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 ====================================== 喧嘩の行方 ======================================

教室についた。
昨日の出来事はなかったかのように、いつも通りだ。
いや、わたしが気にしすぎなだけだと言い聞かせた。


惠「ねぇねぇ聞いた?未夢」

未夢「? なに?」

惠ちゃんが来てて、さっそく話しかけられた。

惠「いいから、ちょっと耳貸せ未夢」

未夢「?」

何事だろうと思い、耳を惠ちゃんに寄せた。

惠「調べたところによるとだな…デリは派遣、ヘルは本番なし、ピンは店でってことらしいぞ」

未夢「…?」

一瞬何のことかわからなかった。
けど。

未夢「あっ!」

惠「はっはー!」

可菜ちゃんの入れ知恵だな!

惠「未夢!がんばれ!」

未夢「惠ちゃん!余計なお世話!」

惠「ほれほれ、イフ平尾店とか色々情報あるぞー」

ぺらのような雑誌をひらひらさせていう。

未夢「しまいなさーい!」

ありえん!ありえーりん!

きっと一昨日のあの後、可菜ちゃんと色々話してたんだろう。

まったく…。


席に着くと、先に来てたらしい烈くんが考え事をしてた。

未夢「おはよう、烈くん。どうしたの?」

烈「おはよう、未夢さん。顔と性格が変なやつ誰だったっけな〜って」

烈「えーと、沢ヒロシ!」

烈「あーいかん、芸能人の名前と被った」

未夢「えっ、何ごとっ…?え?」

未夢「ってか、その名前の人存在するし、変なんて言っちゃったら失礼だよ〜」

烈「私もそう思う」

零「なら止めろよ」

烈「でも面白いでしょ?そう思ってるのにそうするっていうのが」

零「そうだけど、笑わせるんじゃなくて笑われるのでは」

烈「いいんじゃない?周りが楽しい雰囲気になるのはどちらでも同じ」
烈「笑われたとして評価が下がったとしても被害者は私のみ」
烈「下がった部分は勉強でカバーすればいいじゃん」
烈「できてないけどさ!」

開き直った。って言うかキレた。

烈「要するに、死ねってことだよね」
烈「あっはっは!」

言葉が怖いよ烈くん。


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日常はぶつ切りだ。
1日1日それぞれの出来事が独立している。
まるで、前後の繋がりがないかのように。
でも、どこかで繋がっている。
その積み重ねが、日常なのだ。
変わらないように見えても、各々の中で少しずつ何かが変わっている。




授業が終わると、席で伏せていた烈くんが体を起こした。


烈「やれやれ…眠れないよ。昼寝しすぎたのもそうだけど前ので…」

いや、そうでなくても授業中は寝ちゃいけないけどね。

烈「内田さんとも一悶着あったばかりだし、クラスの子たちとも…」

未夢「…」

烈「よくわかった!」
烈「彼らはこの世に害を齎すゴミ未満だ」
烈「今すぐ消えてもらう」
烈「我が闇なる前に消え失せよ」

烈くんは、呪文を唱えるようにしてポーズした。

烈「そんな風に魔法使えたら面白いのにね」

未夢「いいことに、使わなくちゃね」

烈「ここに居る人たちは、無神経すぎる」
烈「恐らく、苦痛に悩んだことがないか、開き直ってるか」
烈「何も考えてないんだろう」
烈「幸せなやつらだねー」
烈「マナーが悪くて気の利かない人、何も考えてなさそうな人」

未夢「そんな風に言っちゃダメだよー」
未夢「彼らには彼らなりの必死の悩みごとがあるんだよ、きっと」

烈「むむ、未夢さんが言うなら、そうなんかねぇ?」

未夢「そういうことに、しておきなさい」

烈「仕方ない、そうしよう」

未夢「ああ、ごめんね、反応側なのに強引になっちゃって」

烈「ううん。私は、くだらないおしゃべりが好きなんだ」
烈「大体男の人と言うと、意味のある話しかしない傾向があって」
烈「逆に女の子は雑談を好む。長電話とか」
烈「私は頭が悪いので専門的な話はできないから無駄話しか出来ない」

それは烈くんの偏見だ。一理あるかもしれないけど。

烈「昔、幼い頃忙しい両親に話しかけた時、忙しいからと無視されたけど」
烈「無視されると言うことは凄く哀しいことだった」
烈「だから、少しでも反応してくれることに、自分の存在を確かめれて凄く嬉しい気がする」
烈「だから、細かく反応してくれて長くなるのは、むしろ嬉しい」

