かれんだー0表示(即更新なし) 1秒待ち クロスフェード更新 カレンダー25日目表示 クロスフェード通常 CG消去 1秒ウェイト ====================================== 彷徨ピンチ! ====================================== 登校中、また烈くんたちと会った。 烈「毎日家〜駅間を走ることにしました」 烈「電車の中では基本教科書読み」 烈「運動と勉強怠りない」 烈「ってカ〜ンジ?ってカ〜ンジ?ってカ〜ンジ?ってか〜ん」 零くんが無言でグーで烈くんの頬をなぞっていた。 烈「とりあえずもちつこう」 烈くんの顔を何となく見る。 男の子なのに、キレイだなと思った。 未夢「烈くんの肌はきれいだね、かっこいい」 烈「えーっ。私がかっこいいだなんてお主の眼はビー玉か」 未夢「ええーっ」 褒めたのに怒られた。 烈「ここで誤解をといておく」 烈「きれいなのではなく、どちらかというとそれほど汚れているわけでもないかも」 怒った方の誤解ではないのか。 烈「酒は飲めないし煙草も嫌いだしギャンブルもしないしイライラしてないし」 零「お前まだ未成年だからな」 烈「ギャンブルはするしない云々に関わらず、ゲームセンターとか煙草の受動喫煙で激しくキツイ」 烈「でも飲んでるのは牛乳だし、だからあまり肌が他の人と比較して荒れてないのだと思うのデス!」 烈「肌を若く保ちたいなら大人なことはしないのがお勧めですヨ♪」 零「いやだから…もういい疲れた」 零くんは先に行ってしまった。 烈「でもね、足はアトピーで酷かったんだよ。イライラしないと言うけど別ベクトルの属性でしてるし」 そういって烈くんは足をさすった。 未夢「そうなの?」 烈「子供みたいな感じのせいか童顔だし」 それはお肌のキレイに関係しないのでは。 烈「ギャンブルはしないがゲーセンは行くわで、結構荒れてると思うけどね」 未夢「そうなんだ…」 結構悪いこと聞いちゃったのかな。 でも本当は…もっと他の、昨日の事を聞きたかった。 未夢「ねぇ、あの…」 烈「うん?」 未夢「…ううん、やっぱ、なんでもない…」 烈「…」 あれ? 今は、何か忘れてる気がする。 意識的に?無意識的に? ============================================================================================ 1時間目。技術の授業だ。 PCを使うときの機能はOSによって違う事がある。 今回ではUNIXやMacOSは除いて、Windows系でどんなのがあるか並べられる。 7 HomePremium,stater,professional,ultiamte。 Vista Pro,Business,Home。 2003server。 XP Home Edition。 XP Professional Edition。 2000 NT。 2000。 MillionEdition。 98SecondEdition。 98。 NT。 95。 CE。 歴代のWindowsたちだ。 CEはPDAという端末機器で、PHSに繋いでネット使うミニコンピューターとからしい。 PDAはおいといて、同じWindows系なのに互換性がないとかいう問題があるらしい。 XPとVistaとか。 と言うかオフィス2007と互換がないようだ。 MEとか、昔はOSとしてひどかったらしい。 その後のケアは大事だ。 授業中、そこからゲームやPCソフトの話になった。 最近は、修正版や同じバージョンを、色んなハードに特有の特典をつけて売ってる。 それは良いとして、そもそもなぜ修正版なんて出たのだろうかと。 原点で何が問題だったかをまとめられた。 バグ。 バランスが悪いもの。 バランスを修正しただけでは物足りないので、問題の無い部分も改変される。 そんなことはユーザは望んでないと説明された。 将来、自分にも言える。求められるものを作りだしていかないと。 ハードとソフトの関係の話に推移していく。 コンピューターってすごいなー難しいなー。 9と言う数字を表現したい場合に、2進数を使う。 8bit1byteで変数に16進を格納し、構造体の中に配列を入れる。 この後、特定のポートに特定の情報を送ることでLEDを光らせて画面に『9』を表現する。 