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============================================ 豪雪で休校 ============================================

アナウンサー「本日は全国的に低気圧が固まっております」
アナウンサー「雲のあるところはおよそ大雪となり、30p超の積雪が予想されるでしょう」
アナウンサー「外出の際は、地面の滑りなどに細心の注意が必要です」
アナウンサー「公共交通機関も一部、運転を見合わせている模様です」
アナウンサー「特に、北の方面では…」

未夢「しまった…」

といっても、どうしようもなかったが。

烈くんとまた色々お話ししたいなと思っていたのに、これでは学校に行けないではないか。

今日は大雪だ。
外はまさに雪山の中で遭難したかのような猛吹雪となってる。

未夢「これ、さすがに今日学校休みだよね!?」

電車で通うものの、県を跨ぐような長距離じゃない。たとえ向こうが雪降っていなくても、積もってるはずだ。

未夢「っていうか、電車動いてないだろうから行けない…」

未来「まぁ、もし休みで無くて電車動いてたとしても、今日は休みなさい。普通に危ないわ」

コト…と、ママが暖かいミルクを置いてくれた。

未夢「あ、ありがと」

未来「こんな中でも仕事に行くのが当たり前になってるのだから、日本人は勤勉すぎよねぇ」

あんたも日本人じゃい。そしてわたしも。

優「でも、それでみんな休みになってたら、困るよ」

未来「電気とかガスとか、そういう生活に必須な機関だけお仕事でいいと思うのよ」
未来「サービス業とか、こんな日に誰も買いに行かないわ」
未来「みんな少しは蓄えてあるだろうし」

優「うーん、そういうものかな…」

未夢「そういえば、ママたちはいつまでお休みなの?」

去年の5月末ごろからこっちにずっとお休みだ。
わたしが高校1年生になった段階から一緒で、1年生の時はまだちょくちょくお仕事が忙しかったりしたようだ。
家に居ながら忙しそうにしてたり、ちょこちょこアメリカに出張に行ってたりしてた。
でも今はさっぱり。

未来「うん?しばらくよ?」

そのしばらくって、いつまでだろう…。

未来「心配ないわよ。これでも未夢が家にいない間、ちょくちょく向こうとやりとりしてるのよ?」

家の環境で何か重要な研究ができるとは思えないんだけど…。

大丈夫というから、大丈夫なんだろう。

気にしない事にした。

未来「学校からは、連絡ないの?」

未夢「うん…でも来ると思うけど…確かめてくる」


起きた時に外が大雪だったから、ママたちの方の様子がどうなってるか気になってパジャマのままで降りてきてた。
部屋に戻りケータイを見るが、特に履歴なし。
寒いので、ケータイを持ってまたリビングの方へ向かった。


未夢「学校からの連絡はまだないみたいだよ」

未来「そう、直に来るわよ。まだ早いけど、朝ご飯食べる?」

未夢「そうしようかな」


朝ご飯を食べながら朝のニュースを見てた。
どれも天気のことばかりだ。
しばらく待っていたが、学校からの連絡は来ない。
朝早すぎて学校もまだやってないのかな?