わたしも昔そうだった。だから反応してあげるというわけじゃないけど、それはわたしの性格だ。

烈「でもね、気に病むことはないんだよ」
烈「別に、わたしのことなんて、わかってくれなくてもいい」
烈「けど、そう言う人が居るんだということを、考えて欲しいんだ」
烈「それは変わらないと思うんだ…1000年前からも、1000年後も」

いつの時代も、寂しがりやがいるということだ。


未夢「そういえば、可菜ちゃんが昨日のことを謝りたがっていたよ」
未夢「だからね、可菜ちゃんに会いに行こう。仲直りしてほしいんだ」

烈「別にいいよ、さっきも言ったけど、嫌われてても」

未夢「そんなこと言わずに、わたしの顔を立ててくれるとうれしいな」

烈「…未夢さんがそこまでいうのなら」

しぶしぶ了解してくれた。

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可菜「…来たの」

昨日最後の懺悔の様子とは打って変わって違った。
プライドでも守るかのように、頑なに硬い態度に戻っていて驚いた。

可菜「言い返しに来たの」
可菜「突然変異は面白いとか言われて毒舌されて、すぐノックアウトされるんだよねぇ」
可菜「だもんですぐ凹むわけだし」


烈「…なんなんだお前はさっきから」
烈「なんで親しくもない知らないゴミから悪口みたいな冗談言われなかんのだ」
烈「身の程を弁えろ!」

未夢「あああ」

どうすればいいかわからなかった。
なぜ、どうしてこんなことに。
何がどうしてこうなったんだろう。

烈「しかしそのどこの馬の骨だか知らない人にこんなに世話を焼いてくれたのは何故?」
烈「自分の、本人に対する貶しを見せて楽しんでいるだけだとしたら」
烈「それは能力がない人間よりも最悪な心だと思うよ…」

烈「厳しく気付かせる前に、無責任な言葉で持って人を傷つけないような」
烈「そんな労わりを持って欲しかったな」
烈「技術はあっても心がないと言う良識は非常に興味を抱かせてもらったけど」

可菜「年齢とともに、求められるモノも大きくなるんだ」
可菜「年齢にどんどん置いてかれる」
可菜「どんどん夢から遠ざかっている事に気付かせるのは、プラスと考えた」
可菜「だから止めようとは思わなかった」
可菜「私の良識はその程度だよ」

それは、可菜ちゃんの本心だっただろうか?

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烈「とりあえず、内田さんは何か大きな勘違いをしてるっ」
烈「あなたは生きるために知恵をつけているのではないの?」
烈「人を馬鹿にして楽しむための知識?」
烈「それも人生かもしれない」

烈「そして、その貶しさえも、私が無視できれば何の影響も起こらない」
烈「未夢さん以外他に誰も見てないから、侮辱罪にもならない」
烈「全ては無意味に帰す。無意味になるかどうかは私次第だけど」
烈「でも、人によっては、その人だけの影響を、とても気にします」

烈「それが悪い方向に行ったのであれば、その知恵はとてもよくないことなのだと」
烈「私はそう思う」
烈「私を信じてくれてるならば、何が悪いのかを気付かせようとしてくれた事は感謝します」
烈「でも、それ以上の言葉で以って相手を馬鹿にすることは決してよい事だとは思わない…!」

烈「もし、あなたが私を虐げて快楽を貪りたいだけならば、今すぐ止めて」
烈「私みたいなどこの馬の骨かもわからない人間のために、無駄な時間を費やさないで」
烈「って言うかそんな暇があるなら、私の分まで少しでも世の中の役に立ってよっ」
烈「私みたいなやつに言われたら終わりだよ」

可菜「…うん…そうかもしれないね」

可菜ちゃんは本を見たまま、悟っていたかのように目を悲しげにして頷いた。
これはきっと、可菜ちゃんの本心の一部だ。
昨日の懺悔から垣間見られる部分の、ほんの一部。
可菜ちゃんは烈くんからの反論を、神様からの罰かのように黙って聞いていた。

烈「自分ダメって言うか、まぁ自分の考えてることに対してむかついたり自己嫌悪は耐えないよ」
烈「何でこんな私は弱いんだろう、そしてこんなグチグチ言う自分はダメだみたいな…」
烈「私も学校に入って、遊んだり寝てばかりで1年が過ぎたようなもん」
烈「だけど、不思議と後悔はなかった」

