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============================================ みんなで未夢の部屋 ============================================
【登校中】

烈「・・・」

未夢「あれ?今日は烈くん、元気なさそうだね?」

烈「・・・口内炎ができて、口の中が常に痛いんだ」
烈「ぶっふぉおおおお」
烈「鼻から口から血があああああ」
烈「血の味と血の匂い・・・」
烈「というか鉄分の味と臭いですね」
烈「自分の血ぃ酸っぱいし錆くっさ」

未夢「あー・・・あれ痛いよね。大丈夫?」

烈「口内炎痛くて歯ブラシできねぇーですよ」
烈「歯痛ぇ」
烈「歯抜けた」
烈「食えねぇ」
烈「死んだ」

なんか、芋づる式?に別の意味になっていった。




【教室】


惠「今日、未夢の家に遊びに行きたいなー」

未夢「何、突然」

教室に着くや否や、見張っていたかのように惠ちゃんが居て、唐突に言い出した。

惠「いや、特に深い意味はないんだけど、なんとなく」

未夢「何それ」

惠ちゃんらしい冗談である。

惠「いやー、でもたまには遊びに行きたいなと思って」

惠「っていうか、最近授業についていけなくてさ」
惠「どっちかっていうと勉強しに行きたくてさ」

未夢「それなら、学校に残って勉強するとか・・・」

惠「未夢の薄情者ぉ〜!未夢の家で勉強するからはかどるんだよ!」

なんじゃそりゃ。

未夢「まぁ別にいいけど・・・それなら、みんなで勉強した方がはかどるよね」
未夢「わたしも、全部完璧ってわけじゃないし、わからないところ教えてね」

惠「合点承知だ!じゃぁ、さっそく後で可菜にも言っとくわ」

未夢「え?可菜ちゃん呼ぶの?」

惠「なんだよ、みんなとやる方が楽しいしって言ったのに、やっぱ薄情だな〜未夢は」

未夢「あ、いや、っていうか、楽しいしとは言ってないけど、まぁ楽しいかも・・・」
未夢「いや〜なんとなく条件反射的に言っちゃっただけだよ」


教室に着いたばかりで話し込んでしまったが、一通り話が済むと、彷徨が横目で話を聞いていた。

未夢「そうだ、彷徨はどうする?」

彷徨「ん?」

未夢「わたしの家で勉強会やるんだけど」

彷徨「ああ・・・俺はどちらでも構わないぞ」

どっちの答えなのかがわからない。

惠「なに〜?西遠寺、女の子同士の勉強会に、無粋すぎでしょ〜」

彷徨「わかったよ、なら行かないよ」

未夢「惠ちゃん、別にいいじゃん、みんなで勉強するんだから」

惠「え〜」

彷徨「俺はどっちにすればいいんだよ・・・」

未夢「わかった。彷徨、来なさい!」

彷徨「わかったよ、行けば良いんだろ行けば」

そういいつつ、何故か彷徨は嬉しそうだ。


烈「その話、乗ったっ!!!」

未夢「え?」

前を向くと、烈くんがキリっとした顔で決めていた。


惠「何か嫌な予感しかしないんだが・・・」

烈「私も、未夢さんの家に勉強しに行こうっ!」

惠「却下」

烈「なに!?その、のび太君だけ除外する感じ!?」

惠「いや〜、なんとなく?」

未夢「別にいいよ、大勢いた方がわからない時補い合えるし」

烈「ほらあああ〜!」

惠ちゃんに勝ち誇ったように言いながら、頭の左上にクマのアクセサリーがついたシャーペンを掲げていた。

惠「ほら〜と言われても・・・っていうか何それ」
烈「え、クマのシャーペン」
惠「意味がわからん」
