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====================================== 嫉妬 ======================================
虹の橋を追いかける。そこには"笑顔"があった。
何の笑顔なのかはわからない。ただ、幸せがあるような気がしただけだ。
何の笑顔?人?動物? 怖い人かもしれない。動物だったら、ライオンかもしれない。
ライオンの笑顔ってどんなの?
よくわからない思考が、脳を廻った。
明日の音 -sound of tomorrow-
そこからは鈴の音と、"可能性"の音が聞こえる。
それは擬音では言い表せない、不確かな音。
でも僕にはその安らかな音色が聴こえる気がする。
その方向へと歩き出す。
その先は、光りか闇か?未来か過去か?
それは誰にも、わからない。
=============================================== 嫉妬シーン ==============================================
烈「ヤバィっ!昔好きだった子に好きな人ができたらしい」
未夢「何?突然」
しかし、今までのネタとは打って変わってかなり興味深いものだった。
烈「それだけならまだいいの!」
烈「その人、恋に挫折したことがあるらしいのでしばらくは時間を置こうと思って」
烈「他に誰かできても本気じゃないだろうとか思ってた」
烈「けど、人を信じてみようと思うとか言ってちょっとやる気みたい!」
がーん!というような顔で言う。
でも、どういうことだろう。
好きな人が、他に好きな人を作ると思っていなかったからびっくりってことだろうか。
烈「どうやらその彼氏方が『悪女でいいから』とか言ったらしいのに影響され始めてるみたいで」
烈「なんか最近メールでの言葉がちょいヤンキーっぽいの」
未夢「へぇ〜。その子とはアドレス交換できてるの?」
烈「それはね」
そういって目をつぶる。
未夢「へぇ〜」
意外だった。片思い的な感じの気がしたので、連絡先とか知ってないと思ってたのだ。
烈「変わらないと思ってたけど…」
烈「間近に居るのと居ないのとではやはり影響力が違うんだと言う事を実感した気がする」
未夢「え?その子、近くに住んでるんじゃないの?」
烈「ちょっと県外に引っ越しちゃってね。遠いから会いに行くのにお金がたくさんかかるし」
烈「気軽には会いに行けないなぁ」
結構マジじゃん。
烈「やっぱりある程度は強引に行っちゃうのがいいもんなのかなぁ…」
烈「好きな子も、面で攻められたら断れないとか言ってたしなぁ」
烈「友達も彼女さんに、もうちょっと積極的になってほしかった、とか言って振られてるらしいし」
烈「そんなもんなんですかね?」
未夢「えっ。そ、そんなこと言われても」
どうなんだろう。なんかちょっと考えちゃった。
彷徨とは今のところ何もないけど、もし強引に迫られたら…。
烈「でも遠いんで強引に行こうとしても普通に断られたら、手出しも何もできないと言うのが現状…」
やる気満々じゃないですか!
惠「彼氏彼女…突然そうなったこともあったし、いつか分かれるだろうと言う事を認識しつつやってた」
いつの間にか惠ちゃんが来てて聞いてたみたい。
惠「遊びではなく、一時的にでは合ったがその時はお互い本気で」
惠「最後はやっぱりちょっと修羅場って言うか泥っとしたけど」
惠「あたしにもそーいう時期があったなぁ」
いきなり大暴露。今度色々聞きたい。
烈「特に近しい人が最近できたみたいだけど、なんかあまりにも簡単にいきすぎな気がする」
烈「その中にはごたごたもあるんだろうけど…」
烈「苦しめとは言わないけど、そんな簡単な恋があっていいのかとか思える」
烈「実際は簡単ではないかもしれないが、端から見ててそう思う」
嫉妬満々じゃん。病んでる。
烈「私は始め、もしできたら報告しないと思ってた」
烈「なんて言うか…自慢たらしく報告するものではないと思っていたから」
烈「しかし報告されたときに、なんか考えが変わった」
烈「まぁその時の報告の仕方がたまたま良かっただけかもしれないけど…」
烈「逆に、こそこそやってる方が、裏切りっぽいし」
烈「何が裏切りなのかよくわからないけど。まぁ素直な感情的ね」
烈「まぁプライベートを暴露するとは言わないまでも、近況報告を雑談ネタ程度にはするべきなんだろうと思う」
惠「その考えは何となくわかる気がするなぁ」
烈「ということで、もし私にカノジョさんができたら、零に報告するね!」
最後は笑顔になっていた。
零「別にいいぞ…そんな気を遣わなくて」
横で聞いてたらしい零くんがそうつぶやく。
烈「そんなこと言わずに」
惠「つか持ってる人は、持ってない人に対して、持ってない人にはできないような話はさ」
惠「なるべく気をつけて欲しいなーと思う」
惠ちゃんがニヤっとした顔でこちらを見ていう。
惠「精神すり減らすのめんどくせぇなとかはちょっと違うよね。そこは気を付けてもらわないと!」
惠「つかノロケはいいけど、余裕あるなら紹介してくれ!って勢い」
わたしの首に手を回して惠ちゃんは言う。
未夢「ちょっと〜惠ちゃん。わたしはそんなんじゃないってば」
烈「さて、行動しないとね…」
烈「とにかく、上着と財布を買い換えるべきとその子に言われた」
そういって烈くんは財布を取りだした。ところどころボロボロだ。
烈「私服はぷーなだし。財布はテープ補強だし。そらいかんよね」
烈「今度絶対買お…」
惠「うーん、私は中学生時代のとき、小学校のときの友達に続々と彼氏ができ始めてきた」
惠「友達のノロケ話を聞くたびに、あたしも紅瀬が言うような事を思ってたけど…」
惠「恋愛に少しは積極的になれた自分がいたよ」
惠「服装とかも気にするようになったし」
惠「中学生時代も自分なりには恋愛頑張ってたんだけど、2回失恋したね。ハハ」
こんなことを思っては悪いかもしれないけど、よもや惠ちゃんがそこまで行動していたとは驚愕に値する。
わたしなんか、偶然彷徨に出会えて、そのままとんとん拍子で仲良くなって…甘えなのかもしれない。
もしわたしと彷徨が全くの他人で、周り同様彼にあこがれていたとしたら、そこまで行動できただろうか?