そうだ、彷徨にメールか電話でもしてみようかな。電話がいいかな。

トゥルルルル…スっ。

彷徨『なんだ…こんな朝早くから』

未夢「彷徨?おはよう。ねぇ、外すごい雪だけど、今日学校お休みなんじゃない?連絡来てない?」

彷徨『来てないよ…ってか来るなら学校の連絡網があるだろ。出席番号お前の方が早いじゃん』

未夢「あ…」

すっかり忘れてた。

未夢「なるほど」

彷徨『まぁでも確かにこの様子だと、今日は休みになるだろうな。そっちも電車止まってるだろう』

未夢「そうだよね…連絡来たらまた電話するね」

彷徨『ああ、よろしく頼むよ』

未夢「どうしよっかな〜、彷徨だけ飛ばそっかな〜」

普段からかわれるので、逆にからかってみた。

彷徨『お前、次の奴の番号知ってるか?』

未夢「あ、知らない…」

彷徨『じゃ、よろしく』

またしても、一撃でしてやられたり。

未夢「あ〜も〜!」

彷徨『まぁ知ってたら知ってたらで、俺は普通に学校行ってるな』

未夢「危険だから行くな!寝てなさい!」

彷徨『それか駅まで行ってお前を待ち続けるかも…』

未夢「わかったわかりましたごめんなさい連絡入れさせてください」

彷徨『あははは』

電話の向こうから気楽な笑い声が聞こえた。

未夢「むー。彷徨ってばわたしのことからかってるでしょ」

彷徨『からかってきたのはお前だろ。じゃぁ、連絡来てたらそっち受け取れないから、またな』

そういって電話は切れた。

未夢「むー…彷徨ったら」

未来「彷徨くん、どうだって?」

未夢「まだ学校から連絡来てないって。来るなら出席番号順に来るからお前の方が早いだろって」

未来「出席番号順…ああ、そういえば、そうね」

未夢「あとなんか…あーもー!」

未来「ああ、なんだか、いつもの未夢と彷徨くんで安心したわ」

未夢「むー…」

なんとかして、してやったりとできないものだろうか。


そういえば、出席番号順に来るってことは…烈くんや零くんは一番最初なのでは。

ちょっとお電話してみよっかな。朝早いけど。多分学校へは行っていないだろう。
っていうかまだ早すぎるし、家も出てないだろう。


トゥルルルル…スっ。

烈『はい、紅瀬です』

思ったけど、ケータイなんだから苗字を名乗らなくてもいいのでは。

未夢「烈くん?未夢です。そっち、学校から連絡来てない?」

名乗らなくてもいいのではとか思っておきながら、つい反応で言ってしまったよ。

烈『ああ、うん!来てたよ!学校お休みだって。やったね!』

喜んでた。わかりやすい子だ。

烈『直にそっちにも連絡行くんじゃないかな』

未夢「なるほどね。ありがとう。そういえば、烈くんの次って…」

烈『うん、零』

笑ってた。

烈『私は受け取るだけで、回し役は零だったね』

未夢「隣にいるんだもんね」

楽そうだ。

3年前そういうことはなかったが、もし台風で休みだったなら、わたしにもそういうことがあったかもしれない。

未夢「わかった。安心したよ。ありがとね」

烈『そっち電車だもんね。毎日大変ですなぁ』

未夢「そうだね。でもそれほど離れてるわけじゃないから」

烈『なら良かった』

未夢「うん。それじゃ、また明日…かな?」

烈『今日はまだ終わりじゃないよ!メールとかあるし、しようよ』

寂しがりやの様だ。

未夢「何かお話ができたらね。それじゃぁまたね」

烈『はーい、お電話ありがと〜』

烈『…』

待ったら電話切れるかなと思ったのでしばらく待っていたが、切れないので切った。

まぁでも、かける方が切るべきだったかな。

それにしては彷徨の時は一方的だったけど、まぁ彷徨だし。

それにしても烈くん、電話して色々教えてもらったのはわたしのほうなので、礼を言うのはわたしの方なのに。

電話したことに感謝してくれるとは思わなかった。

何かお話ができたら…そうだ、メールとかもある。

けど…おとといの重要なことは、メールで済ませられるような、軽い話じゃなかった。

だから、するとしたら、別の話かな。

しばらくすると出席順の前の子から連絡が来て、既に知ってはいるが学校がお休みという連絡だった。


なので、何となく不毛ではあるが、彷徨に連絡を入れる。

トゥルルル…スっ。

ケータイは固定と違って、ガチャって音がしないからいい。固定でも丁寧にやればそんなことはないけど。

彷徨『おう。学校から連絡は来たか?』

未夢「うん。明日はわかんないけど、とりあえず今日はお休みだって」

彷徨『そうか。わかった』

未夢「あと、今日は外出は控えなさい、らしいよ」

彷徨『おいおい、飯とか切れてたらどうすんだよ』

未夢「え?彷徨、ご飯切れてるの?」

彷徨『いや、あるけど』

未夢「なんだ、あるんじゃない。心配させないでよ、もう」

彷徨『いや、そういうこともあるかもしれないと思って』

未夢「変な彷徨。じゃぁ、連絡回しておいてね」

彷徨『おう。任せとけ』

未夢「なんでそんなに意気込んでるのよ」

彷徨『いやぁ、なんか腑抜けてしまいそうだから…』

未夢「それなら、しっかりね」

彷徨『ふゎぁい…』

彷徨はまだ眠そうだった。わたしはくすっと笑って、電話を切った。




しかし、確かに力抜けたというか、棚から牡丹餅的な休みが急に来たのだ。

ぶっちゃけ、暇だ。

もし、東大医学部とかでも狙ってるのなら、幸か不幸か独学する機会が増えたと喜んでいたのかもしれない。

けどわたしはそういうわけじゃない。パパとママも、その辺については詳しく突っ込んでこない。

わたしに任せると言ってるし、自分の仕事をわたしに継がせようとかいう魂胆も特にないみたい。

夢は叶ったから、わたしに継がせることもないと、思ったのだろうか?