いやーこんなこと考えた人はキチガイですな。 机上の勉強の後、実際にPCを使ってメッセンジャーでチャットをやってみることになった。 アカウントを作ってログインする。 未夢「メッセ作ったけど入れない〜」 零「ためしにそのアドに送ってみたけど、エラーが返ってくるぞ…」 アド自体間違っていた! 烈「間違ったアドを教えたアホの子はどこのどいつだ〜い」 未夢「わたしだよ!」 烈「あっはは。合格」 ============================================================================================ 1時間目が終わり、休憩時間になる。 【烈\\o((゚Д゚))o//顔】 烈「ウォ"ォ"ォ"ォ"ッ!」 未夢「なっ、なにっ。どうしたの烈くん」 変な声出すから驚いた。 烈「むむむ…最近ますます動悸が収まらんな…」 烈「奥様獲得しかない。そしてよろしくお願いいたしますといいたい」 烈「何をどう考えても遅かれ早かれ未夢さんしか居ないっ」 未夢「えーっ、なんで」 いろいろ、なんで。 烈「この世・天下広しと言えども特別な条件に当てはまる人材と言うのは一人しか居ない」 烈「こういう存在はものすんごく稀少とも貴重とも言える存在でいなければならない」 烈「はっきり言って世に2人と居ない」 未夢「よくわからないけど、でも烈くんにはきっと良い人が見つかるよ」 零「何気に振られてんな、お前」 零くんが烈くんの肩に手を置いて言っていた。 未夢「それにしても…」 ある意味、わたしと彷徨のことを言われてるような気がした。 その他に居ない存在か…。 ============================================================================================ 2時間目が終わった。1時間目の筆記小テストだった。 烈「ヌゥーワァァァァ!」 おかしくなっていく…。 一体どこまで堕ちていくのだろうか…。 彼のテストの点数が垣間見えた。 彼は、実技はできても言葉を覚えるのはニガテみたい。 烈「もう落ちるとこまで落ちた。這い上がるしかない。命がけの崖登り」 烈「このままではニート、ホームレス、病院行き、自殺ルートまっしぐら!」 烈「まずは資格!そのためにしばらくパソコン閉鎖っていうかお休み」 烈「遊んで勉強サボってそうだけど…」 烈くんはわたしの答案用紙をちらっと垣間見た。 烈「未夢さんすごいなぁ…よく勉強できてるね」 烈「未夢さんが将来何になりたいかわからないけど、お互い夢に向かって邁進していこうぜ!」 未夢「う、うん…」 夢か…未だ決めてないな。まだ自分を、光を探して彷徨っている。 ぼんやりと、お嫁さんがいいなと、子供のようなことを夢見ていた。 烈「とりあえず寝よう」 烈「ではでは、しばらくの間眠ります」 烈「お休みなされませ」 烈「と言いたい所ですが多分実行できないね…」 烈「これからの仮予定!」 声高らかに宣言していた。 烈「ネット友達に会う」 遊びだった。 未夢「ネット友達と会うってなに」 烈「いやー、インターネットでお友達になったんだよ」 烈「ゲームで知らない人と対戦で試合してて終わった後に、強いですねって話しかけて」 知らない人に話しかける…。 未夢「え〜。怖くないの?」 烈「そんなことないよ。同じ作品を好きな人同士だし。まぁスポーツみたいなもんさね!」 そんな見方もできるのか。 烈「でも、『強いですね』ある対戦相手にこう言ったとする」 烈「しかし相手を褒めたはずが、自分が弱いのを棚に上げた言い訳に過ぎなかった、と考えられる節があって」 烈「物事には、裏を返した言い方が存在するのです」 烈「何をどう考えても皮肉にならないように、言葉は選ばないと」 未夢「へぇ〜」 烈くんにも思いやりがあるんだ〜、と失礼なことを思ってしまった。 けど、何を言っても相手を傷つけないように考える思いやりは、確かに大切だと思う。 烈「これは、主に何かの対戦相手を褒める時であったり、何かの物事で自虐するときに見られるね」 未夢「そうなんだ」 何にしても、夢中になれるものがあって良いことだと思う。 わたしにはそんなに夢中になることはないな〜。 未夢「夢中になれることがあって、いいね」 烈「でもね、なくてなれるものもあるんだってね」 未夢「?」 