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 ====================================== 復活祭 ====================================== 

ここはわたしがそうぞうしたせかい…
誰にも文句は言わせない。
ここではわたしが神様…
唯一思い通りにできるせかい…
ゆめのなか…

?「ここならそらもとべるし、ものだってうごかせられる」
?「わたしのおもいどおりにならないことは、ないんだよ」

そういって、悲しい笑顔を思い浮かべていた。

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未夢「…」

いつの間にか、家に戻ってきていた。
どうやって戻ってきたか、覚えてない。
また変な夢見たしな・・・。世界が思い通りに動かせるっていう、悲しい夢だった。
それがなんで悲しいのか。
もしそれが現実なら、わたしが彷徨を治してあげたい。
こういうとき無力は罪って思える…。

不思議なものだ。彷徨がやばいっていうのに、わたしは普段通り登校だ。
だからこその登校かもしれない。
極限状態になると、一周回って普通になる。
現実に生きてるのに、現実逃避って感じ。

8時の都会の駅はいつも物凄い混み様だ。
昔はこんなことなかった気がする。
あと、これだけ人がいるのに足音しかないと言う恐ろしさ。
普通、友達同士がしゃべってる声とか、音楽とかでざわめいてるものだけど、朝の駅は恐ろしい。
みんな起きたばっかでスイッチが入っておらず、朝はまだ眠いから朝くらいはまだ静かにしていたいと言う感じ。
自分のテリトリーに閉じこもっているようなオーラが感じられる。

ふと、中学時代を思った。
頭の中が暇になると、隙間を埋めようと無意識的に思い出す。

中学2年生の頃だ。突然、どこの子ともしれない赤ちゃんが舞いこんできて…。
里親が迎えに来るまで一年間お世話をした。
夜泣きされて夜中までパタパタ何やってたんだっていうぐらい、がんばってた。

その甲斐あってか、家庭科の成績は少し上がってた気がする。
懐かしい話だ。


中学時代は西遠寺とスーパーしか行き来した覚えがない。
でも西遠寺じゃ、ある意味すんごい盛り上がってて、でも最高に楽しかった。
宿題と赤ちゃんのお世話で遅刻になりそうとか屁の河童。
そんなんでへこたれるわたしじゃなかったです。
なんていうか疲れを超えて楽しんでたような。

狭い世界だった。思えば、馬鹿なことを叫んでたかもしれない。
夢の中でシンデレラや人魚姫になれた時はホントに笑ってしまった。
ストーリーに沿う以外、何もできなかった。

またあの頃に返りたい。
あそこには、あの頃のままの自分たちが居る。
未来、いい年になっても馬鹿に返れる場所を見つけておきたい。
傍には、それを一緒にやれる存在を添えて…。