烈「その遊びで得られた喜びや悲しみは、これから生きていく糧となると思う」
烈「まぁこれは私がそれだけ人一倍未熟だったからだけどね…」
烈「伝えるってのは難しいね〜。こっちがわかってるかどうかってのもあるけど」
烈「わかってない人にわかるように伝えるのは難しいね」



未夢「ちょ、ちょっとタンマっ」

二人がわたしを見た。

未夢「よくわからないけど、喧嘩はダメだよっ」

未夢「きょ、今日は烈くん用事あるみたいだから、帰らせるね!可菜ちゃんごめんね!」

未夢「烈くんも付き合わせちゃってごめんね!バイバイ!」

烈「え、ちょ、ちょっと…」

ずいずいと背中を押して図書室から退館させた。

半ばちょっと強引に、無理やりだったけど急場をしのぐには仕方ない。


未夢「…可菜ちゃん…」

可菜「…」

何とも言えない顔をしてた。後悔とも、仕方ないとも。
その本心を改めて聞きたい。

未夢「なにぶん文章力がないのに勢いで言ってしまうところがあるから」
未夢「ちゃんとお質問できてなかったり、口調が悪かったり、生意気なこと言ってたりしたらごめんね」
未夢「なんで烈くんのことを下に見て言うの?傷つくじゃない」


可菜「私は、彼が礼儀が大事だということを認識しての言動をしていると感じ取ることができなかった」
可菜「だから、礼儀について下と思って言った」
可菜「言わないとわからないことは言うということだけど、言ってもわからないと来てる」

可菜「なら、傷ついて覚えろ!ということだよ」
可菜「はっきり言って、私もこんなことを一々0から10まで言いたくない」
可菜「未夢ちゃんは多分わかっていると思うけど、あの場にいたから巻き添え」
可菜「恨むなら彼を恨んで」


未夢「烈くんの言動に若干トゲがあるのはわたしもわかってる」
未夢「個性だからという理由で片付けるにはちょっと大きいトゲだよね…」
未夢「でも、今わたしたちがいるのは学校だよ。進学や就職を目指しているといっても学校なの」
未夢「そこまでがちがちにする必要はないとおもう、というのがわたしの考えだよ」

未夢「可菜ちゃんの話を聞いていると『学校でも、もう就職を目指せるんだからきっちりすべきだ』」
未夢「『もういいとしなのだからきっちりすべきだ』のような感じで」
未夢「『ここはもう社会だ』というような考えかと思ってる」
未夢「違ってたらごめんね」
未夢「それは間違いではないと思うし、主張してもいいと思う」

未夢「ただ、この学校ではそれが唯一の答えではないと思う」
未夢「この学校というのはあいまいなものだよ。校則があるといっても結構自由が利く」
未夢「会社に入れば社会人として生き抜くための生き方、考え方がマナー」
未夢「もしくはそれを通り越してルールだと思ってる」
未夢「では学校のルールはなんだろう?」
未夢「先生だとわたしは思う」

未夢「個人間で決着がつかなかったら先生に決めてもらうべきだと『少し』思うの」
未夢「何故『少し』なのかというと、さっきのわたしの考えは『そこまで』がちがちにする必要はない」
未夢「ということだったね」
未夢「そこまで、というのは多少なりとも年齢のことを意図しての言葉だよ」
未夢「『この年で先生に頼るのは甘えではないのか?』といわれたら」
未夢「確かに、それは甘えでしかないかもしれない…」

未夢「しかし、決着がつかないものはしょうがないと思う」
未夢「価値観が違うもの同士がぶつかってどちらも折れないのなら、第三者」
未夢「それも力のある第三者に決めてもらうしかないとわたしは思う」
未夢「たださっきも言ったけど、会社に入ったり、社会に出たら可菜ちゃんのそれにわたしも賛同すると思うな」
未夢「だけど学校というあいまいな状況にいる以上、こういう衝突はしかたないと思う」
未夢「だから、そんなに烈くんのことをダメだと思うなら、先生に相談しようよ」

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可菜「…みんな、いきなり責めるものなのよ」
可菜「それだけのことだよ」
可菜「それにね、未夢ちゃん、元々あんなこと言っちゃった理由なんてどうでもいいものだよ」
可菜「どんな正当な理由であれ、事故を起こしてしまったのなら後に言うことは言い訳そのものでしかないから」