烈「ある人が言ってたよ。とある人が知事になったのは『正しい解』であったと」 烈「彼の欠点が成功させたと」 烈「足りなくてなれる立派なものが二つある」 烈「それは、レーサーと政治家なんだって」 烈「レーサーは、恐怖心がないから」 烈「政治家は、人の話を聞かない上に中傷を気にしないから」 前者は納得できたけど、後者はまぁ的を得てる。 烈「怖いもの知らずの思い上がり」 烈「言う事聞かない、嫌味言われても平気」 烈「人間的に、純粋から汚物になっているようなものだけど、レーサーや政治家さんは立派だね」 烈「限りなく上に行くには、その辺の人間ではない必要があるね」 確かに、そういう節はあるのかも。 烈「わたしはクリエイターになりたいなぁ。クリエイターも大概変人だよね」 未夢「そ、そうなの?」 烈「クリエイターに変人多しと言われる所以は、大人になっても子供のような遊び心があるからだと私は思う」 烈「社会人になるとあまりの忙しさに遊びへの執着心や夢がなくなっていきそう」 烈「疲れながらもそこには『落ち着き』と言うある一種の終着点が存在すると考えられる」 まだ社会人になった時の想像ができなかった。 烈「クリエイターが遊び人と言うと聞こえが悪いけど、彼らの中に落ち着きがないものがいたとする」 烈「でもそれはおそらく、特に集中して遊びたいと言う何かを持っている人ではないか」 烈「そう思うんだ」 烈「だからと言って、落ち着きがなければクリエイターになれるわけじゃないけどね」 烈「そういって答えを出すのは早くて説得力に欠けるけど…」 烈「何かが抜けているものほど立派なものになれるものもあるんだなと思ったね」 未夢「なんだか、難しいことを考えてますなぁ」 【烈(゚Д゚)!!!!!顔】 烈「もし私がクリエイターになって、やる事を終えたらこういうと思う」 烈「今ここに私が生きた証を残した。全て終わった。あとは血を残すだけだと」 烈「突然変異のような私の血がこの世にどう受け止められていくか見てみたい」 烈「死ぬまでそれを見届けたい。新たな生甲斐とする」 烈「親ってのは多分そうやって余生を生きていくのかなーって」 烈「そんなことを何となく考えましたとさ」 未夢「はぁ」 烈「きっと、ぼんやり想像することしかできないんだよ」 未夢「それにしても、作品を世に出すとか…批評されたら怖い気がするよ」 烈「せっかく作ったのに出さない方が引けるよ」 烈「でもね、作るには仲間が必要なの」 未夢「お仲間さん、見つかるといいね」 烈「ホントは一緒にやってくれる人がいいんだけどね・・・ぶつぶつ」 烈くんの中で勝手に話がものすごく進んでいた。 わたしはそれを、子守唄かのように右から左へ聞き流していた。 烈「大学生になったら、サークルにそういう人居ないかな〜」 大学か…今のところわたしにはやりたいことも勉強したいことも何なのかわからなかった。 烈「大学に行くには、良い成績出さないといけないけど…」 烈「親戚の人が大手の会社内で2位の成績らしくてね」 烈「大手に行ったのも凄いけど、その中で2位というのも十分驚愕に当たるよね」 烈「もう誰にも文句は言わせんよ」 烈「そんなことを言ってた叔父さんが痺れる」 未夢「へぇ〜。そんなすごい人が親戚さんにいるんだね」 烈「でも…私は本当に同じ血を引いてるのだろうか」 烈「私成績良くないし。何この歴然な差と違いは。同じ血で育ってるんじゃないのか」 烈「私なんか誰にでも文句言われる自信があるぐらいダメダメですよ」 未夢「そんなことないよ〜」 烈「馬鹿と天才は紙一重と言うけど、うまい具合にトンビが鷹を産んだのか…」 烈「それとも虎の子が実は猫だったとか…うわーん」 烈「わ、私だってゲーム系行けば一番なんだからねっ」 烈「一番良いのか悪いのかは言わない」 烈くんは正にマシンガントークである。突っ込みの一部も許さない量と早さだった。 そんな様子を、わたしはぼんやりと聞いていた。 ============================================================================================ 3時間目が終わる。英語だった。 烈くんのノートが垣間見えた。 My prefants daughter may be fool master! 私の親の娘さん(って言うか姉妹)は馬鹿を極めてるかもしれない!