惠「あれ、今日も西遠寺は来てないのか。風邪にしては長いな」

烈「…」

未夢「う、うん」

烈くん、黙ってくれてるんだ。
でもそれもそうか。
わたしは特に考えてなかったけど、一応、人様の事情だしな。
特に言う事でもなかったんだろう。


お昼休み、副担任の先生に呼び出された。
今日は主任の担任がお休みらしい。

先生「お母さんから話は聞いています。しばらく西遠寺に住むんですって」

未夢「は、はい」

先生「西遠寺くんとは実は従兄妹だと聞いてるけど」

聞くと、ママと瞳さんが姉妹と言う事になってるらしい。

先生「ホントはそうじゃないんでしょうけど…」

普段の関係から予測してるのか、バレてる。

先生「今、西遠寺くんは、大変な状況だから…」

どこまで知ってるんだろう。ママ、いつの間に話したのかな。
タイミングがあるとすれば先週末の金曜しかない。

先生「まぁ住職の方もいらっしゃるし、あなたたちなら大丈夫でしょう」

何を信頼されてるんだろうか…。
おじさんいないけど、そこまでは話してないようだ。
二者面談とかあったらヤバいな。

先生「西遠寺くんのこと、面倒見てあげてね」

未夢「は、はい…」

先生「担任の先生もお休みだし、最近は風邪が流行っているから、光月さんも気を付けてね」

未夢「はい…」

先生「話は終わりよ」

未夢「わかりました。ありがとうございました。失礼します」

ガララっ。ぴしゃっ。
話は終わった。
現状の確認のようだった。
現実を思い出させられてしまったな…。

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放課後、調べ物をしに、図書室へ来た。
ホントは、すぐに彷徨の許へ駆けつけるべきでは?
気の迷いだ。現実逃避だ…。集中して、悲しみを忘れたい。
理系でも、文系の歴史の宿題がちょくちょく出る。
それを済ますことにした。

探している本を見つける。
本の表紙には、何故か広告が張ってある。
如何わしいものを見てると思われたらやだな。
広告なんて、人海戦術だ。たくさんの人に見てもらうのはいいけど、問題は中身なんだから。
中身を精査しないと。

中国の三国の時代、ある県令が失っていた信頼をすぐに取り戻した事件がある。
その経緯を書け、という問題だった。
こんなの調べないとわからないし、理系なのに文系のマニアックな宿題出してくるなぁと思った。
教科書には、その事件の概要の一端が少し書いてあったから、そこから調べた。

三国志時代に存在した、稀世の賢者・鳳雛/廃統は、初めて劉備に会った時、県令の役を命ぜられた。
県令は町の人の悩みを聞いて罪を裁くのが仕事だが、そこで廃統は毎日酒を飲んでいた。
業務をせず、とうとう県民の恨みを買い、劉備へ訴えられてしまった。

それから県令派遣が廃統の元へ行き、その素行を正した。
あんな業務はやる気になれば一日で出来るといった。
翌日、今まで何日も溜めた業務を立板に水が流れるごとく、理路整然とした弁で罪を裁いた。
本当に一日で終わらせてしまった。
その時、県令が失っていた信頼は、わずか一日で回復どころか、プラス方向へと変わっていったのである。


普通、信頼を得るのは何日もかかって、失うのは一瞬だが、これだけは例外中の例外。
人がどれほど実際の能力に対してだけ期待を込めているかが分かる。
普段の怠けた性格に対して住民は怒っていたわけではなく、仕事のサボりに対して怒っていたのである。
それができれば人の信頼は取り戻せるのだ。
その能力は、どれだけ高くなければいけないか…。
それが簡単になるまでには、惜しみなく時間と努力を費やしただろう。

未夢「信頼か…」

わたしと彷徨はこれの逆かな。
一朝一夕じゃない。
長い時間をかけた、信頼だ。
例え今から別の新たな善い人が現れたとしても、彷徨と居た3年間には敵わないだろう。
例え、時間だけ彷徨より長くいることになったとしても、あの1年だけは…。



今宿題完了という、一つのやることを終えた。
何かが終えた一瞬、達成感と共に物凄い虚空感がある。
これから何をして後を生きればいいと…今だけだけど、そう感じる。


自分が限りなく、存在していても意味のないものだというような感覚があるのだ。
やりたいことや楽しみは幾千とあるはずなのに…。
先が見えないと、こう思うときもあるのだ。


何のために生きている?
自分がこの世に存在した証を残すため?
自他共に満足するため?
自分の血を絶やさぬため?
子孫を残すため?
動物的な理由がいくつか思い浮かんだ。

わたしは自分が生きた証を残したい。
親孝行したとき、ママは『未夢が幸せに暮らせればそれでいいわ』って言ってた。
わたしがわたしなりに満足できたのなら、それが親孝行で彼らは満足するのだろう。
手紙送った時、あんまり嬉しそうじゃなかったし(もちろん喜んでくれてはいたが)。

所詮は自分の人生に満足できればいいのだ。
親からしてみれば、自分の育てた種が普通に大衆に溶け込んでいけたのならいいのだ。
そして、自分の役目は終わった、という考えなのかも知れない。