惠ちゃんを尊敬するのだった。
烈「だから、これは言わなければならないかな…」
烈「こういうことは、自分が持ててないときにされると嫌だからしないと思ってたし」
烈「確定で進んでるわけでも責任を負ってるわけでもないから言いたくないのだけど」
未夢「いや、無理しなくてもいいよ」
惠「未夢が聞くの嫌だって言ってるぞ」
未夢「そんなこと言ってませんが!」
惠「遠まわしにそう言ってるようなものだろ」
烈「でも、隠れてこそこそやってるようなのは嫌なので言っておきたいと思う」
烈くんの中で話が自動的に進んでいた。何かを決心したらしい。何を言うのか…。
烈「と言うかプライベートだし別に言わなくてもいいんだけどね」
烈「普通に楽しかったことだし。何を思うかは聞いた人次第ってことで」
惠「はいはい。で、なんなのさ」
烈「その子とは初詣に遊びに行ってて」
未夢「ええー」
さっきの話と違う。進んでたんジャン!
惠「驚愕の事実だな。未夢、明日は大雪が降って学校行けないかもだぞ」
烈「酷いです」
烈「まぁ、年末にノリでメールしてたら何故か行く事に…」
早い話が、軽くデートだ。
烈「手お清めして、お金投げて、おみくじ引いて、屋台食べ歩いて…」
烈「その後はジャスコ行ってウィンドウショッピングしたりUFOキャッチャーしたり」
烈「ホッケーしたり、飯食って話したりカラオケ行ったり、普通に楽しかった」
惠「未夢。なんだかムカついてきた。よくわからんのでこいつを殴っていいですか」
烈「エエーッ」
未夢「まぁまぁ惠ちゃん落ち着いて」
烈「で、でも相手は、楽しかったですー、でも恋人はNGですーって感じだったよ」
烈「そうは言ってなかったけど、そう感じ取れた」
烈「確かに楽しかったけど、これ以上進まないなんてある意味生殺しだぜ?ベイベ??」
惠「お、お前は何を言ってるんだ」
でも、その感情はある意味わかる気がした。
烈「踏み切ったら相手は断り切れないとか言ってたから、行ったら行くとこまで行くんだろうけど…」
烈「罪悪感が募ってできません。鬼畜にはなりたくないし」
烈「いくら男がそう言うものだからと言っても人によるし、順序があるね」
烈「喚(わめ)かれると逆に興奮するかもしれないけど」
惠「なんか話が生生しいぞ。鬼畜かこいつは」
今ばかりは惠ちゃんと同じ思いだ。
烈「ま、まぁでも相手も色々がんばってる最中だそうで」
烈「何かに夢中になっている姿が魅力的だからこそ、遊びたいし話したい」
烈「元から変な方向求められてたらこっちからお断りだったかもだね」
烈「そう言うのは2の次。まずはお友達たくさん作る事から」
烈「でもまぁ正味な話、欲望の気持ちと普通の冷静な考えがごちゃまぜで複雑です」
惠「ふーん。まさか紅瀬にそういう趣味があったとは、天変地異並みの驚きだよ」
烈「私だって男の子なのです!」
そう言われると、そうなのだがそういう感じに見えないので面白い。
烈「相手の人も色々あって、親に怒られてるそうで。で、こう教えたよ」
烈「もうなんか私は最近は色々注意されても無視するようになったと」
烈「無視されたくないからしなかったんだけど…相手するのがめんどくなって」
烈「ある意味開き直りだけど、自分だけの魅力や個人を捨てたくは無いよね」
惠「でも、素直に受け止めないといかんこともあるぞ」
烈「うーん、みんなの中に、協力に混じる事も大切だけど」
烈「それを踏まえて尚あえて個人を捨てるような事はしなくていいと思うんだ」
烈「今までその性格で居て気に入ってくれる人も居るんだし」
烈「逆に、この少数な性格を認めれない奴の方が度量が狭いと思うぐらいの気持ちで居られれば」
烈「悪く言えば自己中とも言うけど」
惠「それはそれ。これはこれ。まぁ叱られてる内容にもよるけどな」
烈「これがいけないことだとは思わない。と言うか思ってたら言わない」
烈「確かに直すとこは直すべきなのだろうけど、イライラするようなら直さなくていいと思う」
烈「そう言うのは気が向いたときで」
惠「時に紅瀬よ、告白はしたのかい?ん?どうせしてないだろうけど」
惠ちゃんがニヤっとしながら烈くんの肩に肘を置いて言う。
烈「えっと、もうしてるよ…」
未夢・惠「「エエエエエエエエエエエーーーーーーーー!!!!!」」
こやつ、油断ならぬ男だ。
惠「こやつ、油断ならぬ男だ…」
一緒の事を思ったらしい。
零くんは、わたしたちの声にびっくりしたのか、寝た姿勢のままぴくっと動いてた。
惠「一体いつの間に…」
烈「って、私の経過事情知らないでしょうっ」
惠「その話、詳しく聞かせなさいよ」
人の事情に踏み込むのはいけないと思いつつもその事情を知りたい気持ちは拭えない。
今は、誘導尋問を惠ちゃんに任せることにしよう。
汚いことを人に任せる気がして、引けたけど。
惠「いつ、どこで知り合ったの」
烈「えと、知り合ったのは ネットの某所で、メールを始めたのは知り合ってから一年後で」
