かれんだー0表示(即更新なし) 1秒待ち クロスフェード更新 カレンダー18日目表示 クロスフェード通常 CG消去 1秒ウェイト ====================================== 愚痴 ====================================== 夏希「ちょーっとー、聞いてよー。担任の先生に冷たくあしらわれたのが不幸」 夏希ちゃんの愚痴のようだ。 キャッチボールをしながらそれを聞いて、リーダーの慰労をするのもわたしの日課、努めとなりつつある。 夏希「どのように冷たくあしらわれたかと言うと、その前に色々説明しておくことが2点ありまーす」 夏希「1点目は、冷たくあしらわれた時の状況が、クラスの食事会だったということ」 夏希「2点目は、私は親と仲が悪い事でーす」 未夢「夏希ちゃん、親と仲悪いんだ…?」 未夢「あと、クラスで食事会なんかあるのー?」 ボールのみならず、言葉のキャッチボールでもあった。 夏希「まぁねー。仲悪いっていうか、私がプロ野球行くなんて言うもんだから、心配なんじゃないかなー」 夏希「クラスで食事会は、うちらだけかもねー」 未夢「そーなんだー…」 夏希「実は昨日、クラスの食事会があったんだけどねー」 夏希「雰囲気もたけなわの頃、私がノリで担任の先生に適当に電話したのよー」 夏希「『ノリで適当に電話しただけです』って言ったら、向こうはまだ仕事中だったらしくて」 夏希「反応が凄く冷たくて、向こうは『は?』って感じだった」 夏希「結構ふざけすぎたんかなと思って、やっちゃったーって感じで不幸ー」 未夢「あっはは…」 調子のいい女子高生だと思われたのかもしれない。 夏希「で、この後まだ続きがあるのよー」 夏希ちゃんはすっかり饒舌にしゃべっている。烈くんばりだ。 夏希「今度はクレームなんだけどー、用事があってもう一度担任の先生に電話をかけたのよー!」 夏希「来年の学費納入のお知らせが、学校のシステム上親に届くようになっていてね」 夏希「私は奨学金で自分で学費を払いたかったんだけど、それが親に届いてて」 夏希「で今私と親は仲が悪くて、今私は親と別居状態だし、親は私の住所知らないのよー」 未夢「え…ちょっと待ってー!夏希ちゃんそれ、結構おおごとだよー!」 夏希「親って言っても、主に親父だから、お母さんは知ってるけどねー」 未夢「それならまだいいけどー!」 いいのかな…? 夏希「だけど親父が学校側に問い合わせたらしくてー」 夏希「学校側は私に許可なく親に住所教えちゃったらしいのよー」 夏希「それで親父から手紙が届いてて、私は、どうして住所がバレてる?と憤ったよー」 未夢「なんか…色々聞きたい事がありすぎてわかんないよー!」 夏希「私はもう立派な大人だし、学校側は何故私に確認の電話を一言も言わなかったのかーって」 夏希「個人情報流出じゃないー?親が子の住所を知らないなんて普通あり得ないんだから」 夏希「その時点で確認の電話を入れるべきじゃないかと担任に相談したのよー」 夏希「そしたら、それは担任の業務の範疇じゃないから、学費責任者の窓口に問い合わせてくれ」 夏希「と軽く流されましたー」 夏希「納得できてしまったので、引き下がざるをえなかっただけど、どうにもならず、不幸ー」 未夢「あっはは…でもまぁそりゃそだよー!」 夏希「あと、もう一つ言ってもいいー?」 未夢「まだ何かあるのー?」 夏希「最近、パソコンの国家試験で、資格の午前試験の免除っていうのがあってね」 夏希「それに合格したのよー。友だちも、その午前に受かってたよー」 未夢「えっ…ちょ、ま、夏希ちゃん、実はすごいじゃないー!おめでとう!夏希ちゃん」 夏希「うん。ありがとうー!