可愛いけど、重そう。



彷徨「・・・で、なんで未夢んちで勉強することになったんだ??」

未夢「・・・よくわかんない」




【フェードブラック:→教室へ】


昼休み、朝の話の事で、可菜ちゃんに話に行く。


【廊下】

未夢「可菜ちゃんいる?」

女子「あ、ん!ちょっと待っててね」


可菜ちゃんと話する時、たまにクラス間を行き交いしてるので、可菜ちゃんのクラスの女子にもわたしのことは知れてる。

多分、勝手に入っていいんだろうけど、何となくためらわれたので、いつも呼んでもらってたりする。


女子「ん〜?可菜、もうどっか行っちゃったみたい。食堂かな?」

未夢「そうなんだ。ありがとう」

礼を言って手を振った後、可菜ちゃんを探しに出た。

多分、食堂でもなく、図書室の気がした。

しかし、廊下を歩いていると、中庭に可菜ちゃんの姿を発見した。

未夢「可菜ちゃんっ」

可菜「あら、未夢ちゃん」

未夢「どこ行くの?図書室ならあっちだよ?」

可菜「いや、中庭でお弁当食べようと思いまして・・・」

未夢「寒すぎますでしょ・・・」

引いたようなツッコミになってしまった。

未夢「ち、ちゃんと、中で食べましょうね」

可菜「ちぇ。それで、何か?」

未夢「ああ。今日、わたしんちで勉強しない?」

言ってみて、しまったと思った。急にイミフすぎる。

未夢「ああえっと、惠ちゃんから聞いてる?」

可菜「聞いてるよ」

惠ちゃんさすが、手回し早すぎ。

可菜「キミも、本の素晴らしさに気づいたのかね?」

目を輝かせながら親指を立てていた。

何故そうなった。

未夢「惠ちゃんが、最近授業においついていけないから、勉強会したいんだって」

可菜「そう」

未夢「可菜ちゃん、来る?」

可菜「惠ちゃんには、そう返事しといた」

未夢「そうなんだ。良かったぁ」

なんか、楽しくなりそうだ。

可菜「ということで、中庭へレッツらごー」

未夢「お・と・な・し・く!中で食べなさいって!」

肩を掴んで突っ込んでいた。


【廊下】

今日の授業、どの科目も宿題出された。

勉強会になって逆に良かったと思う。憂鬱すぎる。

せめて、先生たちで相談して、宿題出すタイミングは分散させてよぉ・・・と思った。

一斉集中砲火された感じ。

惠「ほらぁ!私が提案してて良かったでしょ!」

何故か、言い方が烈くんと同じになっていた。

未夢「はいはい。そうだね、惠ちゃんの予言のおかげだよ」

惠「ま、そうでなくとも、この状況になってたら尚更言ってたけどね」

未夢「でも、前持って言ってくれないと、心の準備と言うものが・・・」

惠「何がそんなに心配なんじゃい」

未夢「あたっ」

気軽に頭をはたかれた。

未夢「部屋のお掃除とか・・・」

惠「それって朝に言ってても今言ってても変わんなくない?」

未夢「確かに」

烈「未夢さんちって、こっから電車乗って行くんだぁ!」

未夢「そうだよ」

烈「毎日、大変だね」

惠「こちらの旦那様はもっと大変ですぞ。毎日お嬢様を出迎えに参上しておられるのですから」

彷徨「なんだよ。いいだろ。朝のジョギングみたいなもんだ」

惠「しかも、雨の日も風の日も、いや!大雪の日だってそれは欠かしておられぬ!」

未夢「なんで口調が時代劇風なの・・・」

彷徨「いや、さすがに大雪の日はメール送るが」

烈「なんか、そういうの羨ましいね」

話題が冗談の路線だったのに、普通の路線になってしまい何となく照れてしまった。