烈「それからメールは2年続いて…告白したけど」
惠「…未夢、こいつやべぇぞ」
烈「でも、返事はNOだったよ」
惠「ですよねーっ」
なぜか嬉しそうに言う惠ちゃん。
烈「でも、私は凄く気持ちが良かったんだ」
烈「人生初の告白だったからね」
烈「伝えた方法は、最初はメッセだから、電話とかリアルじゃないけど…」
それでもすごいことだ。
惠「顔も合わせてないってことか?告白したって、なんで好きになったんだ?」
烈「2年メールしてて、色々楽しかったから、かな」
烈「気が合うと思ったから」
烈「もっとあの人のことを知りたい」
烈「色々やって、馬鹿なことで笑いたい」
烈「商店街へ行って、色々と服を見ていたい」
烈「色んなところで遊びたい」
烈「笑いたい」
烈「そう思ったから、かな」
これはもう、素直に純粋な恋愛の気持ちだ。
惠「でも、それなら友達ででも可能じゃないか?」
烈「友達のままでは、いくら楽しくても、それ以上は何もないんだ」
烈「貪欲だって言うと汚いけど…やっぱり人は、幸せ以上の幸せを求めていいと思う」
惠「なんかこいつに説教されると頭がしびれる」
烈「なんでよっ」
未夢「あっはは」
烈「未夢さんも、笑わないのっ」
未夢「あは。ごめんごめん」
烈「どうして結果がいけなかったのか」
烈「その人の言い分は、納得のできるものだったよ」
烈「向こう側は、私をそう言う視野に入れていなかったのだと」
惠「まーそりゃーそーだろーなー。向こうもびっくりしたと思うぜ」
烈「私はこの答えに納得してた」
烈「と言うか、この答えが返ってくることを心のどこかで、確信してた」
烈「この確信を裏切って欲しかった」
惠「なんで確信していたのよ」
烈「私がそう言う振る舞いをしていたから」
烈「なんでそう言う振る舞いをしていたか」
烈「嫌われたくないから」
烈「この、今の、今現在の私の性格は、多くの人に受け入れられる性格だから」
烈「もちろん、それだけ逆に多くの人にも嫌われているかもしれない」
よくわからない。
彼の本当の性格は、まだわたしたちに見せていないということだろうか…?
烈「けど、この性格で受け入れてくれる人たちは、いい人ばかりだから」
烈「理屈屋で偏見だけど…これは紅瀬 烈と言う人間の一つの考え」
惠「ふーん。で、相手はあんたのことをどう思ってたのよ」
烈「結果的に相手の人は、私が嫌いなわけではなく、むしろ好きだと」
惠「ほーう」
烈「でも、恋人としてはその気ではないと言ってた」
烈「そして、私も、おそらくはそう言う目で見ていないとわかってた」
烈「今更告白する気になったのは、なんでかな…」
烈「久しぶりに会話をしたり電話をしたり、で気持ちが高ぶって?とか?」
惠「あたしたちに聞くなよ」
烈「あと色々しゃべりすぎたりで、疲れて酔っていたからかな」
未夢「お酒、飲んでたの?」
烈「いやいや」
惠「自分に酔ってたとか?ナルシストか」
烈「そんなんじゃないよ。でも、まぁとにかく酔っ払ってたんだよ」
烈「自惚れかな」
そういう言葉が合うかのように烈くんは言った。
烈「返事がNOな理由は色々あって、それも私は納得ができた」
烈「お互いは、リアルで会っていないけど、メールを続けて性格も気も知ってるし」
惠「そうか〜てか、会ったことないやつ好きになったんかい!?」
烈「でも電話で声も知ってるし、写メで顔も知ってるよ」
惠「そうかもしれないけどさぁ…」
烈「だけど、相手はまだ会いたいけど、ネットで知り合った人に実際会うのが怖いからと」
惠「まーそりゃそう思うよな。あたしでも怖い」
烈「私も、向こう側の立場で考えれば、向こうの相手が好きだというのが上っ面で」
烈「ただ会いたいためにいい人を演じてて、会ったら刺されるかもしれないとか」
烈「そういう不安も一理あるだろうし」
惠「いやそこまでは思わないけど」
烈「あと…まだ中学生だったし」
惠「いやぁ、なんだかよくわからんが、今も大して変わらんだろ」
烈「酷いのです」
烈「まぁ、相手が年下だったので、怖がらせちゃいけないかなって」
未夢「なるほどね」
ちゃんと気を使っていたんだ。
烈「今まで生きてきて、気の合う異性なんてのはそうそう見つかるものではない」
烈「それを考えたら、年齢とかは関係ないけど」
烈「自分で言うのもなんだけど」
烈「私が好きになったのは性格にあるのだから、この気持ちは純粋だと思う」
惠「ホントによく言うわ。なぁ未夢」
未夢「う、うん」
わたしは別のことを考えていた。
気の合う異性なんてそうそういない、か。
わたしは色んな人とお付き合いしたわけじゃない。
けど、彷徨と両想いになれた。初恋で実ったのだ。
だから、すごい有難いことなのだと思った。
烈「相手の人はこれまで色々な人と会ってきたみたいだけど」
惠「中学生の時点でどれだけ彼氏作ろうとしたんだよ」
烈「違うよ、お友達だよ」
烈「相手の人自体が恋に恋してて、相手の恋人と恋をしてなかったみたいだから」