それで、合格おめでとうってメール送ったんだけど、返事がなくって」 夏希「普段ちゃんとメールを返す子だったんだけど何故か返してくれなくて」 夏希「お茶会の日に聞こうとしたけどお茶会の雰囲気でさえ何となく聞けなくて」 夏希「なんか完全シャットアウトされちゃっててさー」 未夢「うんー、どうしたんだろーねー…」 夏希「で、親が私に対して手紙送ったりする行為とー」 夏希「私が仲良くしたい友達にメール送ったりする行為と、意味が重なったりして」 夏希「なんか、されると嫌なんだけどやりたいみたいになってて」 夏希「なんかもう色々不幸ー!」 バシーン! ストレスの余り、ちょっと力まれたボールがグローブに飛びこまれた。 夏希ちゃん的には色々複雑な出来事なのだろう。 ニガテな人からの連絡はシャットアウトしたい。 でも、好きな子からの連絡は取り合いたい。 でも、その好きな子が実はこちらのことをニガテとしていたら? シャットアウトされた時、その気持ちがわかってしまうだろう。 何より、自分がニガテな人の連絡をシャットアウトしているのだから。 夏希「あっ、未夢ちゃん、私ったら思わず。ごめんね」 夏希ちゃんが近づいて謝ってきた。 力んだボールを投げたのを気にしてのことだろう。 夏希「でも驚いたわ。未夢ちゃん普通に取ったわね」 未夢「その不幸な話、年末の番組に電話したら当選して商品もらえるかもね」 夏希「えっ、何それ」 未夢「そういう番組があるんだよ、不幸な話を持ってる人が番組に電話してね」 未夢「電話を受け取って話を聞いたら司会者がそれを不幸だと思ったら、商品が貰えるの」 夏希「それに出ようかな」 夏希ちゃんは笑ってた。 夏希「ちょっと休もうか」 グラウンドに置かれたベンチに腰かけた。 もう一つ横に置かれたベンチは、大半のスペースが男子たちの荷物置きとなっていた。 夏希「まあでも私が一方的に悪いと思うけどね」 夏希「クラスのお食事会は今回は担任がおらずで」 夏希「雰囲気もたけなわの頃、私が最初ノリで適当に電話しただけだったし」 夏希「で、まだこの時間は仕事中って私知ってたのにそれ忘れてたしね」 夏希「すごい対応冷たくて、向こうは、『は?』って感じだった」 夏希「こっちは盛り上がってたけど向こうは仕事中だったんだし、互いの温度差激しすぎたかな」 夏希「あとで悪いと思って電話一度切ったんだけど、用事があるの思い出して再度電話かけてね」 未夢「そしたら…?」 夏希「学校のシステム上、在学者本人がしっかりしてても」 夏希「学費納入のお知らせは保証人当てに届くらしいんだけど」 夏希「親父は私の住所を知らないからこれを私に知らせる術がなかったらしくてね」 夏希「学校に私の住所を問い合わせたみたい。ここまでは当たり前ともいえる」 未夢「うん」 夏希「でもここから」 夏希「普通は親が子の住所知らないとかありえないし」 夏希「その時点で、その親に子の住所教えるなら、本人に許可取るのが普通よね?」 夏希「と思って、そう伝えたら、担任は、そのことは学費責任者に言ってくれ」 夏希「俺はそこまで業務の範疇を背負ってない 的な感じのことを言われてさ」 夏希「社会的なルールが理解できちゃったから、これ以上言っても無駄と思ってその時は引っ込んだわよ」 未夢「それは…むつかしいね。夏希ちゃんのお家事情はわからないけど、大変なんだね」 夏希「だから、その番組に電話しても、不幸だとは思ってもらえないかもね」 世間的には不幸でなくても、夏希ちゃん自身はその出来事自体は幸せじゃなかっただろう。 夏希ちゃんには、幸せになってもらいたい。 未夢「夏希ちゃん…がんばれ!」 夏希「?」 夏希「でもねーいー加減、ストーカーまがいの嫌がらせ行為を止めてほしいと思うわ」 夏希「不定期に言いたいこと書いた手紙を『一方的に』送り続けられて精神的に参っているんだけど」 夏希「毎回傷つく内容を勝手に書いてくるので迷惑してるのよ、ホント」 夏希「今しばらくそっとさせてほしいわ。距離置きたいんですけど」 未夢「まぁまぁ。きっとお父さんも心配してるんだよ」 夏希「それはわかるけど…ぶつぶつ」 こういう道を選ぶと、こういう事もあるんだなぁと思った。 