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====================================== 手紙と仲間と回想 ======================================
またある日、暑さが身を切り裂く頃、僕は外に出でてみた。
光の抜ける空 -Light passing Sky-
とても暑い。紫外線が目を貫き、日は身を焼く。
でも、何故かそう感じることがうれしい。
それはきっと、自分が存在しているということを実感できるからだ。
暑いはずなのに暑くない、それは居て居ないようなもの。
僕は確かに存在しているんだ。
道を歩けば、日影があり、日向があり。
すると、より一層日差しの強そうな日向に躍り出た。
そして、そこの先には無限の道が広がっている。
先は何も見えない。それは未来。
そこへ、光が続いている。
あれだ、僕の未来は、きっとあの方向にある。
確かでない自信を胸に、僕は歩きだした。
あー、今日帰りに買い物に行きたかったのになー。
こんな日に限って豪雨とは…。
雨はともかく豪雨は久しぶりだ。しかし2月に雨。
雪はもう降らないのかな。
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彷徨「そういや未夢さんのおばさんに『痩せた?』って聞かれて、うわっバレた!と思ったよ」
彷徨「肉を食ってないからな…肉高いんだよ」
未夢「えっ、彷徨、いつの間にママに会ってたの?」
彷徨「いや、ついこないだだったかな?言うの忘れてたけど」
彷徨「買い物してる時に偶然会ってさ」
未夢「ママ、こっちまで来てたんだ…散歩かな。全く、暇なママめ」
未夢「ってゆーか彷徨肉食べなさいよ。部活してるならお肉必要でしょ?」
彷徨「まぁそうなんだけど…そこそこ食べてるよ」
未夢「さっき最近食べてないみたいなこと言ってたじゃない」
彷徨「豆腐ハンバーグだよ」
未夢「お肉じゃないじゃない!しかし、凝ったもの作ってますな…」
彷徨「節約みたいなもんだ」
未夢「そういや彷徨、服がしわしわよ、埃もついてるし」
ぱんぱんと服を叩いた。
彷徨「痛いからやめろ。ゴミを取るなら摘んでくれ…」
彷徨「しわしわなのは、先週はアイロンかけなかったからかな。服痛むし」
未夢「かけなさいよ!服がよれよれよ。そんなの嫌よ?」
未夢「彷徨、お風呂入ってるんでしょーね?」
彷徨「失礼な。さすがに入ってるよ毎日」
未夢「アイロンかけてないなんて恥じずに暴露しなさんな」
彷徨「じゃぁ黙ってたら良かったか…」
彷徨「いくら自分を理解されたくても、恥ずかしい部分まで認めてもらおうとかはな」
彷徨「おこがましいことだからな」
未夢「彷徨、生活苦しいの?」
彷徨「いんや、うーんどうだろ…未夢がいた頃よりは食費は減ったけど」
彷徨「カッコつけるために秘密にするんだよ」
未夢「見た目がよれてたら秘密じゃないでしょ…」
彷徨「うーん今更新しい制服とか買うのもな…」
未夢「お金ないなら、ママに言って、なんとかしてもらおーか…?」
彷徨「いやそこまでするなら別にいいよ…」
未夢「わたしが良くないわよ。彷徨にはしゃきっとしててもらわないと」
彷徨「まぁしてくれるなら助かるけど…お礼にお古の制服をやろう」
未夢「そんなの要らないわっ…!?」
いつもの流れで、要らないわよと言いそうになったけど…彷徨のワイシャツかぁ…。
…パジャマの代わりにしようかな。
彷徨「…?」
未夢「…くないわよ!」
彷徨「…なんで否定の否定形なんだ…」
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【烈サイド】
今読んでいる小説がある。
それは、あるやつの体験をモチーフにしているのではと思える部分がある。
それは、自分だ。
つまり、家の確執だ。
目的・希望は、このヒーロー役が救われること。
救うのは主人公。
だが、家の確執を他人が救えるものなのだろうか?