可菜「・・・これは、未夢ちゃんの家についたら、『何故西遠寺くんは未夢ちゃんの出迎えに行くのか?』会ね」

惠「私たちは何しに行くんだよ」






惠「振り返ってみて改めて思ったら、大所帯だな」
未夢「え?電車の中?今日はそうでもないよ?」
惠「いや、うちら…。6人だし」
未夢「ああ」
可菜「なに、今更」
未夢「ホントに」
惠「いやぁ、最初は可菜と未夢とで3人のつもりだったから」
惠ちゃんが細めで烈くんを見た。
烈「どうも」
惠「お前やっぱ帰れ」
烈「ええ!それじゃ、私はなんで電車に乗ったの!?電車マニアか!」
彷徨「別に俺は、帰ってもいいけど…あえて今日じゃなくてもいいし」
惠「と、言っておられますが?如何かな?奥様」
肩に手を置かれた。
未夢「誰が奥様じゃい!いいよ、別にそんな」
烈「じゃ、私も別に帰っても…」
惠「じゃ、帰れ」
烈「待って、私だけなんか違う」
惠「帰れ」
烈「う…う…」
泣き出した。
未夢「まあまあ」
惠「冗談だよ。冗談じゃないけど」
烈「う…う…」
なんのフォローにもなっていなかった。
未夢「ところで、授業何がわからないの?」
惠「ん?色々」
彷徨「お前、授業中寝てるんじゃないだろな?」
惠「いやー、起きててもサッパリですけど、何か?」
キリっとした顔で決めていた。
彷徨「いや、そんな自慢顔で言われても困るんだが…」


烈「ここが、未夢さんの地元ですか!」
未夢「まぁ」
惠「未夢んち久しぶりだなぁ!1年ぶりくらい?」
未夢「そうかも」
惠「おばさん、元気にしてる?」
未夢「してるよ」



惠「楽しみだなぁー!」
彷徨「武乃邑は、何しに来てるんだ…?」
未夢「さぁ…」

未夢「ちょっと待っててね」

未夢「ただいまー!ママー?」

返事はない。

未夢「あれー、お出かけしてるのかな…」
彷徨「おばさんたち、いないのか?」
未夢「うん。ママたち、いないみたい」
ってうおい!待っててって言ったのに。

惠「えー!残念」
彷徨「なんでだよ」
烈「私も残念かな…前のお礼言いたかったけど」
可菜「上がってもいいの?」
未夢「そりゃ、いいけど」
惠「おっじゃまっしまーす!」

未夢「ああ」

上げた手虚しく制する間もなく、惠ちゃんは忙しないように上がって行った。

可菜「きっと、惠ちゃんは久しぶりに未夢ちゃんちに来れて嬉しいのよ」

未夢「いやーでもせめて部屋の掃除ぐらいさせて下さいな・・・」


零「…おじゃまします」
零くん居たんだ。存在感がないなぁ。
いや、居ることには道中も気づいてたけど、ホントにしゃべらないんだなぁと思った。





烈「未夢さんの部屋ってどこなの?」
未夢「2階だよ」


ぞろぞろ…
なんか、大所帯だ。
未夢「…ちょっと待っててね」
バタン。
烈「未夢さん、どうしたの?」
惠「やっぱり、いきなりはまずかったか」
可菜「一応、乙女ですから」

え〜と…別に変なものとかないよね。
普段から散らかすもの自体がないから、そんなに汚くないはずだけど。
机に出したままの本とかを本棚に収めるくらいだった。
未夢「で、でも、人が急に来て慌てて部屋を改めるの、懐かしい感じ…」
未夢「ど、どうぞ〜」
ガチャ。
可菜「お邪魔するわね」
烈「ほえ〜、ここが未夢さんの部屋かぁ。ファンシーな部屋だ!」



惠「よーし、じゃ帰るか!」
未夢「待てーい!オノレらは何しに来たんじゃ!」
惠「え、未夢んち来たらなんか満足した」
未夢「うぉい!」
可菜「まぁ、せっかく来たんだから、勉強していきましょう」
惠「何を」
可菜「え、未夢ちゃんの部屋を」