夏希「でもあとね、そもそも私、クラスの食事会に呼ばれてなかったのよ」 未夢「えっ?でも、行ったんじゃないの?」 夏希「無理やり行ったのよ。主催者は私のことが嫌いみたいでね」 ケータイを差し出された。 未夢「えっ…見ていいの?」 こくっ。 参加しないでください。そもそも呼んでないからです。 電話連絡やメール連絡待ってたが全然来ないし、そもそも私個人が主催する食事会ですから。 誰を呼ぶかは私次第です。 もうまとめてココに書きます。 部活の話し合い後、あなたを見ていましたが、話し合いで注意した事の改善が見られません。 デリカシーがないとか空気が読めないとか他色々です。 相変わらず、偉そうに他人を注意します。 自分も出来てない事多いのに、偉そうにわかった気になって注意します。筋が通ってません。 部活の話し合いの意味がまったくありません。 私は自分より下だと思ってる人間とは飯を食べたくありません。だからあなたを誘ってません。 あと、他にもあなたと飯を食べたくないって言ってるやつが数人います。 今までの自分の行いや態度をよく考えてみてください。 自分が誘われる人間かどうかをです。 ただ嫌いだけなら誘っています。部員で嫌いな奴はいますし。 あと、この連絡の遅さにはガッカリしました。 このままあなたに変化がないようなら、卒業式後にする、私の食事会にも、もちろん呼びません。 迷惑だからです。 まぁそもそも、私があなたにメール連絡を断たれた時点で誘う気が失せてきたんですけどね。 連絡断っておいて私が主催する食事会だけは来たいですか?ふざけないで下さい。筋通ってないんです! あなたの異論や反論は認めません。 連絡が来なかったから、店に人数確定の電話しました。 どちらにせよあなたはお呼びじゃありません。 嫌われたら終わりですよ。自分を振り返ってよく考えてください! 私の思ってることは以上です。 このメルアド着信拒否にさせてもらいますから、以後メールは届かないと思ってください。 未夢「これは…」 思ったより酷く泥沼化しているようだ。 夏希「すーごいメール着てたでしょ…」 夏希「色々ムカつくけど、まぁ筋は通ってるかもね」 夏希「でもね、ヤクザじゃあるまいし、筋が通ってりゃいいってもんじゃない」 夏希「例えば、私が悪いことをしたら他の人も悪いことをしてオッケーなわけじゃない」 夏希「私ができなかったら、みんなもできなくて良いわけじゃないの」 夏希「この子はね、少しわがままで甘えん坊だったのね」 夏希「色々向上心を持つように言ったんだけど、嫌われちゃっただけみたいね」 夏希「後ろの方の、連絡を拒否ったとか遅かったって言うのはちょっとよくわかんないけど」 夏希「大体私のとこにメール着てなかったし、他のクラスメイトから聞かなかったら知らなかったしね」 夏希「まぁでも、嫌われたら終わりって言うのは、本当かもね…」 英一くんのことだろうか。 夏希「でもね、こんな恐ろしいことになっているなんて驚いた」 夏希「その末端を見たよ」 夏希「人を困らせておいて平気なやつ」 夏希「でもこれも私の不徳の致すところね」 未夢「うーん、そんなことないよ…」 夏希「だけど、次のことだけは、どの人間にもあってほしい」 夏希「何が許されざるべきで、何が許されるべきことなのか」 夏希「そのギリギリの境界まで理解していることが重要だわ」 夏希「これ、今年の明言にした本にしたいくらいだわ」 未夢「その子は何か、いけないことしたの?」 夏希「うーん、そういうんじゃないけど」 夏希「逆かな。もっとがんばらないとって」 夏希「年齢に置いていかれないようにね」 夏希「でも、みんなをまとめられるかもそうだけど、みんなが聞いてくれるかも心配かな」 夏希「先生とかの教育には期待できそうもないし」 夏希「はてさてどうしたものか」 夏希「他人の不幸は蜜の味と言うけど、自分の不幸さえも蜜の味に変えなければやっていけないなんて」 夏希「世も末ね、まったく」 保身と言うと聞こえが悪いかも知れないけど、わたしは相手の気持ちを考えてあげたい。 