわたしの名前が出てきたので、思わず変な声が出た。 烈くんも口をあけてぽかんとしている。 すると後ろの子が続けていった。 男子2「こいつ、光月さんのことが気に入っててさ」 烈くんがますます口をぽかんとあけていた。 当の男子は、顔を真っ赤にして俯いている。 男子1「だっ、だからてめぇがうぜぇんだよっ!」 顔を真っ赤にしておっかない言葉をいうけど、なぜか怖い雰囲気はなかった。 烈「…アッハハ」 烈くんはあははと笑う。 烈「それはごめんごめん、気づかなかったよ」 未夢「???」 何がなんだかわからない。 烈「それはそれとして、今まで色々言ってごめん」 烈くんは彼に手を差し出していた。というか、彼の手を握っていた。 烈「でも、それだけでひどいこと言うのは勘弁して欲しいな」 烈「じゃぁ、とりあえず私が未夢さんに話しかけなくすればいいのかな?」 えっ。何っ。わたし、突然嫌われたの? 男子2「い、いや〜、紅瀬くんがそこまでしなくてもいいんじゃないかな」 烈「いやいや、確かにちょっとでしゃばりすぎたかもね」 烈「とりあえず、ごめんね」 ひどいことを言ってきたはずの彼に、烈くんは微笑んでいた。 まぁ、烈くんも多少はひどいこと言っちゃったみたいだけど。 男子1「…ごめん」 彼は小声で謝っていた。 烈「これからは気をつけるよ」 何にだろう?よくわからない。 男子2「ま、まあこちらも色々悪かったよ」 そういって彼らは引き上げた。 と、とりあえず、なんか仲直りしたのかな? 良かったような。 彷徨「まー、俺はあいつらの気持ちがちょっとわかるかもなー」 事が済んだ後、彷徨がぶっきらぼうそうにそう言った。 未夢「えっ…?何が?」 彷徨「…まーお前がその様子だと少し安心っつーか、逆に不安っつーか…」 未夢「何よ、何なのよ〜」 横目で烈くんを見たけど、苦笑いしてこっちを見ていた。 ============================================================================= 【烈サイド】 闇を一つに。今までの暗闇、暗い記憶。悪、罪、哀しみ。人間の、全ての恨み。 どす黒さを全て一つに凝縮したブラックホール。 目的など何もない… なんかちょっと壊れかけてきたなぁ。 その壊れ方がいつもと違う。 さぁこれからどうしよう。 消えない記憶… 夜が来るたびに見る夢。 夜が怖い。 夜が怖いわけではない。 夜に関係するものが怖い。 だから夜が怖い。 パブロフの犬のように、条件反射で全く関係のない夜を怖がっている。 それは、昼にでも起こりうる。 眠ること。 眠れば再び過去の闇… …… … 怒られている私が居る。 勉強がわからない私を叱っている母が居る。 雪『どうしてこんなことがわからないの!?』 烈『うるさい!それ以上言うと刺すぞ!』 雪『できるものならやってみなさい!』 烈『…!』 私は腕を思いっきり振り上げ、その鉛筆を下ろした。 ドスッ! その黒い鉛筆は、母の右手甲の中心に深々と突き刺さった。 雪『…痛い…痛い…いったいっ…えぇーーーんんん』 痛みのあまり母は泣き出して暴れた―――― ------------------------------------------------------------------------- 【未夢サイド】 がばっ!!!!! 烈「はっ…!!!はっ…!!はっ…!!はっ!!!」 未夢「うわ…っ烈くんっ…どうしたのっ…?」 放課後、寝ていた烈くんが急に飛び起きたのだ。びっくりした。 烈「はっ…!はっ…!…っみ、未夢さん…」 24時間マラソンをしたあとのような、何よりも疲れ青ざめた顔をしてた。 烈「れ、零っ…!」 零「烈…どうした?」 隣の相棒さんが優しく声かける。 それさえも、烈くんを咎めるような声だと烈くんは勘違いしているかのようにびくっとした。 勘違いと言うことがわかっているのに、それを"咎め"と思っているかのような。 烈くんは、いつもどおり机で眠っていた。 夢を見ていたらしい。 過去の悪夢、消したい悪夢。 己の記憶に恐れをなし、自分の腕で体を抱き、何もかもから身を守るように烈は丸くなった。 烈「眠るたび、いつも違う夢を見るんだ…!」 烈「毎度の悪夢。それがいつもと違っても悪夢であることに変わりはないけど」 零「そうか…」 零くんはあまりおしゃべりが得意でないことはわかっている。 だけど、逆に聞き上手だとも思える。 零「とりあえず、帰るぞ」 烈「家に帰るっ。この機を逃して帰る術は無いっ」 未夢「いや、もう放課後だよ」 零「というわけで、おれたちは先に帰る。悪いな」 先といっても、ホームルーム終わった後、しばらく席で話していただけだけど。 未夢「ううん。気をつけて」 零「ああ」 未夢「烈くん、どうしちゃったんだろうね…」 彷徨「さぁ…」 わたしも彷徨も、首を傾げるしかなかった。 未夢「わたしたちも帰ろっか」 彷徨「ああ」 未夢「うん?」 他のクラスの女子かな?わたしと彷徨を最後に、誰もいなくなった教室の辺りをキョロキョロしてた。 烈くんの机の中に何か入れてる。 未夢「あ、あの、烈くんに何か用事?」 女の子は、キッとわたしを睨んだ。 未夢「えっ」 女の子「ふんっ」 女の子「紅瀬くんにファンレター何度も送っても返信来なくて、私は不安でした」 女の子「せっかく兄に紅瀬くんのファンサイト作ってもらったのに、誰も来ないし」 女の子「あなたがいつもそばにいるからっ」 女の子「紅瀬くん、来た時から好きでした」 女の子「みんなの中で、この気持ちを信用する人は誰もいなかったし」 女の子「気分がわるかったです」 女の子「いじめられた私です」 女の子「ここ、苦手でも来ちゃいます」 女の子「もういや」 女の子「誰か助けてください」 女の子「これが本音の気持ちです」 女の子「では、みなさん、さようならっ」 女の子は一気にまくしたてて、だっと走り去ってしまった。 