って言う意味? ↓ 烈「ぺったんぺったんつるぺっタン♪」 烈「ぺったんぺったんつるぺったん!」 惠「お前のこと言ってるぞ」 例によって、いつの間にか来た惠ちゃんが要らないツッコミを入れていた。 未夢「うがー!ちがーう!」 惠ちゃんに殴りかかった。 惠「言ってるの私じゃねぇよ!」 烈「私が通常でないことをたまに言うのは、通常であると言う状態が嫌いだから」 烈「そんなものは他人に任せておけばよい」 烈「自分にしかないのなら自分にしかできぬことをいい形で世に表せばいい」 烈「それを否定するのはその辺の人間、これを拾ってくれるのは見識のある人材」 烈「自分があえて愚かな発言をすることで、それに対する反応を見て」 烈「相手がどんな人物であるかを見定める一つの方法とするのだ」 惠「超絶めんどくせぇやつだよそれ」 烈「それで欠点をつつく人はスルーすることにしているのです」 惠「ああ、はいはい。勝手にやっとくれ」 烈「相手が異様なことを言った時のリアクションと言うものは、その人の本心を垣間見られるものです」 惠「じゃぁあたしと紅瀬は相容れないな」 烈「…許して下さい」 烈くんが涙目で許しを惠ちゃんに請う。 惠「そういえばもう週末だが、未夢は明日何して過ごすんだ?」 烈「私はね、たくさん予定あってやることを一つずつ終わらせようとは思うんだ」 惠「…聞いてないけど、聞いてやるよ。それで、何すんだ」 烈「まず部屋の片づけて〜、家計簿つけて〜」 未夢「烈くんが家計簿つけてるの?」 烈「うん、そうだよ〜」 未夢「へぇ〜それは素晴らしい」 烈「あとリカバリディスク作成して〜。万が一パソコンが壊れたときのために」 烈「さらにホームページ作って〜」 烈「すぐ終わることでもめんどくて放置してたけど、明日明後日やるよ」 未夢「いいことじゃん」 烈「明日は用事で時間ないので、日曜日に買い物行って、本屋行って」 烈「あと暖房のフィルタを掃除して」 惠「へぇ〜。えらいなお前」 烈くんは、ニコッと笑う。 烈「あと来週はパソコンのセキュリティソフトのアップデートをして〜」 烈「とまぁ遊んでる暇なんてありませんよ」 惠「いや、ある意味めっちゃ遊んでるだろ…」 烈「最近はゲームがしたくてたまらなくなってきて軽く中毒というかノイローゼ」 烈「だいたい君のことばかり夢中んなって、僕は軽いノイローゼ〜♪古っ」 惠「自分で突っ込むな」 烈「いつでも、やることばかり考えるようになってしまったよ〜。やばい」 わたしも、わたしのやるべきことを考えないと。 わたしのやるべきこと…? ============================================================================================ 昼休み。給食食べた後、教室に戻ってきた。 【烈(lll´д`)顔】 烈「ぁ〜ぅぁぅぁ〜」 未夢「うん?なに?どうしたの? 烈「最近の私の調子を表すとこんな感じなの」 烈「いい子ちゃんぶってるぶりっ子ちゃんがね」 【烈 ^^^ヽ(lll`v`(○=(゜Д゜+)馬鹿ー!顔】 顔の意味が分からない。 烈「些細なことなんですが、食堂の食券機に載ってる写真にはソースがあるのにさ」 烈「実際に出てきた時にはなかったから店員さんに聞いてみたら、笑顔で」 烈「『そういうことになってます♪』」 烈「ぶん殴ってやりたいよと思ってさ。まぁ他の店員さん呼んで謝らせたけど」 未夢「ええーっ」 烈「こういうことやってるやつの笑顔はすぐ作りだとわかる」 烈「もっと善心でやってほしいものです」 零「いや…もうどっちかっていうとお前が善心になれというか」 烈「どっかに、ボケを生かすも殺すもツッコミ次第と書いてあってね」 零「いや、別に食堂のおばちゃんたちはツッコミ待ちなんかしてないと思うぞ…」 零くんがわたしの思ったことを代弁した。 烈「ああ、この体と性格は疲れるわ…」 烈「喜怒哀楽が激しくてひょろひょろ」 烈「もっと落ち着いててムキムキな血筋に生まれたいよ」 未夢「自覚してるんだ…っていうかムキムキなってなに」 烈「いや〜私の人生どうなっちゃうんでしょう…」 烈「今のままだとやる事やりたいこと全て終えるのに10年かかると予想してて」 烈「10年って私何歳だ…30差し掛かってるじゃないか」 烈「その頃には子供も居てって計画が…」 烈「計画なんてそのまま進まないですが、一つの目標として努力ネタにはなる」 話が繋がってない。