烈「それで結果的によくない形で終わってたみたいで」
烈「今また私とそう言う関係になりたくないから、と言うようなことも言ってた」
惠「脈アリじゃん!」
烈「これは振られてることには間違いないんだけど、それでも嬉しかった」
未夢「なんで振られてることになるの?」
烈「要するに、私との繋がりを断ち切りたくないと言ってくれたんだよ」
烈「それはつまり、ずっと友達だと…」
未夢「あ…」
そういうことになるのか。
烈「繋がりを断ちたくないのに恋人になれないのは何故?と言う疑問は浮かぶと思うけど」
烈「そう思ったらこれは私の傲慢なのかなって」
烈「いくらか正当な理由はあるだろうけど、気持ちは全て理屈で言い表せるものではないし」
烈「相手がそう言う気持ちなら、恋人になることを強要する必要もないと思ったんだ」
惠「まぁ確かに…でももったいなかったな。いけそうなんじゃん」
烈「私は振られたけど、初めて告白できたし」
烈「恋人ではないにしろ、お互い友達として好きなことを確認できたのが、嬉しかった」
惠「振られたって決めつけんなって」
烈「でも、異性の親友なんて珍しいから、ある意味ちょっと自慢だよ」
烈「振られたけど、別に分かれたわけじゃないから」
烈「むしろ好きなのを確認できたから、 清々しかったし」
惠「なんかちょっと妬けるな〜妬く相手が違うんだけど、なんでかな〜」
烈「もし相手がいつまでも恋人ができなかったら」
烈「私が幸せにしてやるからついて来い」
烈「って電話で私が言った」
烈「がんばらないとね」
惠「こいつ、頭沸いてるぞ」
しかし彷徨に昔そんなようなこと言われた気もするぞ。
男の子ってそういうこというのが好きなのかな。
そういう烈くんはどこかカッコ良かった。
烈「夜に近場の寺で電話で話してたの」
烈「その日はお月様が見えなかったから、ちょっと寂しかったけど」
烈「最高に気持ちの良い振られ方でした」
惠「なんでなんか達成感なんだよ。でもまだ可能性はあるわけなんだろ」
烈「うん。微妙な告白になっちゃいましたけど、告白は告白です」
未夢「なんか、よくわからないけど羨ましいね」
告白して振られる。
それでも仲が良いことを確認できたからうれしい。
わたしだったら、そうだっただろうか?
自分に置き換えて少し思ってしまった。
烈「なんで告白が失敗しても気持ちよいものだったのかな…」
烈「普通、告白の状況って言うと、片方が一方的に好きで」
烈「しかもあまり連絡も取り合ってない状態で」
烈「お互いはお互いのことを想像でしかないから、告白しても成功率が低いんだよね」
惠「まぁ一方的だとな」
烈「また、失敗したときのショックが大きい」
烈「今回の私の告白は、2年もメール続けてたから」
烈「まぁある程度マンネリ化じゃないけどそういうのがあって」
烈「成功率が低いことはいくらかわかってたけど」
計画的だ。烈くん、意外と腹黒い?
烈「ここまで連絡取り合って告白していきなり分かれるのも必要ないからかな…」
烈「と言いつつ、急に連絡取れなくなった友達もいくらかはいたけど」
惠「…私のことを驚いてた未夢じゃないけど、同じ気持ちだ」
烈くんがそんなに行動派だったとは。
烈「失敗するとショックが少ないと言う刺激の少ないような告白はどうか」
烈「そう言う意見もあると思うけど、別に命綱を作って計画的に告白したとか」
烈「そう言う腹黒いわけではないと思います…」
あ、防衛線を張られた。本人にも多少自覚はあったみたい。
烈「私的恋人になる順序は、やっぱり」
烈「お互いを知り合って」
烈「告白して」
烈「恋人になって」
烈「色々笑って」
烈「結婚して」
烈「子供作って」
烈「家庭作って…」
烈「って言うものだと思う」
どうしてか、わたしのことを言われてる気がした。
何か気になって、隣を見てみた。
彷徨はどこかに行っているのか、居なかった。
わたしの目線を気にしてか、惠ちゃんがわたしを見てたと思う。
烈「これは私の一つの考えでしかないけど」
烈「いきなり告白とかって言うのも一つの手かもしれないけど」
烈「それは最終的に結びつく幸せには、届く確率が少ないと思ってる」
烈「だって、好きでもないのに告白されたって気持ちよくないだろうし」
惠「まぁ、一理あるな…」
烈「断って罪悪感しか残らないだろうし…」
烈「いきなり告白しても、何が好きで告白してるのかわかんないし」
烈「何もわからずに感情だけで告白するのは相手にも失礼だと思う」
烈「失敗すれば悲しいし、もしそれを繰り返すことに何も感じなくなったら終わりだから」
惠「…」
惠ちゃんは黙って聞いていた。自分の過去と照らし合わせているのだろうか。
烈「まぁぐだぐだ回り回って語ってしまいましたが、要するに」
烈「告白して振られたけど清々しくて、これからの関係は友達としてより」
烈「"異性の親友"として続いてる、ってことです」
それは、嬉しいのだろうか?
