かれんだー0表示(即更新なし) 1秒待ち クロスフェード更新 カレンダー14日目表示 クロスフェード通常 CG消去 1秒ウェイト ====================================== バレンタインデー ====================================== 今日はバレンタインデーだ。 恋人にチョコを渡す日。 …というほどのものでもないかもしれないけど。 だってわたしとしてはなんていうか、渡す相手は恋人なんだけど、なんだけど! 前からって言うか、相思相愛って言うか。いや、そうでも渡すけど! マンネリでドキドキ感が、な…くはないけど! わたしのことより、なんとなく夏希ちゃんの方が気になった。 誰に渡すんだろう?それはやっぱり決まっているのかな…。 未夢「行ってきまーす」 未夢「おはよう、彷徨」 彷徨「おはよ」 彷徨「ふあ〜っ」 未夢「なに、どうしたの?眠いの?」 彷徨「今朝、朝飯食べてないんだ」 未夢「そうなんだ。なんで?寝坊したの?」 彷徨「いや、そうでもないんだが…」 彷徨「ここで朝飯でも食おうかと思って」 未夢「?」 彷徨「…」 えっ。なんかじっと見つめてきた。えっ? 朝飯をここで??喫茶とかに入るってことだろうか。 そんな時間ないよ。 朝飯って…もしかしてわたし??ヤバい。 いやいやいやいやいやいやいや。嫌じゃないけど。いやそーじゃなくて! 何を考えとるんだわたしゃ。 もしかして、チョコ、かな…?朝から? 彷徨『おはよう』 口周りをチョコでべたべたにした彷徨が教室に入ってみんなに挨拶するところが想像できた。 女子『キャー西遠寺くーん!』 彷徨『もう要らないから』 ないわー。 まぁ、彷徨は、中学の頃ほど減ったとは言え、未だにチョコを渡してくる女子がちらほらいる。 今渡すのは、なんとなく時期じゃないかなと思った。 彷徨「…まぁいいや」 何かを感じ取ったのか、彷徨はそう言った。 彷徨「行くぞ」 未夢「あ、待ってよ」 ガラガラっ。 彷徨が教室のドアを開け、わたしはそれに続いて入る。 烈「おはよー未夢さん」 未夢「おはよう」 未夢「…」 彷徨に立ち寄ってくる女子はいない。 そりゃそうか。高校になってまでそんなにいないか。 去年ちらほらいた程度だ。 中学の頃とは大違い。 烈「…」 烈くんがこっちを見てニコニコしていた。 未夢「な、何っ?」 烈「いや、別に」 零「…薄気味悪いぞ…」 生徒「起立、礼ー」 何事もなく今日が終わってしまった。ホームルーム後である。 イベント日と言うには、何もなさすぎた。わたしが妙な期待をしていただけか。 未夢「ふう」 こんなものなのだろうか。なんとなくしばらくぼーっとしてた。 烈「また明日ー」 零くんが先に行く中、烈くんが手を少し前にして小さく振ってくれた。 未夢「バイバイ」 彷徨「さて、俺は部活行くわ」 未夢「ま、待って」 彷徨「ん?」 未夢「えと…だ、誰からもチョコ貰ってない哀れな彷徨さんにご褒美を与えようと思ってな」 彷徨「…とりあえず、めちゃくちゃだぞ、お前」 未夢「か、感謝しなさいよねっ」 彷徨「ああ。待ってたよ。ありがとう」 どきっ。 こいつ、たまにこうなるんだよなぁ。それもいいけど。 彷徨「なぁ、ここで食べていいか?」 未夢「は、恥ずかしいわ、おいしくなかったら…って早速ここで食べようとしてるし!」 ぱくっ。 どきどき… 彷徨「普通に美味いじゃん」 未夢「ああ、ホントに食べたよ」 未夢「…からかってない?」 彷徨「なんでだよ。からかってない」 彷徨「まぁでも意外って言うか…」 未夢「何よ〜」 彷徨「いやいや」 未夢「あ、彷徨、口にチョコついてる」 彷徨「え?どこ?」 未夢「逆、こっち」 ぺろっ。 彷徨の口についたチョコを手で拭き取り、味見した。 未夢「あ、ホントだ、美味しい」 彷徨「…お前、誰もいないからってたまに大胆なことするよな」 未夢「へ?誰もいない?」 気づけば教室には誰もいなかった。 わたしと彷徨の二人だけ。 二人きり…? 未夢「おうっ」 ずざざざざっ!!どんっ。 高速で後ずさりし、窓際にぶつかった。 彷徨が歩いてくる。こ、コワイ。 どんっ。 彷徨は窓に手をやり、覆いかぶさるような形でわたしを見ている。 わたしは縮こまってた。 彷徨「…」 未夢「…やだっ、なんか言ってよ、彷徨っ」 彷徨のやつ、やっぱいじわるじゃない。なんでっ。 わたしがあんなことしたから…? 彷徨「…ぷっ…あははははっ…」 未夢「…??」 彷徨「冗談だよ。からかって悪かったな」 未夢「???」 