彼の思いはすぐ次へ移る。どれだけの速さで脳の中が回転しているのか。 未夢「そんな先のことまで考えてるんだ。烈くん、好きな子いるの?」 烈「いやーそれは…。カノジョさんはいないのです」 未夢「?」 カノジョさん、と言い換えたのは謎だけど、とりあえずいないのかな? 未夢「がんばってね」 ---------------------------------------------------- 4時間目が終わった。小テストの返却が行われた。 烈「努力しないで泣きごと言ってるやつはどこのどいつだ〜い?」 烈「私だよ!!」 未夢「しようよ…」 烈「最近誰も来ないなぁ〜外部からリンク貼られるほどなのに」 さっそく遊びの話題に入っていた。 烈くんはケータイで自分のホームページを覗きこんでいるようだった。 烈「更新内容の出来が悪かったんですかね…雑魚って罪ですね…」 烈「もし中国・秦の始皇帝時代に」 烈「将来の食物が足りなくなる不安を恐れて、この世の役に立たないやつは生き埋めの刑」 烈「なんて粛清が行われたら私は死刑の一部に入ってしまう」 未夢「ならないならないから大丈夫」 烈「私は時々こんな邪悪な思考を持ってしまうのです…」 烈「ダメなやつは死ねと」 烈「それを常に自分に突きつけて生きている…」 烈「人はとてつもなく深い業を背負った生き物であると感じている」 未夢「そんなに自分を冷たく責めなくても、次いいことあるよ」 烈「うう…未夢さんありがとう」 烈「でも帰ったら怒られるんだろうなぁ」 烈「説教もほどほどならありがたいが、度が過ぎるとうざいよね」 未夢「うざいとまではいかないけど…ちょっとがっくりするよね」 昔に説教されたことを思い出すと、確かにちょっとくどかったかもしれないけど。 烈「もう知ってることを、ありがたいと言えと言わんばかりに何回も同じ説明したり」 烈「もう知ってるー!といえば『後は自分で苦労すりゃええわ』とか言う始末」 烈「飯がまずくなるよ」 未夢「うんうん」 彷徨に言われたことを木霊式に思いだしていた。 烈「こりゃ年取ってる証拠かね…」 烈「年老いると同じ説教を何遍も繰り返したがると言うがそのとおりかもしれない」 未夢「親御さんが?」 烈「そうそう」 烈「そんなわけで、家に戻って毎日これだったらまた頭がおかしくなりそうだ」 未夢「また?」 烈「あっ、ううん、何でもないよ。あははっ」 烈「とにかく受験勉強、資格取得、やることたくさんだぁ…」 未夢「そうだね。がんばろうね」 烈「おー!」 ------------------------------------------------------------------ 5時間目が終わった。 前の席の烈くんが、授業中やたら体をうねうね動かしてた。 烈「うー。もう全身虫でも這い蹲ってるかのようにこそばゆい…かいーの!」 烈「寝てる間とか全力でひっかくもんだから、かゆみ通り越して痛くなってる」 烈「起きたら血の斑点だらけ!ってことも」 未夢「うわー。大丈夫?」 烈「これを防ぐために、予め絆創膏を張ったりするとその周りが酷いことになっていると言う始末」 烈「しばらくは塗り薬塗ってこの中途半端な地獄に耐えるしかないのです」 未夢「大変だね…」 烈「友達は私より酷くて、毎日石鹸洗いアンド塗り薬しないと翌朝自分によって大怪我していると言う」 烈「誰か両手足縛って抑えてやんないと」 未夢「アトピー?不治の病らしいね…」 烈「私は治ったかと思ったら症状が軽い方で出てこなかっただけで」 烈「よもや今頃また出てくるとは思わなんだ」 烈「小さい頃はもう片足なくなってもいいやとか思えるぐらい酷くて」 烈「成長してくるとパワーがつくもんで、100%中の100%でばりかかれると、うぎゃぁで」 烈「でも目覚めない自分。快感だとでも思ってるのかな。ドMか」 自分で突っ込んでいた。 烈「中学時代にできものが酷くなったときも相当悩んだんだよ」 烈「治る方法調べて、超自然水なるものを購入しようと思ったが高いし没」 烈「それよりかは普通の野菜を普通の量くらい毎日採って、毎日石鹸で洗顔してたら治ったけどね」 烈「普段の行いは大事だな〜と思って」 未夢「烈くん、顔キレイだもんね」 烈「節穴かっ」 また怒られたのだった。 ============================================================================================ 6時間目が終わった。もう帰る時間だ。 烈「あー眠い。今日は洗濯掃除済まして早めに就寝。最近は夕方になると眠い…」 烈「てゆーか、最近日記がつまらない。と言うかいつまで経っても何の進展もない」 何が、というか、なのかわからなかったが、特に突っ込まずスルーした。 未夢「烈くん、日記書いてるんだ。進展って?」 烈「いやーやりたいことが全然進んでないからね」 未夢「?」 烈「ショートストーリーを作ってるんだよ」 烈「ケータイ用の小説だよ」 補足してくれた。 烈「ある放課後の会話を書きたいのだけど、上手く思い浮かばなくて」 烈「適当なのなら思い浮かぶんだけどね」 烈「それでは試しにいってみよう」 烈「ちなみにセリフ作ってあるから、未夢さんやってみてよ」 未夢「ええっ。なんでわたしが」 彼の提案はいつでも唐突です。 未夢「え、これわたし一人?」 烈「じゃぁ零にも手伝ってもらうよ」 零「んぁ?」 机に突っ伏して寝ていた零くんが、机に脚本?というかプリントを渡されて起きた。 零「なんだ?」 烈「これ。未夢さんに話しかけられたら、これのセリフを言ってね」 零「ああ…」 零くんは眠気眼で、逆らうのも面倒くさそうにして了承した。 惠「なんだなんだ?演芸か?」 烈「武乃邑さんも、はい」 惠「え?え?なんだ未夢これ?」 そうなるよね。 烈「烈くんが作ってる小説の一部だよ。何故だかキャラの役回りをすることになっちゃって」 惠「なんでしぶしぶ了解してるんだよ」 だよね。 惠「まぁいいけど」 未夢「いいんかい」 烈「零、最後のナレーターもやってね」 零「…」 嫌そうに、しぶしぶうなずいていた。 烈「じゃぁスタート!」 未夢「うー、こほん…」 未夢「ええと、放課だよっ」 零「お前は俺の保護者か」 未夢「え?」 零「毎回言われなくても毎回わかってるっ」 未夢「そんなに怒鳴らなくても…」 惠「そうそうっ、未夢は、西遠寺が好きなだけなんだからっ」 未夢「ちょっと、惠ちゃんっ」 零「…」 惠「…何?」 未夢「いや、なんでも…」 零「今更ながらに照れくさい2人だった」 なんか最後、シュールだ。 烈「カーット!いや、イイ!」 惠「っていうかこれ、いつもの私たちのやり取りじゃないか?」 未夢「しかもこのシーン、惠ちゃんが烈くんを初めて見にきたシーンじゃん!」 彷徨役の代わりが零くんだったけど。 烈「アハ、バレた?てへぺろ。しかも今のケータイで録音しちゃったよ」 惠「てへぺろじゃねー!」 ボグッ 烈「あだっ」 烈「まぁ、今のはてきとーな記憶からてきとーにささっと作ってみたものなんだけど」 烈くんが鼻血を拭きながら言う。 烈「みんなわかりやすい性格してるからさ」 わたしたちは、烈くんの中で確立した個性のある人というのが形成されているようだ。 烈「でも自分の話だと上手く書けなくて…」 烈「でもこれを未夢さんと西遠寺くんに当てはめると…零、ここの部分読んでみて」 零「未夢、放課だよ」 ドキッ。 惠「うわっ、キャラ違ぇ!ような気がする!」 烈「これでは皆さんのイメージを壊してしまう」 烈「そんな悩みもありつつ、一行書くのにも四苦八苦であります」 烈「さてどうしたものか」 今のは普段とのギャップで、びっくりした。 惠「てゆうか、私たちをネタにすんな」 烈「いやー、だって身近にこんなに楽しい環境があるんだからさ、利用させて下さいよ」 惠「いやそれはそうかもしれないが、思いやりは持て」 烈「はいはい。やる気で挽回しますよ」 ビミョーに話が繋がってない。 烈「自分のことぐらい自分で世話しろってことですかね」 惠「何がどうしてそうなった。まぁそれは言えてるけどな」 烈「そう思ってるんじゃん」 惠「とりあえず、今日はもう帰ろうぜ」 未夢「あれ、惠ちゃん部活は?」 惠「今日は休みだよ」 未夢「じゃぁ、バイトは?」 惠「ん、今から」 未夢「なるほど」 烈「バイトで、失敗した時にこんな事言われましたらどうする?」 烈「お前もう駄目だね、うん、要らねーや」 烈「だってじゃぁお前、知らない間に知らないところから貯金どんどん落とされてたら嫌だろ?」 