えーと、つまり?? お兄さんに烈くんのファンページ作ってもらった。 さらにファンレターも送った。返事はなし。 なのに、返信が来なかったのは、わたしがいつも後ろにいるから。って席近いだけなんですけど。 実は烈くんのこと好きなんだけど、周りに馬鹿にされてて。 けど思いがあふれちゃって、適当に暴露したと。 ファンレターって言うかラブレターじゃ。 彷徨「これは…」 未夢「相当な勘違いさんですな」 しかし…烈くんのジャマしちゃってたのかな? 未夢「まぁ烈くん、ベビーフェイスだから、人気あるのかねぇ」 彷徨「ちょっと面白かった」 未夢「こら彷徨、そっとしておいてやりなよ」 彷徨「はいはい。俺らだけの秘密な」 未夢「烈くんのことなんだけどね…」 他人の秘密を共有する。なんとも不思議な一瞬だった…。 --------------------------------------------------------------------------------------------- 【烈サイド】 自分勝手だけど、聞いてくれるだけでいい。慰める言葉もなくていい。 側に居てくれるだけで…私は闇から開放される気がした。 気がした…そう…現実でない世界へ連れて行ってくれる。 烈「今日は、夢が一際酷かった」 プールに入ったときのように全身水浸しだといわんばかりの異常な出汗だった。 シャツは雨に濡れたようにびっしりと体に付きまとい、邪魔なだけだった。 家に着いた。 零「とりあえず…風呂入れよ。側に居てやるから」 零はそっと私を風呂場へと促した。 …。 私は風呂場でシャワーを浴び、闇の名残を落としていった。 見る夢は、ある日は中学生時いじめられて一人で大声で泣いている場面… ある日は、父に自分の全てを咎められている場面… なんでこんな記憶が今更ながらにっ… 今ほど記憶喪失になりたい事はなかった。 一人で何かを考えると、思い出すは闇記憶。 この闇から逃れられない暗い過去。 脳の一部が千切れそうなほどに痛い過去。 逃げたい。強く逃げたい。 夜の日本家屋は、闇そのものだった。 どんなに電気で明るく灯しても、心の中までは照らしてくれなかった。 烈「はぁっ…」 風呂を上がった私は大きく息をつく。 零「落ち着いたか…?」 零が椅子に座って足と腕を組みながら、ずっと待ってくれていた。 まるで、眠りながら寝言を言っているように、しかし起きているように話しかけてくれた。 烈「…今はね…」 零「…」 返した返事に、何も返さない零。 だが、何もなくてもそこに居るか居ないかで全然違った。 今私は何故生きている? 復讐…なんの? なんの…なんの… … いじめ、恨み、感謝…。 いじめによって得た悲しみと、やってはいけないことの心の教え。 父に虐げられた恨みと、その裏に本当は感謝したい気持ち。 そして暗い私を支えてくれた人への感謝。 私が死を選ばなかったのは、零が居たから。 烈「戦争、病気などで、明日を生きたいのに生きれなかった人達がいるって考えると、生きないとなぁ」 烈「やりたい事があってできなくて、やれないなら意味ないからね」 病気になった。傍に居なければ。居たいのだ。残り少ない時間を共にしたいのだ。 命が失われるまでに、色々なことを吸収せねば…。 ------------------------------------------------------------------------------------------------- 【未夢サイド】 最近色々と考えたり悩んだりしたからなぁ…。 それだけ頭使ってる割にはあんまり賢くなってないけど。 疲れが余計に促進させちゃったのかもしれない。 どうしよう。 がんばるしかないのにがんばれる気がしないのでどうしようもない。 自分で自分を、救い様がないな…って思ってしまった。 いくら優しさで救いの手を差し伸べても、最終的に這い上がるのは本人の力でしかない。 恐らく、努力せずして救われたいと言う欲望を抱いているのかもしれない。 わたしもだらだらしたい…。 けど、人はいつしか上に立つ事を余儀なくされるのだから。 やっぱり自分が自分の足で生きるためにも、努力しないと。 自分で這い上がれない人たちを救える優しさがあるかどうか、も大事だと思う。 わたしは他人を救ってこそ、自分がこの世に居れる価値があると思いたい。 自分のためだけに生きて、やることをやってやりたいように生きて、自己満足で終わっても、ね。 本人がそれをよしとするなら構わないけど、でもわたしが今していることは正にそれだし。 結局はみんな、最終的な終着点は自己満足で終わっていくのかもしれない。 星に何かを願うとしたら何を願う? 世の平和?恋人とずっと一緒になること? わたしの願い… 友達が、笑っていられますように――― わたしを笑わせてくれた大切な人たちが、永遠に幸せで居られますように…。 そう… 人は変わりたいと思い、変わった瞬間変わらない事を望む。 永遠――― そして、信じるものには迷惑をかけず、だけど頼る。 周りの人は、友としてどれだけの影響を与えられる存在になれるのか。 わたしは、誰かを助ける事ができるのか。 周りの一言で、人は救える。信じてる。 友だちを労わる事は大事な事なのだと、わかってほしい。 みんなにも気付いてほしい。 今日わたしは、誰かを救えただろうか…。