未夢「待てい」

ツッコミが止まない。









未夢「それで?どこがわからないの?」

惠「いや〜。っていうか未夢、宿題写させて」
未夢「イヤ」
惠「ダメじゃなくてイヤ…」
未夢「泣きながら言ってもダメ」
惠「なんだよぉ、いいじゃないか」
未夢「っていうか、わたしもやんなくちゃだから」
そういってわたしは真っ白なノートを開いた。
惠「仕方ない、やるか」




ちょっと広めの折りたたみ机を持ってきた。
わたしは出口に近く、左隣には惠ちゃんが可菜ちゃんと向かいで一緒にやっている。
右手側には彷徨、向かい側は烈くんが零くんと宿題をやっている。
零くんは遠慮そうに机から少し離れていた。
もっと机に近くてもいいのに。


【イベントCG 1_未夢_社会の宿題中(悩み顔)】


ロンドン0度より東180度の方向までを東経、ロンドン0度より西180度の方向までを西経。
赤道より北を北緯、南を南緯と呼ぶ。
ちなみにロシアについて、180度のところで国が途切れてしまうのでロシアについては東経が延長する。
東南アジアについても、180度より東寄りなら東経で、西寄りなら西経で呼ぶ。
中学社会の常識だけど、こんな関わりのないことは覚えてないよ・・・






しばらく集中して時間が経ってた。
ひといきついて周りを見てみると、惠ちゃんは可菜ちゃんに聞きながらやっていた。
彷徨は…独りもくもくと作業するかのように集中して宿題を消化していた。
烈くんは、たまに零くんにちょっかいかけるものの比較的静かにやってた。
惠ちゃんも烈くんも、もっと色々聞いてくると思ったんだけど。
烈くんはわからないけど、惠ちゃんはなんだかんだやる時はやる子だって知ってた。








---------------
【未夢の部屋】

惠「なぜか凄く気になったので色々と突っ込みたいのですが、左上のクマさんは何者なんですか?」

烈「あ、どうも」


烈くんは、今朝見せたクマのシャーペンを何故か頭に掲げていた。
意味は不明である。


惠「紅瀬マジウケる。思い出し笑いで勉強にならん。邪魔。死んでくれ」

烈「あ・・・あぁ・・・」
烈「あ、ああ、オジャマしないでくれ?」
烈「なるほど」

未夢「はーい。彷徨先生、今なんか色々とおかしかったです、ハイ」

彷徨「俺に言われてもわかんねぇよ…」
未夢「あっはは」





ふと時計を見たら、18時近かった。
そもそも授業終わるのが普通に遅くて、徒歩、待ち、電車、徒歩で到着までに時間かかってた。
そういえば、ママたち帰ってくるの遅いなと思った。
いつの間にか床に置いてたケータイを見てみると、メールが来てた。気づかなかった。

ママ『ママたちちょーっと遅くなるから、夕飯はてきとーにやっといてね♪  ママより』

未夢「えーっ、そんな投げやりな…」
彷徨「ん?どうしたんだ?」
彷徨が顔を上げて聞いてきた。
声に出ちゃってたか。
未夢「うーん、ママたち遅くなるって」
彷徨「そういえばこんな時間だな…俺たち、遅くまでいて大丈夫だったか?」
未夢「わたしは大丈夫だけど…みんなは?」
彷徨「俺は家帰っても同じようなものだからな…」
惠「あたしは親に連絡入れといたから。電車使わなきゃだしどうせ遅くなると思って」
可菜「私も後でメールすれば大丈夫だと思うわ」
烈「私は泊まりでもいいよ!」
惠「…死ねよ!」
烈「ひどっ!」
零「…」
零くんを見たら、わたしの視線に気づいたみたいで、こくっと頷いてた。
とりあえず、みんな大丈夫みたい。
時間はともかく、夕ご飯はどうするんだろう?