烈「それと同じだよ、辞めさせられても文句言えない自業自得だよ」 烈「質問にしても頓珍漢だし覚えないし」 烈「うん、要らない。役に立てないなら明日から来なくていーよ」 烈「お前よりいいやつ他にたくさん居るし」 烈「ご苦労さん!」 烈「こんな感じ」 惠「どんだけネガティブなんだよ」 惠「っていうかあんまりダメだやつだと、いわれてしまうかもな」 惠「でもそこまでダメなのいないと思うから、それ言ってたらさすがにヒドイと思うけどな」 烈「じゃぁ、武乃邑さんはちゃんとやれてるんだね」 惠「ん〜、多分やれてると思うけどな」 なんだろう。烈くんの目は惠ちゃんを羨ましがってるようにも見えた。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 途中までみんなで一緒に帰ることになった。玄関に差し掛かる。 烈「あーもー」 未夢「どうしたの?」 烈「スリッパで床擦ってる音が気になる・・・」 零「スリッパはそういうものだ…仕方ないだろ」 烈「うー」 烈くんはケータイを取りだす。 烈「最近ニュース記事に個人の感情が入ってうざいなぁ〜」 未夢「うん?何見てるの?」 なんだかんだ、烈くんの言葉に構ってあげてしまう。 自分でも甘やかし過ぎというか、世話焼きなのかなって思う。 覗くと、ケータイでニュースを見ているようだった。 烈「例えばこれ、最後のほう!」 烈「ニュースは事実さえ知れれば個人の感情なんか必要ないので入れなくていいのに」 烈「最近のは、マスコミさんがあることないこと書くみたいに皮肉的で嫌だ」 わたしもちょっと前、そう思ってたことがちょうどあった。 烈「別に私はこの人のファンでもなんでもないんだけど」 烈「こういう風に書かれると本人でなくてもやな感じだよね」 未夢「確かにそうかも…」 烈「この筆者には、そんなに金が欲しいなら人を皮肉る前に努力しろっての」 烈「そんなだから稼げないんだお、とでも言ってやりたい」 だお、って。 みんな、弱いのだ。 努力が辛くて、ついつい人を蹴落としたくなってしまう時があるのかもしれない。 烈「少子化になって人材も少なくなってるのかなぁ」 烈「人が少なくなったら、助け合う数も減っちゃうよね」 烈「迷惑を承知で助けを求む。親の知人がこういうことがあってさ」 烈「突然親が亡くなったとか」 烈「生前家を任せると言われたが私はどうすればいいのかーって訪ねてきたんだ」 未夢「それは大変だね…」 烈「もし親が無くなって、わからないことがあったらどうしようね」 烈「そうならないように勉強、もしくは人脈はあったほうがいいよね」 未夢「そうだね」 烈「例えば生まれたばかりの子供とか」 烈「結婚はしっかり考えないと墓場だよね」 烈「友達じゃないんだから、相手の癖や弱点をどれだけ妥協できるか」 未夢「そんなに先の事はわからないよ〜。今勉強しなきゃね」 でも昔、ママに『今もお友達とご交流とかあるの?』みたいなことを聞いたことがあったけど。 答えはノーだった。家族を持つとそうなっちゃうんだ…。 でもそれはそうだ。30〜40で家族持ってる人が、友達といちゃいちゃなんてあまり聞いたことない。 結婚しないならしない同士で遊ぶのだろうけど…。 でも自分は兎も角、相手が結婚したらいくら大切に思ってても疎遠になっていくのかなぁ…。 その時になってへこまないようにするために、意識が変わってしまうかもしれない。 冷たくなるのは、最悪を迎えた場合の己を哀しみから守るが為。 逆に自分も結婚すれば親戚みたいな感じで人脈が広がるのかも知れないけど、会わない限りはないのかな。 烈「あ、これ見て!零!今週のこの漫画の情報!」 烈「先週の時点で、このキャラ死んじゃうかも〜って思ってて」 烈「今週で、あ、やっぱり死んじゃった…と思ったら左腕から光とか」 烈「死ななくて良かったけどご都合主義」 烈「まさかこの伏線まで考えて初期の頃に主人公に腕落とさせたんじゃないだろうな〜って」 烈「単なる偶発的な場合わせだとは思うけど」 ちょっと考えてる間に、烈くんはまたケータイで何かのページを見てた。 ホント、忙しない子だ。 ============================================================================================ 烈「今日は、西遠寺くん、いなかったね」 ぴくっとした。 