人にとって何が幸せなのだろう…。
それは恐らく、何通りとは言えないほどそれぞれの幸せがあるのだろう。

例えば…人は向上することが幸せだという考えがあるとする。
今のような便利な世の中になったのは、人が向上した結果に知識を得、便利なものを作り出したからだ。

でも…大多数の人がそう考えたとしても、それ以外の小さな考えを貶してはならない。
知識を得た人が少数派を貶す権利なんてない。


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なんか、生きることの是非を考えてしまった。
わたしは日本人の癖して日本語の読み書、しゃべり、聞きさえも得意ではない。
しゃべる数は多くても決して内容が良いとも言えないけど、自分なりに精一杯考えた。


この前ある人がテレビ番組で「弱者は傷を舐めあう」と言ってた。
聞いてる分には、その知らない世界がミジメだと思えたかもしれない。
けど、もし自分がその立場に居た場合、どうだろうか。
言われるのがいやならがんばるしかないんだけど…。


どんな人だって、その人にはその人なりの思惑がある。
自分の可能な限り努力したいと思う気持ちと、自分が弱者なら救われたいと思う気持ちがある。
自分が強者なら他の人を貶し、その裏にその人に対する期待の気持ちがあるのだろう。

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烈「ねー、未夢さん、未夢さんってば」

はっ。
烈くんの声で気が付いた。何か色々考えすぎてたな。
ちょっとでも暇があると絶えなく無意識に考え出されてしまう。



未夢「烈くんも図書室来てたんだ」

烈「未夢さん、どこか遊びに行こうよっ」

未夢「今はちょっと…」

烈「私は迫害される運命なんですね」

未夢「えっ、いやいや、そういう意味じゃないよ」

烈「…西遠寺くんは、大丈夫?」

未夢「…」

首を振った。

未夢「このままじゃ、彷徨がどっか、遠くに行っちゃう気がするよっ…」

意識したつもりはなかったけど、突然、泣き声になってしまった。

烈「そ、そんなことないよ。毎日看病したら、きっと西遠寺くん戻って来てくれるよ」

未夢「ないよっ…彷徨、起きてくれないっ」

烈「…そんなんやってみんとわかれへんがや!」

未夢「すんっ…なんで名古屋弁と大阪弁のコラボ?」

烈「…いやマジでそんだけでおじゃる。まる」

未夢「うんっ…すん…ところで、この前の烈くんは…」

烈「その話?前に答えたとおりだよ」

未夢「ごめんね。嫌だったら、別に構わないけど…」

はぁ、と小さくため息をつくように息を吐いた。
烈くんは手袋を取った。
銀色の手。烈くんの手であって、烈くんのじゃないようだった。
異なものだ。

烈「わたしはね。昔交通事故にあって、手を失ったんだ。足もだよ」

まさか、そんな…。

烈「でも、あの宇宙人の子が、思い通りに動かせる手と足をくれたんだ」
烈「飛べるのは、そのおかげ」
烈「思い通りに動かせるって言っても、いつなくなるかわからない」
烈「手がいつなくなるかわからないなんて、気にする事なんてまずないよね」
烈「でもだから、なるべく左手だけで何でもできるように、することがあるよ」

右利きって言ってたのにたまに左手を使ってるのはそういうことだったんだ…。

烈「みんなには内緒だからね」

未夢「…ごめんね。言いたくないことを」

烈「正確には、別に言いたくない訳じゃないんだけど、周りの人がびっくりすると思うから隠してるだけだよ」
烈「それにただの義手義足じゃないから、変に勘ぐられても困るしね」

未夢「…」

ふと時計を見た。面会時間が終わってしまう。

未夢「ごめん、わたし、そろそろ行くよ…」

烈「よければ、場所を教えてくれないかな…?」

未夢「…」

紙に場所を書いた。

烈「…ありがとう。後で必ず行くよ」

未夢「…一緒に行かないの?」

烈「…うん、ちょっと用事でね」

未夢「…わかった、バイバイ」

烈「未夢さん」

未夢「…?」

烈「西遠寺くんが未夢さんを守ってくれたから、未夢さんは無事だった」
烈「西遠寺くんは、守れるものが守れたんだから、良かったんだよ」
烈「だから、未夢さんも元気にしていてよ。じゃないと、西遠寺くんもきっと悲しむよ」

…彷徨…!