惠「それも後で家に連絡入れるよ」
みんな同じらしかった。
未夢「じゃあなんか作るよ。みんな、お腹空いたよね?」
烈「わっ!未夢さんの手料理!」
惠「ウホッ!未夢の手料理!」
ハモってた。
烈「…」
惠「…」
烈「ちょーっと、ハモるのやめて下さいよ…」
惠「…なんかコイツと同じ感想になったのがムカつく」
烈「なんでっ!別にいいじゃんっ!」
未夢「惠ちゃんって烈くんのことニガテなの?」
惠「いや?ただ単に、未夢と西遠寺の房事を見るのをジャマされそうだなと」


未夢「誰が房事じゃい!」
惠「あたっ」
思わず手が出た。
惠「可菜ー!未夢がぶったー!」
可菜「え?ごめん見てなかったわ」
惠「しくしくしく…」



とりあえず、簡単に大人数が食べられるもの…カレーでいいや。
カレーを作ることに。
烈「手伝おっか?」
未夢「うーん、台所そんなに広くないから。大丈夫だよ」
烈「そっか、なら待ってます」

とは言っても、6人分の材料を具材にして用意、準備して料理するのはなかなか大変だった。

未夢「お待たせー」
1階と2階を行き来し、6人分持ってくるには、お盆を使っても何回か往復する必要があったので、結構な運動量になった。

烈「おおう、これはすごい!普通にカレーだ!」
未夢「カレーだよ」
烈「いやー、普通、お母さんとかに作ってもらうじゃん?」
惠「紅瀬はマザコンか…」
烈「いやいや!大多数はそうかなって」
確かにそうだろう。
最近こそママもカレーぐらいは普通に作れるようになったけど、昔は全くで作ってるのはパパだった。
シェフでもないのにシェフのようだった。
彷徨「未夢もふつーに料理作れるようになったか」
未夢「あん?何か言った?彷徨だけご飯抜きよ?」
彷徨「ごめんなさい…」
惠「あたしが見たいのは、そういうやり取りです!」
可菜「惠ちゃんも、大概ね…」



未夢「じゃあ、いただきます」

机の上は、勉強道具から夕ご飯にすげ変わっていた。
一同、食事の挨拶をする。

烈「まずお水を飲んでと!」
烈「ホォォォォォォォオォォォォォーーーーーーーー」

惠「相当乱心の様子です・・・」

烈「口内炎で口の中が常に痛い。栄養失調?」
烈「今日は気分の優れぬ日でした」

未夢「水で沁みるほどなんだ・・・」












--------------------------------------------------------

烈くんが持ってきたゲームをやることになった。
ジャンルはアクション。
目的はゴールにたどり着くこと。
プレイヤー同士で攻撃し合える。
技は複雑なのはなし、基本的に連打技。
ガードができる。
攻撃を食らうと、ウッー!、ラン!イヤァオゥ!モーっ!の4つの悲鳴がランダムに鳴る。
死ぬと「なんでぇこのすっとこどっこい!」といい、「あなたはしにました」が表示される。



惠「よっしゃ!ゴールいただき!」
キャラ「ウッー!」
烈「たーりらーりらーん」
ゴール!
惠「キーサマ!紅瀬!ジャマするなよ!」
惠ちゃんがリアル襲いかかっていた。
烈「私何も悪くない」
未夢「あっはは」
惠ちゃん、ムキになってる。
それに、キーサマって。

ゲーム機は一応持ってた。
小さい頃にパパが買ってくれたのだ。
ほとんどやらなかったけど。
っていうか、烈くんはいつもゲーム持ち歩いてるのか…。

みんなでゲームしているのではなく、出番のない時は宿題や勉強の続きをしていた。
ゲームは気晴らしだ。みんな、疲れて集中力が落ちたのかも。

烈「おーい、零出番だぞー」
零「…」
零くんホントに無言だな。しゃべらなさすぎ。あれで通じ合えるのだろうか…。
わたしと彷徨だったら、もっとしゃべってよ、とわたしが言っちゃってるだろう。
っていうか、昔言ってた。

惠「おーい可菜ー、出番出番」
可菜「…」
無言でコントローラーを受け取った。
可菜ちゃんもある意味負けず劣らず。

スタート!
零「…」
可菜「…」
零「…」
可菜「…」
零「…」
可菜「…」
零「…」
可菜「…」
零「…」
可菜「…」

ゴール!