同性とずっと友達なのはいいかもしれないけど。
もし、彷徨と、永遠に友達だったら…。
烈「なんか、その日は一種の人生の境目のような気もしたよ」
烈「悲しいっちゃ悲しかったけど」
烈「あんなに気持ちの良い悲しみは初めてだった」
烈「いや、悲しみと言う日本語も合ってない」
烈「色々複雑な心境です」
惠「まぁ、そうなんかねぇ」
烈「私を知らない人が見たら、OKじゃなかったのはそりゃ相手がネットだからとか」
烈「そういう意見もあると思うし、もっともだと思う」
烈「私もそれを外から考えて、どうなんだって考えたよ」
惠「おうよ。実際そう思うからな。で、どうだよ」
烈「実際色々話してて、私を信じてくれてるって言うのが確認できた」
烈「お互い性格は好きだって言うのは確認できた」
烈「そして今のこの私の気持ちに嘘はない。これからも変わりない」
烈「ただ、相手がそう言う目で見てなかっただけ」
自分たちが信頼しあえてたことを確認できたのだから、他人の目線は気にならないってことかな。
烈「そう言う目で見てないって事は、友達として信頼してたってこと」
烈「その信頼は、告白してOKじゃなかった後も崩れなかったから、清々しかった」
烈「純粋な、振られ方でした」
ある意味、羨ましいと思った。わたしはそういう恋を、したことがない。
烈「このこと、決して他言なきよう…」
烈くんは、人差し指を口に当てて小声で言った。
烈「そして、これがわたしの恥ずかしい過去なのです」
惠「でも、よくぞ告白した!素晴らしい!」
惠「確かに、告ったすぐ後は確かに清々しい…」
惠「しかし、あたしの場合は1、2週間後ぐらいに感情の波が激しく動く」
惠「失恋とはそいうモノだとあたしは思う」
烈「でもなかなか微妙な告白だったよ」
烈「白状します!って言うぐらいだから、天国か地獄かみたいなもんだけど」
烈「今回は別に絶交になったわけじゃないし、まだ諦めないので!」
惠「がんばれ」
烈「恋人になるルートって言うのを色々考えちゃった」
烈「どっかの誰かさんは会って一ヶ月で告っちゃって成功と言う」
烈「ハイスピードで突っ走っていったのでそう言うのもありかとか」
烈「地道に仲良くなってから告白した方が成功率がいいとか」
烈「後者の場合は、一かばちかっぽくないので告白と言うには微妙でした…」
惠「未夢」
未夢「ん?」
惠ちゃんは小声で話しかけてきた。
惠「実は残念なんじゃないのぉ〜?」
未夢「なにが?」
惠「だってあの子、未夢に相当ぞっこんだったように思ったよ」
未夢「え、そ、そう?」
惠「…やっぱりあんたは鈍感だね。可菜にも聞いてみなよ。きっとあたしと同じこと言う」
未夢「む〜。どうせわたしは鈍感ですよーだ」
惠「それにしても意外過ぎて…く〜!」
惠「あたし、あやつに負けてる気がする!」
未夢「烈くんに負けずにがんばってっ」
惠「…未夢はいいよなぁ、すでにダンナ様がいて」
未夢「ダンナじゃないってばっ」
横を見ると、いつの間にか彷徨が戻ってきてた。
彷徨「…」
烈「ちょっと、ばらす相談とかしてないでよ」
未夢「してないしてない」
彷徨の機嫌が、ちょっとだけ悪いような、そんな気がした。
==========================================================================================================================
キーンコーンカーンコーン…
烈「さーて、帰りますかぁ〜」
未夢「そうですなぁ〜」
一緒に廊下に出たところ、可菜ちゃんが来た。
烈くんは通りすがってそのまま帰ろうとする。
烈「お疲れ様ー」
可菜「紅瀬くん、いつものとこー」
烈「え?参加しろと?いや〜帰るよ」
たぶん、図書室だろう。
お茶会じゃないけど、惠ちゃんと可菜ちゃんと3人で、図書室や音楽室をはしごしてたことがあったのだ。
未夢「結局ついてくるんだ…」
烈「いやー、帰り道だったし、流れ的に…」
実は図書室で烈くんの名前が未だ消えることがないという。
もう20日ぐらい経ってるよ。
やっぱり、転校生とか珍しいからかな?