烈「未夢さんは…寂しくないの?」 未夢「寂しいよ。でも、ごまかしてるだけだよ」 未夢「彷徨を信じてるからがんばれる」 未夢「それだけだよ」 烈「いいなぁ。信じられるものがある人は強いよね」 烈「私も、零が居るから大丈夫っ!」 零「俺は大丈夫じゃない」 烈「ええっ!そこは大丈夫って言おうよ!」 烈「…未夢さん、無理しなくていいんだよ」 びくっ。 今日、初めて話しかけられたかのように、心に刺さった。 烈「今日の未夢さん、いつものようでなんかおかしかった」 烈「最後に聞いたら意味ないけど、あの後、西遠寺くん、大丈夫だった…?」 烈「未夢さん、何も言ってこなかったから、もしかして忘れたいのかと思って、調子合わせたけど」 烈「未夢さん、ずっとぼーっとしてた気がする。返事はするけど、心ここに非ずみたいな」 未夢「…!」 思い出した。 忘れていたのだ。意識的に?無意識的に? 未夢「彷徨が…死んじゃうよ…!」 烈「え…ええ?私じゃないけど、真面目な話が急すぎ。どういうこと?」 事の次第を説明した。 烈「…」 未夢「わたしには、何もできないよ…!」 烈「…そんなことないよ。傍に居て、手を握ってあげて。きっと西遠寺くんもそうしてほしいと思ってるよ」 未夢「…ところで、昨日はどうして烈くん居たの?」 烈「あれは…未夢さんたち、喧嘩してたっぽいから心配してついて行ってたんだ」 烈「思わず階段登りきったら、未夢さんの悲鳴と知らない人が」 未夢「そういえば、あの時の、変なペットみたいなのは…?」 烈「ああ、あれね」 烈「私を探しに家から出てきちゃったんだよ、仕方ない子だよ」 烈「…誰にも内緒だからね。多分、宇宙人なんだ」 ドクン。 宇宙人―――。 単語としてはありふれた言葉の一部なのに、その言葉を、わたしたち以外から聞くとは思わなかった。 烈「だってそうでしょ、あんな不思議な生物、地球上の生き物じゃない」 烈「それに…」 未夢「…それに?」 烈「…これ以上は未夢さんでも内緒。危険かもしれないし」 未夢「…」 そのことは何となくわかった。何が危険になるかもわからないし。 未夢「じゃぁ、烈くんが浮いてたのは…?」 烈「えっと…言わなくちゃダメ?言わなかったら警察に漏らす?」 未夢「別にそんなことないけど…」 烈「…また今度機会があったら話すよ」 何か深刻そうだったので、それ以上は聞かなかった。 烈「とにかく、西遠寺くん、危ないんだ…」 烈「…」 烈くんは考え事をしていた。 未夢「…烈くん?」 烈「西遠寺くんは、48時間会えないんだよね?」 未夢「昨日、そう言ってた気がするけど…」 烈「じゃぁ、月曜、お見舞いに行くよ」 お見舞いに対応できる状況かもわからない。 それを知ってか知らずか、無邪気な烈くんの笑顔が、今はありがたかった。 未夢「…うん」 対応できるようになってるように、祈るしかない。 烈「それじゃぁね、未夢さん。元気、出してね」 零「…」 手を振っていた。わたしも振り返した。 彼らの姿が見えなくなる頃、わたしは手をだらんと下げた。 隣にはいつもいるはずだった存在が居なかった。 無意識的にか、いつの間にか病院に来ていた。 真っ暗だったけど、中のところには人がいた。 未夢「あの、西遠寺彷徨さんとの面会をしたいんですけど…」 女性「西遠寺彷徨さん?今調べますね」 …。 女性「…あー、西遠寺さんは今は面会できない状態ですね…明日なら可能かもしれません」 …重い言葉だ。 未夢「それじゃあ、せめて部屋番号だけでも教えてくれませんか」 女性「入っちゃダメだからね。番号は…」 病室の前まで来た。 辺りは真っ暗だ。 冬至は過ぎたとはいえ時間も時間。 太陽は山に隠れ、院内も静まり返っていた。 けど、ここだけやけに静かな気がする。 入っちゃダメと言われたけど、ドアに手をかけた。 ガチャ、ガチャ。 鍵がかかっている。 あは。そりゃそうだよね。 …この向こうに、彷徨がいる。 未夢「…彷徨?」 当然、返事はなかった。 この向こうに、彷徨がいる? ここは病院。 なんでだろう。そんなわけない。 現実がおかしい。わたしがおかしいんだろうか? 彷徨はどこへ行ってしまったのだろうか? また、異次元空間とかで飛ばされただけで、ぽっと戻ってくるかな。 そうだよ。きっとそうだ。 けどその楽観は1秒でなくなった。 未夢「彷徨…彷徨彷徨彷徨…!」 気が付くと、子供の様に泣きじゃくるだけだった…。