未夢「…うん…そうだね!」

烈「うん」

未夢「じゃぁ、また後でね」

図書室を出た。
烈くん、ありがとう。
少し元気、出たよ。
そんなこと伝えたら、彷徨はまた怒るかな。
意外と変な嫉妬持ちだからな、彷徨。




病院に着いて、彷徨の病室に着いた。
相変わらず彷徨は眠っている。
まだ数日の事なのに、もう何日も経ったかのように思えた。
身の回りを整理して、この前の様に、腰掛に身を落ち着けた。
彷徨の手を握りながら今日の事を話したら、彷徨の手が動いた、気がした。
気がしただけだ。
やっぱ、怒ってるのかな。

コンコン。
烈くんが来たようだ。

烈「こんばんは」

未夢「!…その子」

烈くんの肩には、前と同じように不思議な生物?が乗っていた。

烈「物凄い迷ったけどね、連れてきちゃったよ」
烈「思い通りに動かせる手や足が手に入ったのは、この子の奇跡」
烈「こんなリターンのあることなのに、何もリスクがないはずがない」
烈「一見、何も起こってないように見えるけど…」
烈「今回も、もしかしたらこの子、タミの力で、西遠寺くんを救えるかも」

未夢「タミ、っていうんだその子」

烈「多分、女の子。わかんないけど」

未夢「タミちゃんだね」

烈「それで、タミの力で、西遠寺くんを助けられるかもしれないけど」
烈「何が起こるかわからない」
烈「私の手足を犠牲とするかも」

未夢「そんな。せっかく烈くんは、前と同じように生活できるようになったのに」

烈「だから凄い悩んだよ」
烈「でもね、隣で未夢さんが悲しそうにしてるのを見るのがね」
烈「もしかしたら、助けられるかもしれないのに、じっと見てるのはね」
烈「正確には、助けるのは私直接じゃないけど」

未夢「どうしてそこまで…?」

烈「未夢さんには色々助けられたし、まだ会って短いけど、楽しかったから」
烈「恩返ししたい、それだけだよ」

未夢「そんな。わたし、そんな大層なことしてないよ…」

烈「…ううん。未夢さんがそのつもりなくても、わたしは感謝してるし、そうしたいんだよ」

未夢「烈くん…」

烈「…よし、じゃぁタミ…」

タミ「ピー…」

烈くんはその不思議な子としばらく見つめ合った。
まるで、今生の別れかのような…。

烈くんはタミちゃんを彷徨のお腹の横に置いた。

烈「じゃぁ未夢さん、西遠寺くんを救いたいって、強く願って」

未夢「えっ?」

烈「願いは、願いを叶えたい人が強く願わないと、叶えられない」
烈「私も、当時は強く望んだよ」
烈「だからって今回も何か起こるとは限らないけど…」

未夢「それじゃ、何も起こらなかったら…」

烈「でも私だって、こうして手足を手に入れたんだし、多分大丈夫だよ」
烈「それとも、未夢さんは西遠寺くんを助けたくないの?」

未夢「そんなこと、ないっ…」

烈「じゃぁ…」

未夢「…」


彷徨の手を握り、顔を見た。
いつだって隣に居た彷徨。
意地悪な彷徨。
優しい彷徨。
怒った顔、笑った顔。
わたしの、大切な好きな人。
眠る彷徨。
起きない彷徨。

このままは、嫌っ…!

未夢「どうか、どうか彷徨を助けて下さい、お願いしますっ…」

一滴の涙が零れた。

その時、タミちゃんの体が光強く輝いた!