可菜「いやー、紅瀬くん熱愛してたんだって?」
烈「え?私の過去のネタ知ってるの?」
可菜「え、昔好きな子に告ったんだっけ?」
烈「なぜかばれてるーーーーーーーーーーーー」
【烈 \(|^|▽|^|)/顔】
烈「やったね!!!!!!」
【ε=「(*^▽^)」】
烈「走る〜走るおれ〜た〜ち〜♪」
烈「個人情報流出!?」
烈「この原因はわかってます」
烈「私が帰る前に、すでに武乃邑さんが帰ったって聞いたけど、あの人には話してました」
烈「多分あの人が私の知らないところで他の人には教えてたんでしょうね」
烈「だから私や彼女がいない場所には、私の事情を知るはずもない」
そういうことのはずだ。なんだけど。
このせいで今も烈くんの名が、惠ちゃんが帰った後も延々と伝説のように語り継がれているらしい。
いまやすっかり時の人だ。
烈くんの名があそこかしこにあり、声に出されないことがないらしい。
全部黄色い意味で、言動、センスが良くも悪くも印象的だった。
この界隈には、彼にしか持ち得ないと言えるほど特徴的だったからだ。
可菜「で、これを聞いた私が、惠ちゃんの代わりにうちのクラス内にばらまく、と」
烈「内田さんまじやめろぼけーーーーーーーーーーーーーーーーー」
女の子「えっ、なになに?」
周りの人がびっくりしてた。
烈「本気で嫌がってますから勘弁してください…」
烈「いや、その地雷を撒いたのは私なんだけどね…」
可菜「私は自分の名前が出されても特に気にしないけど」
可菜「紅瀬くんの名前を聞くと、眠っていても起きちゃう」
可菜「紅瀬くん、っていう声が聞こえると、体がぴくってするんだよね」
烈「するな」
惠ちゃんは、人が凹んでるのを面白がるタイプだ。
可菜ちゃんまでもがそうなのをすっかり忘れてた。
それを烈くんの中で認識できてたなら良かったんだけど。
聞くと、烈くんにとって昔にも似たようなことがあったらしい。
烈くんが通った場所には、全て烈くんの名が消えることはないと…。
烈「人は死して名を残すと言うけど、実行されてしまったわけですか…」
烈「私は、ものすんごく仲の良い人か全く関わりのない人がだよ」
烈「私のいいところ悪いところを噂するのはずぇんずぇん気にならないけど」
烈「この中間的な存在の人に、今関係ないとはいえ、悪い噂されるのはすんごく凹みます」
これを惠ちゃんと可菜ちゃんがすんごく、他人をネタのようにしてて。
烈「私は心の底から傷つきました」
烈「明日自殺するしかない」
未夢「そんな早まらずに落ち着いてっ。惠ちゃんと可菜ちゃんも悪気ないから」
烈「いや明らかにあるでしょ!」
烈「有名人が、自分の悪口が書いてあるのを見ると嫌だと言う気持ちが今すんごくわかります」
烈「だってねぇ…知らない人から、今も、あなたが話題だよとか」
烈「紅瀬くんって凄いですよね!とか叫ばれるもん、なんて聞いたら凹むよ」
烈「しかもすごいってなんですか」
烈「こんなことをやっている人は他に居ない」
烈「その言葉で、『こと』を『いいこと』『変なこと』に置き換えてみるとわかる」
烈「いいの場合は誇らしげに思っていいけど」
烈「武乃邑さんが言ったってことは悪いとか『変』とかの意味しかない」
そんな決めつけなくても。現実は当たってそうだけど。
烈「こんなの人づてに聞いたら今もあそこで私の悪口が噂されてるのかと思うと」
烈「凹みが止まりません」
ばらまかないまでも、わたしもちょっと話題にしちゃってたりしたかも。
申し訳ないしかない…。
烈「くそーーーーーー被害妄想とまんねーーーーーーーーーーーー」
烈「もうー、武乃邑さんひどいじゃないですか。みんなにバラすなんて」
烈「今度Cメールで抗議文提出するー!」
烈「もー、内田さんひどいじゃないですか。クラス内のみんなに広めるなんて…」
可菜「え?いいじゃん、すごいし」
可菜ちゃんは笑顔で言う。
烈「ああ、あんな話するんじゃなかったー」
【烈( ̄q ̄lllぐぶふぉ】
烈「武乃邑さんとか、話バラしながら辛ツッコミ切りまくってるんだろうなあ…」
烈「内田さんの、すごい、とか言うのも全然嬉しくない!」
烈「なにが?とか聞き返せないじゃん!」
烈「毎日こんな噂されたらそれこそ私は死んじゃうぞ」
未夢「まぁまぁ。人のうわさも七十五日っていうし…」
烈「七十五日も我慢するんかーっ」
烈「他人をネタにして笑う人の気持ちの理解はあるけど」
あるんだ。
烈「だからと言って被害者側に立ってまでその気持ちを理解することはできません!」
烈「痛いものは痛いのです」
烈「未夢さんなんとかしてー」
未夢「カウンセラーに相談してみるとか?」
烈「カウンセラーって、内容がなんであろうが無条件に相手に賛同するよね?」
烈「これは、その人が心から相談者に共感するわけではないことが明白!」
烈「だからヤダ」
烈「カウンセラーは、私の何がいけないのか、何故凹むのかを的確に流れとして整理させそう」
烈「その人の考えで、私が凹んでいたとしてもそこはおかしいと指摘しそう」