まぁもし頼まれても、わたしの頭じゃとてもじゃないけど追い付いていけないな。

宇宙科学者同士の娘であるわたしだけど、そんなに頭が良いわけでもない。

その点においては、よくよく考えれば申し訳もないが、特別にコンプレックスがあるわけでもなかった。

ただ、将来の事については、まだよくわからないでいた。

みんな、どうなんだろう?もう決めたのかな?

烈くんは、それっぽいのがあるみたいなことを言っていた気もするけど…。

ママとかだと、もう今の時期にそう思ってたのかな?

それはすごいな。

中学時代に、彷徨のお母さんとそういう話になったって聞いたことがあるけど。

中学時代…何かあったと言えば、わたしにも何かあった。

それをきっかけにするなら…保母さんくらいだろうか?

そういう意味では、そういう役回りは慣れっこなのかもしれない。

未来「未夢は、勉強進んでる?」

未夢「え?う、うん。まぁまぁね」

未来「そう」

ママは、すっかり空になってた朝食の皿を片付けながら言った。

やっぱり、”進路は決まった?”とは突っ込んでこない。

突っ込んできてほしいというか、まぁ今は突っ込まれても困るけど…。

未来「私はね、未夢。未夢が将来何になっても良いと思うわ」

未来「ただね、未夢。今を後悔しないように生きなさい」

未来「若いときは、もうやってこないんだから」

ママも充分若いけどね。まだ40になってないんだし。

未来「私も、やりたいように生きてきたの」
未来「それでパパに出会って、未夢を産めて、本当に良かったと思ってるわ」

未来「未夢もそうやって、幸せになれたらいいわね」

未夢「う、うん」

けどわたしはママみたいに、何かに夢中になるようなことはなかった。

集中力が続かないとか、そういうんじゃない。

何かこう…燃え滾る何か!っていうのが別にあるわけじゃないだけ。


でも、後悔しないように…か。

確かに後先考えて保険をかけるのも大事だけど、今を一生懸命がんばってればそうなるのかも。

今は、自分の事より、烈くんのことを考えてしまう。

彼が悩んでるのかどうかも分からないけど、少なくとも、笑顔の向こう側は、幸せそうじゃなかった。

あの時の、どこか困ったような、無理やりした様な笑顔が忘れられなかった。

普段、いつも心から笑ってるわけじゃないとは思わないけど、わたしがそれを知ってる限り、気になってしまう。

あの、親御さんの怒鳴り…ただ事じゃない。でも少し気になる程度だった。

他の人だったら、そこまででもないかもしれない。

もしわたしが何かに気づけたのなら、何かしてあげたいと思うのだ。

でも今のタイミングは、まだその時期じゃない…そう思った。



夜になった。

朝昼夕は、予習復習なり、雑誌を適当に読んだりして過ごした。

土曜日はともかく、日曜もそうして過ごしていたし、月曜になって学校行こーと考えていただけに、この雪はキツイ。

未夢「これじゃぁ止んでも積もってるから、外で動きにくいなぁ…」

外はしんしんと降るというより、台風のような強風も相まって、猛吹雪のような状態が続いてる。

夕ご飯も食べて歯磨きして一息したところ。

相変わらず、暇だ。

部活をしていた人たちは、久しぶりの休暇みたいに感じるんだろーか。


烈くんはどうしてるだろう。なんとなく気になった。

電話でも、してみようかな…。

ケータイの番号を見ていた。

えいっ。

勢いでかけてしまった。

トゥルルル…スっ。


烈『はーい?』

何か、ハイテンションな感じの返事だった。いつもの苗字名乗りはない。

未夢「烈くん?未夢です」

わたしが名乗る癖ついちゃったよ。

烈『はいはい、どうかした?』

っていうかしゃべることない。

なぜ電話したし。

未夢「えっとね、うーんと…げ、元気?」

どもってしまった。

烈『え?元気だよ。なんでどもってるの』

未夢「え?、い、いや、そそんなことないよ」

烈『どもっとるっちゅーねん』