自分が幸せでないのに、相手が幸せなのを自慢してるとする。 すると、『不公平だ』と無意識に思うものがある。 友達が幸せになってほしいと思ってるのにも関わらず、だ。 だから、逆にそう思わせてあげたくないから、幸せそうに振舞わない。 ある人が切実に望んでいた事を、自分が既に体得していたとしても。 隠蔽と言う意味ではなくそれを「話す必要が無い」と考えるだろう。 夏希ちゃんは今、英一くんとのみならず、周りと上手くいってない。 わたしは彷徨とは彼氏彼女だ。 こんな中、わたしと彷徨が仲良くしていたら、夏希ちゃんは快く思わないだろう。 だから、そういう風に振舞わない。 夏希ちゃんの気持ちを考えたから。 でもこれは、嫌われないためにする保身のようなものだ。 少し、自分が嫌で、心がチクっとした。 ------------------------------------------------------- ブーっ、ブーっ。 メールだ。 夏希ちゃんからだ。 夏希(今日はなんかごめんね。ありがとね) 夏希(こんなこと続けてたら、未夢ちゃんと仲悪くなっちゃうかも) 未夢(えー何々?どうして?) ブーっ。ブーっ。 早すぎ。 夏希(基本的に愚痴だったからね…) 夏希(愚痴を聞かされる方としては、少なくとも楽しくなかったでしょ) 夏希(愚痴吐き口専門の別知人がいるんだケド、その人にメールを送る時は毎回監督の愚痴だったよ!) 畑中くんのことかな。苦労人だ。 夏希(あいつは愚痴しか言ってこない、まぁそうなるだろうなってね) 夏希(わかってメールしてたけど、当たり前だけど徐々に仲が悪くなってた時あった(汗)) 夏希(まぁ未夢ちゃんと私は、愚痴以外にも、会って表情を見ながらだし) 夏希(声のトーンの上下を聞きながら下らない話まで色々してるので、愚痴だけじゃないから) 夏希(それだけで仲が悪くなるとは思ってないけど) 夏希(愚痴を吐くと言うことは、私は楽になって未夢ちゃんは気持ち悪くなるということだし) 夏希(だから、仲が悪くなるかもしれない、そう言う意味だよ) 夏希(未夢ちゃんにはこの前ひどいこと言っちゃってごめんね) え、何だろう。わたしが忘れてる。練習前のことかな? 夏希(私と私の周りが色々あるって知ったと思うから、何か事件が起こったら私のせいと見るかも知れないね) 夏希(私が周りを怒らせるのが好きなんじゃない) 夏希(周りが、私を怒らせるのが好きなのだよーもー) あっはは。どうかえそうかな。 未夢(わたしは大丈夫だよー。大変だね。色々言っちゃいなよ!ゆっくり休んでね) ブーっ。ブーっ。 夏希(ありがとー!もう未夢ちゃん大好き!vvv) 苦笑いした。 でも、気が晴れたのならそれでよかったのかな。 ブーっ。ブーっ。 あれ?連ちゃんかな。 夏希(ありがとねー。ホントはすぐに電話したかったんだけど疲れててさー) 夏希(私は基本的に、ヤバい状態になるとどうにもならないだろうということを予測できちゃって) 夏希(だから、必ずどこかにバックボーンを引いておく事を考えてます) 夏希(そういう状況になるまでは、危険でも無理すればその時はどうにかなりそうだって) 夏希(そういうところまでがんばっちゃう人間で) 夏希(だから、無理を言われても多少なら大丈夫っていうところまでは何とか限界行けちゃう) 夏希(だけど休む気になったよ。未夢ちゃんの許しが出たからだね(笑)) 夏希(ゆっくり休んでね と言ってくれて、ありがとう) 夏希(でも休もうとしたけど、昨日の今日だもんでしばらく頭から離れてませんでしたーTT) 夏希(実はそんなに休めないかも) 夏希(けど、一人でぼーっとしてます) 夏希(今日はごめんね。ありがとう) 少し夏希ちゃんは一人で背負いすぎじゃないだろうか。 わたしに何かできることがあればいいけど。 こうして聞いてあげるだけでも、彼女の為になっていたら、いいな。