未夢「それはそうかもだけど」
未夢「もし一時的に、最近関わりのあった人が自分をめちゃくちゃに罵倒していてもさ」
未夢「なんらかの形で自分に情報が届き続けたとしても」
未夢「そんなのは、人生と言う長い時間で言えば一瞬ともいえないぐらいの短い間だよ」
未夢「十何年間生きてきて苦労したことを考えればそんな時間はあってないようなものだよ」
未夢「今、烈くんをネタにしている人も、いずれは飽きるよ」
未夢「烈くんは誰かをネタにした時、数年後もネタにしてないよね?」
未夢「同じネタをいつまでもしていると飽きるし」
未夢「人はどうでもいい人にいつまでも執着しないものだよ」
未夢「それを考えたら、数年後も自分が罵倒されていると考えるのはおかしい話で」
烈「未夢さんに相談してよかった」
烈「他の人は、ネタにして笑うだけで…」
相談と言うほどのものでもなかった気がするけど。
烈「私をネタにしている人は、ネットで私を気に入ってくれた人にもキモイって言ってこいよー!」
あらま。荒れてしまった。
可菜「まぁそれはそれとして、紅瀬くんは未夢ちゃんに相談したけど」
可菜「私も、誰かがすんごく落ち込んでいて私に相談してきた時ね」
可菜「私は励ましや何がいけないのか、慰めなど適度に相談者に与えるんだけどね」
可菜「『自分は何でこんなに愚かなんだ』の一点張りで回復の兆しが見えなくて」
可菜「『なんでこんなに暗くてやる気がないんだろう』とか思えたことがあるの」
可菜「でも今のは全くその逆で、多分未夢ちゃんが紅瀬くんに対して」
可菜「なんでこの子はこんな暗いんだろう。もう知らない」
可菜「とか途中で一瞬かわずかか思ったかもしれません」
烈「ええ〜?思ったの?」
未夢「思ってない思ってない。もう可菜ちゃん、変なこと言わないでよ」
可菜「もし私が暗くて相談してる立場だったら、そういうことが私にはわかるしって話よ」
可菜「私はそう思われても3日経つとキレてケロっとしてる子なので立ち上がれるんだけどね」
可菜「烈くんは、今この瞬間が嫌で嫌で今すぐこの場を離れて一人になりたい気持ちがスーパーあったかもね」
烈「いや。かも、じゃなくて、あったよ。そう思うならバラさないでよ」
可菜「なんで自分が被害者だと思うの?」
烈「いやー、クラスメイトに普段の素行を監視されたら嫌じゃん」
烈「そのうち誰かから土日に『今何してる?』とか言う電話着たら嫌じゃない」
可菜「いや着ませんから」
烈「ネットで恋してるらしいね、なんて言われたら蛍光灯の紐で首吊るぞ」
烈「多分失敗してこけるだけだろうけど」
可菜「なら安心だ」
烈「なわけあるか!」
烈「でもこれもちょっと考えてみたら、なんとも思ってない子に土日に話を持ちかけられるわけもなく」
烈「心配してくれてるんだ、思われてるんだ、ってことかな」
可菜「え」
まさかそういう風にポジティブにもっていくとは。烈くんの脳宇宙は不思議だ。
烈「と言うかまー、そういう風に気づいていても、マイナス方向に考えてそっちに凹むし」
烈「自分ではどうしようもないけど…」
可菜「凹むのか凹まないのか、どっちやねん」
すぱーん。
可菜ちゃんは軽い教科書で、烈くんを軽くはたいた。
烈「まぁでも、未夢さん内田さんありがとう」
烈「まぁうだうだ言ったけど、嫌なのは噂されること」
烈「だけど、多分語り継がれるのも一瞬でしかないと言うこと」
未夢「そうだよ」
烈「多分一番の解決は、私が暴露しないこと」
烈「それができてないから、今の言動を見られるのが嫌だったり噂されるのが嫌」
烈「うわ、言ってみてなんて弱小な子。こりゃいたぶり甲斐があるわ」
可菜「自分で気づいたか…」
可菜「そういう、その辺に居ない子のその後、っていうのは気になるし面白いと思われてしまうから」
可菜「だからなかなか一瞬では止んでくれないのよ」
烈「そう思うならバラさないでよ」
可菜「でもね、私はずっと同じネタ続ける人はごく一部でも居ると思うのよね」
可菜「私は数年前に見つけたサイトのブログを今もずっと見続けてるわ」
可菜「リアルでも全然関係ない人で」
可菜「見るのには3つの条件がある。どれか一つでいいわ」
可菜「1.ブログが毎日更新されている、書いていることが面白い、興味深い」
可菜「2.絵が上手い、素晴らしい作品を作る」
可菜「3.身近な人」
可菜「1の課題をクリアするとあとは2か3のきっかけで見続ける価値がある」
可菜「1と2を含む人は私の知ってる人の中にいないので見てないけど」
可菜「3の人なら目の前にいるわけで」
可菜「もし毎日日記書いて公開してたら、やつは普段とか土日何やってるんだろうとか思っちゃう」
可菜「百聞は一見にしかずってやつよ。監視されてるってやだわ〜」
烈「思いっきり私のネタで笑い続けるつもりじゃないですか!」
可菜「周りが忙しいのに毎日即行帰宅部で、ネットして好きとか痛い子だと、確かにいけないと思った」
烈「ひどす」
烈くんはさめざめと泣いた。
可菜「だけど、だからと言って周りにとっては全く関係ない話で」