惠「お前ら、トラブルなさすぎてなんにも面白くねえよ…」
可菜「え?これそういうゲームじゃないの?」
惠「ねえよ!いや、そうなのか…?」
迷っていた。

可菜「ほら、未夢ちゃん」
未夢「あ、ああ」
完全に見てるだけで、忘れていた。
彷徨「俺はいいや…」
零くんがコントローラを渡す為に上げた手が、虚しく彷徨っていた。
未夢「なに?彷徨。わたしに負けるのが怖いんでしょ〜?」
彷徨「あ?俺を誰だと思ってるんだ。俺はお前に何でも負けねーぞ」
未夢「やってやるわよ!」
彷徨「勝負だ!」
わたしもいつの間にかムキになっていた!
彷徨「あっ!いて!コイツ!殴んなよ!」
未夢「ルール違反じゃないわよ!」
彷徨「ルール違反だろ!」
未夢「あっはは」


ゲームを終えて消した時、テレビにはちょうどニュースがやっていた。



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ニュースは、長男が父を除く母と他を家ごと燃やして殺した事件について語っていた。
父親が『長男を追い詰めたのは私のせいだ』と言っていたらしい。

烈「私も一度でいいから父にあんな感じで反省して欲しいし謝って欲しいと思うなぁ・・・」

未夢「え?」

烈「いや、なんでもないよ」

烈くんはぼそっとつぶやいた後、元の笑顔に戻った。
なんだったんだろう、今のは。








惠「さて、もうそろそろ帰るわ、さすがに終電だし」
可菜「あら、もうそんな時間だったのね」
未夢「可菜ちゃん、いつまでいるつもりだったの…」
烈「みんなで泊まっていけばいいよ」
未夢「ムリムリ」
そんなに広くないし、みんな寝れない。


惠「じゃあね、今日は楽しかったよ」
惠「未夢がいたからがんばれた。あたし一人家にいたんじゃ、やる気なく寝てたわ」
未夢「そんな。わたしは何もしてないよ」
惠「いーや、した!」
何を?
本人もわからず。
でも、それで誰かが喜んでくれたのなら、それで良かったのかなと思う。
可菜「私も、楽しく勉強できたわ」
烈「私も、武乃邑さんに同じく!」
零「光月、サンキュな」
未夢「おおう」
零くんが久々にしゃべったから、なんかびっくりして変な声出ちゃったよ。
彷徨「未夢は宿題できたか?」
未夢「彷徨こそ!」
彷徨「まあまあ、かな」


惠「じゃあそろそろ行くわ、オジャマしましたー」
可菜「未夢ちゃん、明日は私とゲームでしょーぶしよ」
これ、明日も続くんかい。
烈「未夢さん、今日は突然来てゴメンね。ありがと」
零「…」
零くんは頭を垂れていた。
未夢「や、そんな。わたしも楽しく宿題済ませられたから、こちらこそありがとうだよ」
彷徨「じゃあ、また明日な」
未夢「うん。バイバイ」
バタン。
ドアが閉まった。
カギをかける。

部屋に戻った。
散らかった跡。
誰いない家。
静かな部屋。
あれだけ楽しく騒がしかったのに。
何も悲しむことはないのに。
失われた喧騒。
何故か青ざめた。





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【未夢の家前-夜】

未夢「彷徨っ」

彷徨「どうしたんだ?急に会いたいだなんて・・・」
彷徨「さっき会ってたばかりだし、明日だって会えるじゃないか」

あの後、ケータイで彷徨にメールを送っていたのだ。
忘れものか何かと理由をつけて、みんなと一緒に帰るのを拒んでしまったことは申し訳なく思う。
わかっていてさえ、止めてしまった。