未夢「うっ、これは…!」

烈「…!!」

眩しく、部屋一面が白に包まれた。
そして…。
……。
…。

…タミちゃんが居なくなってた。

烈「…タミ?」

握って居た手が、ぴくんと動き出す。

未夢「彷徨…?」

烈「はは、まさかこうなるなんて…」

彷徨「…ここは?」

未夢「…彷徨!?起きたんだね!?」

彷徨「未夢、何で泣いてるんだ…?」

未夢「もうずっと起きないかと思ってた…彷徨…!」

烈「でも予想はしてた…」

未夢「烈くん…!烈くんのおかげで…」

未夢「でも、でも…」

タミちゃんの姿は、どこにもなかった。

未夢「本当に、ごめんね…」

烈「…なに言ってるの、違うでしょ…」

未夢「…?」

烈「ありがとう、でしょ…?」
烈「西遠寺くん、助かったんだから…」

未夢「…!」

未夢「うん…」

未夢「烈くん、本当にありがとう…!」

烈「大丈夫だよ、あの子が残してくれた手足は、動かせるまま」

烈「守れるものが守れたから、良かったんだよ」
烈「未夢さんの笑顔が」

未夢「烈くん…!」

彷徨「…なんだ、どういう状況なんだ?」

未夢「彷徨、もう平気なの…?」

彷徨「えーと何だっけ、腹刺されたような…」

烈「さて、じゃぁ私はオジャマ虫だから、退散するかな」

未夢「そんな!彷徨の命の恩人なのに」

烈「気にしないで。じゃぁ、またね」

そういってそそくさと烈くんは去ってしまった。
でも、あの感じ。
わたしが3年前、大切な存在が、わたしの許を離れた時と同じ感じだった。


彷徨「なんなんだ…」

未夢「…がなだぁ…!」

彷徨「なんなんだ…訳が分からん、とりあえず鼻水を拭いてくれ」




彷徨「そうか、俺、寝たままだったのか」

未夢「もう大丈夫なの…?」

彷徨「…!」

彷徨はお腹を見ながら、それを触る事を怖がったけど、覚悟して触った。

彷徨「…何ともない」

未夢「…がなだぁ〜」

彷徨「さっきから何なんだ、同じことしか言ってないぞ」
彷徨「で、さっき紅瀬が来てたのは?」

未夢「…わたしたち以外にもいたんだよ、大切な宇宙人を持ってる人が」
未夢「その子が、命がけで彷徨を助けてくれたんだ」
未夢「でもその子は居なくなっちゃった」

彷徨「どうして俺を…?」

未夢「…」

烈『守れるものが守れたから、良かったんだよ』
烈『未夢さんの笑顔が』

烈くんには感謝してもしきれないな。

彷徨「そうか…まぁでもなんだ、とりあえず腹減ったな」

未夢「あっはは、彷徨ったら…」

未夢「…ぐすっ」

がばっ。
彷徨に抱きついた。

彷徨「…未夢?」

未夢「わたし、怖かった…!彷徨が、居なくなるんじゃないかって…!」

彷徨「…そんなわけないだろ。親父じゃあるまいし、お前を置いてどっかに行ったりしねーよ」

未夢「…でもそれだと、おじさんの遺伝子受け継いでるから、どっかに行く可能性も…」

彷徨「…そこで繋げられてもな…」

彷徨「とにかく、元気になったんだから帰るか」


それから、彷徨が目覚めた事をナースコールを通じて知らせた。
普通に看護婦呼ぶボタンだと思ってたけど、緊急専用だったみたいで、後から叱られた。
担当の先生がびっくりしてた。
命に係わる傷だったのに、跡形もなかったのだ。
何をどう説明したものか、誤魔化す言葉も思い浮かばなかった。
若さ故の驚異的な回復力って事で落ち着いたらしい。
落ち着き切ってなかったけど。
そんなこんなで、退院することになった。
とりあえず今日は、西遠寺に帰ることにした。

未夢「彷徨、大丈夫?荷物はわたしが持つよ」

彷徨「大丈夫だって。寝てたって言っても数日だったみたいだし」

未夢「彷徨が戻ってきて、本当良かったよっ」