可菜「プライベートな領域にまで文句を言われる筋合いはない」
未夢「そ、そうだよね。烈くんがどんなことをしててもね」
未夢「それが特定の人を中傷してるような内容でない限りは」
未夢「それを自分の身内で公開してるだけなら誰も文句を言う権利はないよ」
烈「そ、そだよね!」
可菜「まぁでも、話の内容が面白すぎるからあんまり言わない方がいいよ」
烈「う、うーん。是正するよ」
可菜「あ、あとね。私のクラス内までバレてないかなって思ったけど、バレてた。てへっ」
烈「ちょっとー!」
可菜「私じゃないわよ。もう噂が広まってたんだもの」
可菜ちゃんはケータイを見て言う。クラスメイトからメールがあったらしいのだ。
可菜「最低ね」
烈「あんたでしょ!」
烈「はー…しばらく誰ともしゃべらんわ」
烈「私のことが知りたかったら零に聞け、で一蹴しよ」
烈「言わなくとも毎日零に聞いてそうだけど」
烈「あの子は今 って感じで、毎日ネタのようにして笑ってください」
烈「それがあなたの生きる糧・元気の素になるならば喜んで犠牲になりましょう」
烈「私はそれを望んで生きてきた」
可菜「え、望んでたんかい」
烈「だけど、色んな迷惑をかけたことはマジ申し訳ないと思ってます」
烈「貢献して名を残すのと、とんでもない迷惑をかけて名を残すのでは意味が違うよね」
烈「後者は悪名高いだけだし」
烈「それを無難に言うと「すごい」となる」
烈「『毎朝腰振り回してもちべーしょん挙げてる人って凄い(頭おかしい)よね!?』とか言うのと同じです」
可菜「何故その発想が出たし」
烈「インターネットの大手掲示板には、そこの人が持っている劣等感一覧みたいなのがあって」
烈「色んな項目があるのだけどほとんどそれに当てはまったのがもうなんていうか」
烈「自分でも苦笑した」
烈「零に聞いたらわかるよ、とか言ったら100%行動に出るだろうと言うのが予言できちゃいそう」
烈「私という存在がある意味凄いのかな」
何故か笑顔で言う烈くん。
烈「もう劣等感しかない。どうしよ」
烈「零にメール送ったけど返ってこないし」
烈「先行っちゃってるし」
烈「生きるために努力しないとね」
そしてさめざめと泣くのだった。
可菜ちゃんは烈くんをからかい、わたしは宥めながら、烈くんが落ち着くまでそうしていた。
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『悪い。先帰る』
せっかく図書室で待ってたのに、何故か彷徨先に帰っちゃった。
用事かな?
仕方なく、一人で帰る。
放送「この冬最大のチャンス、宝くじ!今なら10億円、当たる!」
録音された音声がラジオのように聞こえてきた。
同じ文言が繰り返し再生されていた。
宝くじの当選率が0.01%だったとする。これがほぼ不可能と一緒かどうか?
例えば1万個買うという施行が面倒くさいものであれば、非効率ということで不可能となるかもしれない。
しかし、その施行方法が手間取らず一瞬で何回もできた場合は、どうだろう。
成功率を四捨五入して0と見なすのは尚早だ。
例え成功率が低くても、施行方法が簡単であれば、それは不可能ではないのである。
そしてその成功した時の見返りが100万円であった場合で、1施行コストがもし10円なら。
1万個繰り返して当たるなら総費用が10万でも、100万になって見返りが来るのだ。
その差額90万の純利益となる。やらない手はない。
くじに限りがある場合や買う枚数に限度がある場合は、1回当たって終わりになってしまう。
また、利益を出し続けないといけない場合は、その方法だと一回で終わってしまう。
さらに、利益が大きいとしてもあまりに確率が低すぎる場合、死ぬまで当たらないかもしれないのだ。
だから、コストが100円で賞金が1000万円だったらさらにハイリスクハイリターン。
利益が出るまでの回数に辿りつかないかもしれないのだ。
結局のところ、宝くじも大きな博打要素の一つなのだ。
恋愛も…そうだ。
告白の成功率とリスク。
数打てば当たるならやらない手はない。
けど、当たるまでの精神負担が大きい。
当たるまで挫けなければいいが、人によってはそうとも限らないだろう。
わたしには、それがなかった。
正に、ラッキーだったのだ。
人生の運、全てを使い尽くしてる気さえしてくる。
駅にある広告用のテレビで、黒い和服を着た赤い眼の女の子がしゃべっていた。
女の子「闇に惑いし哀れな影よ」
女の子「人を傷つけ貶めて」
女の子「罪に溺れし業の魂」
女の子「いっぺん死んでみる?」
あ…これ…ドラマやってたんだ。
これ実写にするとは企画者も勇気あるな〜。
この作品は、平和に暮らしてきた人には否定されるかもしれない。
でも、嫌な思いをしてきた人にとっては救いであり支えになるのかもしれない。
なんとも複雑な思いが過ったのだった。
未夢「烈くんも惠ちゃんもがんばってるのに、わたしだけ簡単に彷徨と…バチが当たらないかな」
そんな気持ちにもなるのだった。