可菜「事故や失敗を起こされた側が欲しいのは、謝ってほしいことでも理由でも言い訳でもない」
可菜「どうしたら二度と事故や失敗を起こさないか?ということ」

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未夢「いきなり可菜ちゃんがお説教しだしたから、びっくりしちゃったんだよ」
未夢「後に言うことは言い訳そのものでしかない、そのとおりだよ」
未夢「だからこそ先に、なんでそんなこと言うのか、言ってほしかったんだと思う」

未夢「といっても今回の場合はいきなりクラスのことを、クラス外の可菜ちゃんに聞きに行ったから」
未夢「致し方なかったとも思う」
未夢「と、わたしが言うこれも今言えば言い訳になっちゃうし」
未夢「話の勢いがあったとはいえ、あのとき先に連絡してなくてごめんね」

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可菜「…ふふっ」

未夢「え…な、なに?」

可菜「色々言いつつ、昨日は私が泣いて懺悔してたのになんでまた、っていう顔だなって思って」

可菜「あのあと考え直したの」

可菜「やっぱり、誰かが言ってあげなきゃ彼は気づかないなって。未夢ちゃんは優しいし」

可菜「ちなみに私は普段から烈くんを嫌ってるわけじゃないよ」

未夢「…悪いけど…烈くんはそうは受け取らないと思う」
未夢「だから、こうなっちゃったんだと思う」
未夢「悲しいことだけど、人は予想以上に人を見ていないよ」
未夢「たった数週間でわかることなんてそんなにない」

未夢「わたしの体験談をお話しするね」
未夢「女子中の頃のお話で」
未夢「確か1年生のときだったかな」
未夢「髪を切ったんだ」
未夢「学校に行って」
未夢「数日後に、『そういえば未夢、髪切ったの?』と言われて」
未夢「わたしは調子に乗って『気付くの遅いよ〜』と言ったの」
未夢「そしたら『そんなの知らないよ〜、ちょっと切っただけじゃ気付かない!』」
未夢「きつく言われちゃってね」

未夢「言い方は悪いけど、そういうことなんだよ」
未夢「人は予想以上に人を見ていない」
未夢「知らないか知っているかもわからないことに対して、期待を無理強いするのは厳しいと思う…」

可菜「…未夢ちゃんのその話は悲しいわ。見てる人はちゃんと見てるものよ」
未夢「…可菜ちゃんは、普段あまり顔に出したりしないからね」

未夢「普段態度に出してないのなら余計わからないはずだよ」
未夢「だから言ってほしいの。だから、『分ってくれ』と言われても限界があると思うの」
未夢「余談だけど、他の人が違う人に話しかけてるのに、わたしが反応してしまったりとか」
未夢「結構そういうところがあって、直そうと思ってもいまだに直らなくて」
未夢「結構前に、気付いたら言ってねと言ったことがあるけどそれは主にこの事で」
未夢「なれてくると調子に乗ってしまうの」
未夢「そういう自分を閉じ込めるのは難しいとわたしも分っているつもり」
未夢「だけど、情報を表に出すのはそれよりは断然簡単だと思うの」
未夢「なのでほんの一言でいいから言ってほしいの」

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未夢「昨日は最後ああいってたのに、なんで謝らなかったの…?」

可菜「私が今更謝っても、今更変わりないかな、ってね…」

可菜「そう思っちゃったら、どうでもいいやーってなって、また言っちゃった」

可菜「もう私、ダメだよね」

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未夢「謝ると言うよりは軽く、『前は、ちょっとごめんね』とか言っておいて」
未夢「落ち着いた後にきっちり説明をしてくれればよかったと思うな…」
未夢「可菜ちゃんが言っているように、あとから言うだけだと、ただの言い訳になっちゃうから」
未夢「だけど、最初に軽く一言あれば状況が変わったかもしれないと思う」

未夢「結局一番言いたいことはなにか、というと」
未夢「一言言ってね」
未夢「これに尽きるかな」
未夢「そうしたら、怒られても身構えができるから」

未夢「分ってるでしょ、というのは、つまるところ周りがどういう状態なのかを把握できない状態で」
未夢「一番危険に晒されるのは自分自身だし、周りにも迷惑が掛かってしまうから」