笑いながらツッコまれてしまった。

未夢「…」

烈『…』

沈黙してた。

烈『あ、ねぇねぇ、電話だと沈黙が辛くて話続けるの大変だし、電話代かけさせちゃうから、PCで電話できる?』

未夢「パソコンで?うん、いいよ」

烈『じゃぁ、いったん切るねー』

未夢「はーい」


そういえば、パソコンあるんだった。

ママから一応与えられてたけど、やる機会なかったので普段全然使ってなかった。

パソコンを起動し、電話ソフトを立ち上げた。

番号を登録し、それが存在したなら対象の人に許可されれば電話できるようになる仕組みだ。

相手が同じソフトを立ち上げている時に限って、相手のパソコンにコールする。

よって、ケータイ電話の方にはかけられないのだ。

烈くんの番号を登録したら、許可された。

わたしの方にも認証のお知らせが来たので、OKボタンを押した。

烈くんの番号を送信しようとしたら、その前に烈くんの方からかかってきた。

烈『もしもし?未夢さん?』

電話してるけど、電話子機以外でもしもしっていうと、なんか意外だ。

未夢「はいはい」

烈『聞こえてる?』

未夢「聞こえてるよー」

烈『ああ、よかった』

このパソコンはマイクも搭載されてるので、会話ができる。

カメラは搭載されていないので、ビデオ会話はできなかった。

できても、家での状態だと恥ずかしいからオンにはしないけど。

烈『で、なんだっけ?』

未夢「えっと…とくには何もないんだけど」

烈『そうなんだ』


未夢「なんとなく、元気かなって」

烈『おかげさまで』

楽しそうに答えていた。

烈『…』

未夢「…」

沈黙だった。

未夢「そっ、そういえば、烈くんって進路決めてる?」

沈黙が辛かったのでなんとなく適当に話題を出してみる。

烈『え?うーんと、決めてるわけじゃないけど、なんとなくそう思ってるのはあるよ』

烈『この質問、前に答えなかったっけ』

質問してから、あれ、なんかしたことあるなとも思った。

デジャヴ感。

烈『そういえば、未夢さんの進路とかは聞いてなかったかも』

未夢「うーん、それが、まだよくわかんないんだよね…」

烈『そうなんだ。でもまぁー、やりたいことあるって人の方が珍しいと思うよ』

未夢「そうなの?」

烈『零も、特には、って言ってたし、前の周りの人もそんな感じだったかな』

ママがそうだったから、決まってるのが普通なのかと思ってたよ。

未夢「親は、中学時代にはもう決まってたとか言ってたから」

烈『親御さんが?それは早いね。未夢さんの中学時代は?』

未夢「わたしは…なんだか慌ただしかったよ〜家事とか」

烈『あはは、そうなんだ』

未夢「烈くんの中学時代は、どんなだった?」

烈『んっ…とね』

言ってみて、はっとした。

烈くんは、中学に上がるときに、事故にあった。

突然、失われた体の部位。

想像に容易くない。

烈『基本的にいじめられてた、かな。あはは…』

烈『今ほど性格も明るくなかったし』

烈『私、元々は暗かったんだよ』

烈くんが?想像できない。

けど、それもわかる気もした。

もし普段の元気がウソだとしたら?

暗さは隠せないけど、明るさは隠せる。

暗さを明るさで隠すともいうけど…

悪く見える方が本性なのだと思ってしまうものだと、何かで聞いた気がした。


烈『成績も悪かったしねぇ。家でも怒られてたし、学校ではいじめられてたし』
烈『馬鹿だったし、根暗だったしね。そんなんばっかだったよ』

未夢「そ、そんなこと、ないよ…」

烈『私はね、いじめられてた中学時代、自分が本当の本当に死んで欲しいほど嫌だったよ』
烈『今日は一言もしゃべらないで過ごそうとか、そんなことばっかり考えてた』
烈『居ても意味無いと思っていたなら、本当に自殺してたと思う』
烈『でも私が死んだ時その後片付けをする人の事を考えたら、大変だろうと思ったんだ』
烈『すると、私が何かをすれば周りに何か影響を与えると気付いた』