彷徨「とりあえず、チョコ、ありがとな。部活ん前のエネルギーになったわ」 彷徨「じゃな」 言うが早いか、彷徨は先に行ってしまった。 未夢「も、もう〜…なんなのよ〜…」 ヘナヘナと床に座り込んだ。腰が抜けた。 未夢「はぁ…」 でも結局帰るのは一人か。 彷徨が部活終わるまで待つ…? いやいや。 ちょっと忘れかかってけど、わたしも部活行かなきゃ。 って、あれ?わたし部員だっけ? 夏希「あ!未夢ちゃん、おそ〜い!」 夏希「あ、もしかして、彼氏さんと一悶着あった?」 未夢「べ、別に…」 夏希「あ、その顔は、何かあったな?」 未夢「べ、別に何もないよ〜」 夏希「ふ〜ん?まぁいいや。とりあえず未夢ちゃんには本格的に部活に参加してもらおうかな〜」 未夢「え〜。そんな色々できないよ。お手柔らかにお願いします」 夏希「大丈夫。そんな体育会系のことを頼むつもりはないから!」 夏希「ちょっとあいつらの面倒見てくれてればいいのよ」 そこそこ体育系かもしれなかった。 夏希「ということでよろしくね。私はちょっと席外すから!」 未夢「あ、ちょ、ちょっと!」 言うが早いか、夏希ちゃんはどこかへ出て行ってしまった。 未夢「…あ、放置?放置なんすね?」 独り言をつぶやいたが、当然誰からも反応はなかった。 それから、じっと部員を見ていた。 みんな思い思いに練習してるなー。 わたし居なくてもいいのでは? ちょっと空しい。 そう思っていたら、畑中くんがやってきた。 畑中「…水よこせ」 未夢「…え?」 畑中「水よこせっつってんだ、おら!」 未夢「ああー、はいはい!」 気を利かせてくれたのかな?まさかね。 しかし、誰も彼もぶっきらぼうな人しかいません。 どこかに優しい人はいないものか。 畑中「…夏希の姿が見えねーが、あいつサボりか?」 未夢「そういえば」 どこかに出かけたまま戻ってこない。トイレにしては長い。 お腹痛くなったのかな? 未夢「わたし、様子見てくるよ」 畑中「あっ、おい!」 【背景:消去】 【背景:校庭】 と言っても、夏希ちゃんがどこ行ったかは検討がつかない。 見るところはトイレくらいだけど、夏希ちゃんはそこに居ない気がする。 一体どこに行ったのか…。 未夢「おっ」 夏希ちゃんを見つけて思わず変な声出た。そして隠れた。 それは、夏希ちゃんの向かい側に誰か立っていたからである。 夏希「…ねぇ、いいでしょ?」 声「だから俺は嫌なんだって」 あれ?おろ?ぶっふぉ。 これは、なんか、ヤバいとこに来てしまいましたかね? 夏希「なんでよ。私はもう気にしてないのに」 声「俺が気にしてるんだよ…」 あれ?この声どっかで聞いたことあるな。この前の人かな。 ちょっと覗き見た。 やっぱり。ってことは夏希ちゃんの初恋の人?? わーお。 夏希「じゃ、じゃぁ、これは受け取ってよ…」 英一「…」 夏希「い、いいでしょ?」 英一「べ、別に、これ受け取ったからって答えは変わんねーからな」 夏希「わ、私は諦めないからねっ」 ばっ。 隠れなおした。夏希ちゃんがこちら側に走ろうとしてたからだ。 彼女はわたしに気づかず、そのまま走り去っていった。 夏希ちゃんは目じりに涙を浮かべながら、目は怒りつつ口元は笑ってた。 てゆっか。夏希ちゃん自分でがんばってるじゃん。 わたし何かする必要あるのかな? 英一「…」 彼はしばらく立ち尽くしてた。手元には袋。おそらく夏希ちゃんの手作りのチョコだろう。 英一「…」 その場ですぐ食べてた!よし! 英一「…甘い」 彼はそう言って、立ち去って言った。 かさっ… 未夢「…彷徨…?見てたんだ」 彷徨「お前、こんなとこで何してるのかと思ったら」 未夢「彷徨こそ」 彷徨「お前ってばホンっトお節介だな」 未夢「むぅ。いいじゃない別に」 未夢「…ねぇ彷徨」 彷徨「ん?」 未夢「わたしたちが中学の頃もさ…みんな、わたしたちのことをこうやって見てたのかな」 彷徨「さぁな。そうかもしれないな」 夏希ちゃんと英一くんがちょっとばかし羨ましかったのは何故だろうか。 戻ろうとして振り返ると、畑中くんが建物を背に佇んでいた。 未夢「あっ、畑中くん」 追いかけてきたのかな? 畑中「…お前、西遠寺…」 彷徨「…ん?俺のこと知ってるのか」 未夢「それより、どうしたの?こんなところで」 畑中「…別に。なんでもねーよ!」 そういって、怒りながらそっぽ向いてしまった。 …。 …! これは、もしかして。夏希ちゃんのことが気になって来たのでは? 未夢「彷徨さんや、これはわたしたちの出番では?!」 彷徨「よくわからんが、余計なことはするな…」