散々助言しておきながらあとで気付いたことだけど、じゃぁわたし自身がこれを完ぺきにできてるだろうか?
無意識的に、ママや彷徨たちに、以心伝心を期待しすぎたことはなかっただろうか?
もう、思い出せなかった。

可菜「ん」

なんだか、よくわからないままお互いに言い過ぎた感があった。

可菜「…そうね。次回からは気を付けるわ。…きっとその次回はもう、ないのだけれど」

未夢「そんなことないよ。烈くんに謝ろう。ね」

可菜「ん」

可菜ちゃんは素直じゃないように声を上げた。

一緒に図書室を出ようとドアを開けたら、烈くんがいた。

未夢「あっ、烈くんっ…」

烈「…」

今までの話、聞いていたようだ。

烈「何話すのかなって、聞いちゃってた」

未夢「ほら、可菜ちゃん」

彼女の肩を持って無理やり背を追いやって前に出した。

可菜「えっと…なんだかよくわからないうちに色々言って、ごめんなさい」

あんなこと言ったのを恥ずかしいように、謝ってた。

ホントに、なぜ色々言い出したんだか。

可菜ちゃんが言っていたことは、前も言っていたけど可菜ちゃんが言われていることなのかもしれない。

烈「いいよ、それはそれで真実だし、どこか心の底にぐさりと来るものがあったから」

烈「そういう風に思ってる人がたくさんいるんだと思って、気を付けるよ」

とりあえず、可菜ちゃんとは仲直り…できたのかな?

未夢「そもそもなんでこんなことになったんだっけ?」

烈「私がクラスメイトに色々言われたから、内田さんに相談しに行こうって未夢さんが…」

未夢「わ、わたしのせいなのか…!」

がーん!

可菜「そ、そうね、未夢ちゃんのせいねっ」

未夢「も、申し訳ありませんでした…」

烈「うそうそ、未夢さんのせいじゃないから」

逆に慰められる形になっていた。

可菜「私は先に行くわ。教室に忘れ物してたし」

未夢「あ、うん。またね」

可菜「紅瀬くん、ごめんなさい」

まだそっぽ向くように言っていた。取り乱したのが恥ずかしいんだろう。

烈「いいよ、もう」

可菜ちゃんは走って行った。

烈「内田さんにも、色々あるんだろうね」

自分が色々言われたのに、相手のことを察していた。

烈「でもね、謝ってくれるなら嬉しい方だよ。何にも謝ってくれない人も、いるから」

そうだ、何にも根本的解決にはなっていない。

もとは、クラスメイトと喧嘩しちゃったのが原因だったのだから。

でも、わたしのお節介のせいで、今回は収まったもののこうなってしまった。

次もそうなってしまったら、どうしよう…。

何もしない方が、いいんだろうか?

烈「ありがとね、未夢さん」

未夢「え、な、何が?」

礼を言われてしまった。

烈「色々気づけたし、内田さんと仲直りできた」

未夢「でもわたしのせいで、余計な喧嘩させちゃったし…」

烈くんは首を横に振った。

烈「いいんだよ、もう」

そう思ってくれるのならありがたいけど、懲りずにクラスメイトとも仲直りしてほしいと思うのであった。

直らないな、わたしのお節介も。

烈「今日はありがとう。先に帰るね」

何の気を察してか、先に帰って行ってしまった。

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校門まで出ると、零くんがいた。

未夢「あれ?零くん一人?烈くん来なかった?」

零「一人、と問われるならば、俺はどうだろう」
零「俺にとっての家族は居る」
零「だが、外界に行けば、全くもって俺は孤独だ」
零「だからこそ、コミュニケーション能力は、底に付いた筈だ。俺は」
零「一つの世界を生きる立場である以上、多少コミュニケーションは必要不可欠だよな」
零「俺はそれがなってないんだろうな」
零「だから、一つの輪から外へ外へと出されるのだろう」

零「世の中ではどうかは知らないが人との縁なんざ実に脆い」
零「通りすがりの他人が切断出来る程脆いのだから」
零「そんな事なら、最初から鎖など繋がなければよい」
零「そこそこに人間不信やっておいた方が、良いのかもしれないな」

そういって、零くんは去ってしまった。

突然、何を言われたのかわからなかった。
何か、わたしのさりげない一言で、彼を傷つけてしまったのだろうか?
それとも、わたしにもうお節介するなという忠告だったろうか?
何も、わからなかった。