烈『少し良い方向に考えてみたんだ』
烈『私は、絶対誰かに良いことをすることができる、良い影響を与えることができるって、信じてみたんだ』
烈『自分が存在しているせいで誰かが迷惑してるかもしれない』
烈『でも、私が存在しているだけで喜んでくれる人物を助けたい、そんな人間を探すのを夢見た』

烈『中学の時、数学の問題が分からなくて私に訊いてきた子が居たんだけど』
烈『解き方と答え教えてあげたらすごく喜んでくれて、私も嬉しかった』
烈『その時、ああ、私はこの世に居ていいんだな って思ったんだ』
烈『そしてたくさんの人に、自分を知った人に、私に影響させられた人に幸せを与えたい』

烈『でも、その中には私のせいで不幸になる人もいるかもしれない』
烈『それを無視するのは後ろめたいけど』
烈『私は私に会ったことある人たちを少しでも幸せにするために、今を生きてる』
烈『私は何かの役に立てると信じているから、自分の存在を信じてる』

烈『自分が嫌になることもあるけど、私がいるから笑ってくれた人もいた』
烈『その人のために、何かしてあげたいと思うんだ』
烈『すると、自分を嫌ってたことなんてどうでもよくなったよ』
烈『私は自分のためだけじゃなく、他人のためにも生きたいな』

強い。烈くんがこんなことを心に秘めてたなんて。
多分、『他人』という対象は主に零くんのことを考えているんだと思う。

しかし、なんだかすごい話になってしまった。
わたしは今、生きてるとかそんなこと全く考えなかったし、感じたりすることも無かった。
でも…幼稚園の頃、ママが全然かまってくれなくて、さびしかった思いが、少し残っている。
中学時代にも、少しそういう事もあった。
久しぶりにアメリカから帰ってきても、わたしに会いに来たのにわたしのことは全然聞いてくれなくて。
寂しかった。

境遇は全然違うけど、悲しい思いをすることもあったので、何となく察した。

烈『まぁでも、零やタミと会えたので良かったかな』

未夢「そ、そうだよ。今は零くんやタミちゃんもいるんだし」
未夢「タミちゃんとはもう、5年くらいいるんだよね?」

烈『そっかーもうそんなに経つのか。長い間一緒にいるのに、こないだ出会ったかみたいだ』

未夢「わたしなんか1年くらいしか一緒に居られなかったんだぞっ」

烈『そんなことを言われても』

笑い声だった。

烈『こんな体になった直後だったけどねぇ』
烈『私は堂々としてれば全然恥ずかしいとかないって思ってたんだけど、外から見たらなんか違ったみたい』
烈『だから、高校生になってからは色々隠すようにしたよ』

未夢「えっと、なんか、こないだは、色々見ちゃってごめんね」

烈『いえいえ。こちらこそびっくりさせちゃってご迷惑をおかけしまして』

声の位置が移動したように感じた。パソコンの向こうで頭を下げてるのかも。

未夢「いえいえ、こちらが」

烈『いやいや、こちらが』

未夢「…」

烈『…』

未夢・烈「『どうぞどうぞ』」

ハモった。

二人して、あっはっはと笑った。

そうだ。笑っていればいい。

そうしていたら、きっと色々よくなっていく。

何か見つかっていく。

未夢「はぁ〜。もうこんな時間だ。お風呂入ったら寝るよ」

烈『はぁ〜、そうだね!今日は雪で3連休になって、良かったよ!』

未夢「何してたの?」

烈『ゲーム!』

ほほえましい。

未夢「勉強もね」

烈『未夢さんまでそういうこと言うぅ〜!』

泣き声だった。大方、零くんにも言われたのだろう。

未夢「それじゃあ、また明日学校でね!」

烈『うん!電話ありがとう。おやすみ〜』

プツッ

電話が切れた。

用の済んだパソコンはシャットダウンした。

お風呂に向かう…。






なんか、烈くんには申し訳ない事聞いちゃったな…
でも、生きる、か…
考えたこともなかったな。
自分が恵まれている環境で育ったことに感謝しなければならないのかもしれない。

とりあえず、烈くんには前のことを謝れて良かった。
許す許さないはともかく、謝りたかった。
何を?
なんとなくだ。

心の傷に触れた。そう思ったのかもしれない。

けど今は烈くんもそれを乗り越えようとしてるのかも。

やりたいことにまい進して、真に元気になっていってくれれば。


対して、わたしはいまだに何をどうすればいいのかわかんない。

けど、今日は何か満足感があるのだった。