未夢「だって、みんなが去った後の、ちらかった部屋がなんだかさびしく思えて・・・」

その時すごく楽しかった。
その記憶が濃いだけに、それがなくなった時の何とも言えない哀愁感が強調されたのだ。

未夢「今の幸せな状態も、続かないんじゃないかって、不安になったの」

彷徨「未夢・・・」

わたしは何を怯えているのだろうか?不安定なココロ。
昔の、大切な存在が去った時のことを思い出しているのだろうか?

彷徨「確かに、同じことが永遠に変わらず続くのは難しいかもしれない」

未夢「・・・っ!」

彷徨「人も状況も少しずつ変わり続ける。でも、根本は変わらないんだ」

【彷徨:笑顔】

彷徨「俺は、お前の傍にずっといるよ」

未夢「彷徨・・・」

彷徨「俺は、お前の傍に居たいな」

未夢「わたしも・・・」

【画面:黒フェードアウトイン】

彷徨「少しは落ち着いたか?」

未夢「うん」

彷徨「それにしてもどうしたんだ?最近何かあったか?」

未夢「そういうわけじゃないけど」

なんなんだろうか?わたしにもよくわからない。
最近、ものすごく楽しいから、ちょっとした不安ぐらいかき消されると思うんだけど。
その小さな虫食いが、気になるのかな。

彷徨「元気出せよ」

彷徨がわたしの背中をポンっと叩く。

未夢「うん」

彷徨「じゃぁ、また明日な」

未夢「うん、バイバイ」

彷徨「ああ、おやすみ」
彷徨「・・・」

彷徨は心配そうに去っていった。
ごめんね、彷徨。心配させちゃって。
元気出さなきゃ!
ほっぺを両手でぱんっと叩くのだった。

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【夕飯後】

家に帰ってお風呂に入った後、髪を少し乾かすためテレビショッピングの番組を見ていた。

キャスター「贈り物に『ランキング』があるって知ってました?」
キャスター「誕生日、母の日、結婚祝いに開店記念・・・ いろいろな記念日がありますが」
キャスター「毎年人気ナンバー1の贈り物はやっぱり『お花』なんですって」
キャスター「なぜかお花を贈られると一日中幸せな気分になるんですよねー」
キャスター「私も友達の誕生日には、お花を贈ろうと思ってます」
キャスター「第一候補は、この花なんだけど結構かわいいでしょ』
キャスター「ホームページで紹介するときは、今みたいなこんな感じの記事を載せます」
キャスター「そして最後の行の『この花』にリンクを貼ります」
キャスター「そしたら、なんとなくクリックしそうになりませんか?」

未夢「確かにしそうになる・・・」

上げて上げてもったいぶらせて、少しだけ情報を載せられると、見てしまいそうだ。

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【就寝前-未夢の部屋】

結局、今日中にママたちは帰ってこれなさそうかな。

【未夢の部屋 暗く】

この幸せが本当に続いていけばいい。それは心から思っていること。
でも、そんな幸せも必ず終わりが来る。
その時の悲しさに怯えて、幸せを怖がる事は、どんなに寂しいことか。
なら、何が望みなのか。失うための幸せなんかいらない・・・
違う、そうじゃない。今が幸せであれば。
そう、今だけが幸せであればいい。その『今』が、明日もそう思っていられればいい。
だけど、それは強くは思ってはいけない。
運がよければ、明日も幸せだろう。そんな気持ちが続いていけば。
元から幸せは自分にあったのではなく、運良く転がり込んできたものだという事。
だから、失う事はない。
明日も、幸せでありますように・・・。