それが最大の疑問。
俺は家のことに関しては既に心が摩耗している。
一般的な考えができなくなっているのでこの辺は友人知人に聞かないと、どう思うものなのかがわからない。
通常、否定すべきことを許容できてしまう考えだと、話が不自然に進行していってしまう。
こんな話読んでたら無意識にでも自分のことを思い出してしまう。
どれだけ感情を殺せばいいのだろうか…
こうなると、無駄に感情を持とうとしたことを後悔する。
今まで色んな相談をしようとした。
けど誰一人として深く関わろうとしないだろうからやめた。
当然だ。
そういう考えは『知って』はいたが、自分の中ではこれが当然だとは思っていない。
通常、悩みを打ち明けることは恥ずかしいことだ。
打ち明け始める時はかなりマズイ状態まで進行していることに気付いている相談され側は少ないだろう。
癌と同じだ。気づいた頃には末期。
周りの人間がどれだけ気を配ってその心の小さな動きに気づけるかがポイントなのだ。
相談する人はもはや神に縋る思いで何が何でも助けられたい状態。
他人の迷惑など顧みる余裕がない状態だ。
落ち着けば、自分がそうなっていたということを知り、そのあと相談できなくなる。
ひとりで抱え込んで無限ループ。そしてバッドエンド。
人は何故親身になって他人の相談にのめりこまないのか。
心理的な話になってきたが、おそらくは自分にも災いが降りかかるのが怖いのだろう。
脳をもった生物は本能的に「怖い」と考える節があるようだ。
ちょっと前まで余裕あった時は、もし道路で血を流して倒れてる人がいたら助けようと思ってた。
今は何か助ける気全くない。
時間はあるけど、むしろ色々とこっちが助けてほしいと思ってることがあるくらい余裕がない。
何が起こるか分からないことに対処できないと思うからだ。
お節介や親切も時には迷惑になるのだ。
めんどくせーと思えるくらいデリカシーに細かいことだ。
しかし、どれだけ他人が気を配っても、問題を抱える本人がそれを解決しようとしているかが重要。
それを合わせても、"家"という、通常のめりこんではいけない領域の問題を抱えている人を他人がどう救うのか?
救おうとすることはおこがましくはないのか?
救われたいと思う本人と、踏み込んではいけないと思う他人との距離。
バッドエンドは必至。
何はともあれ、この小説のストーリー内では知り合って十数日後にとても仲良くなる設定だ。
けど現実じゃありえない。でも普遍的でないのにあまり違和感がない。
この現実と空想との考え方の誤差に悩まされる。
いったいどれだけ現実的であればいいのだろうか…。
【未夢サイド】
未夢「おは…あれ、烈くん?」
烈くんは机に突っ伏していた。
未夢「どうしたの?元気ないね」
烈「家でちょっと問題がね…」
未夢「そうなんだ…」
未夢「…」
見て見ぬフリをするわけじゃない。
ただ、人の家の問題だ。
でも助けようと思うのは、図々しいのだろうか?
未夢「相談があるなら、乗るよ?」
烈「うーん…もう警察とか弁護士とかそういうレベルかな」
未夢「そ、そんなに?」
そんな風には見えないけど…。
烈「警察は事件起こるまで何もしないし、弁護士は高いしね」
未夢「…何か起こる前に、何でも言ってね」
烈「あはは…大丈夫だよ」
それは、空元気だ。そう思った。
烈「けど、ありがとね」
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未夢「彷徨ー、学食一緒に行こ…あれ」
見たら、席には誰も居なかった。
恋人っぽいことしよって言ってたのに、なんか避けられてるのかな?
考え過ぎだと思いたいけど。
最初知りあって間もない3年間は普通だった。
たったの3年間だったけど、幸福な時間だったと言える。
でも、たった3年間でわたしはあの人の何がわかったと言えるのだろう。
逆に、この3年間で向こうがわたしのダメなところを知ったのかもしれない。
もしそれで、避けるようになったとしたら?
それなら、あんなことは言ってこないと思うから、自信を持っていいと言いたい。
もしくは、もう構わないことにしたとか、もっと別の理由かもしれない。
わたしの時間が無駄にならないよう、勘違いさせないためかもしれない。
元々そういう性格だったのかもしれない。
どんどん、よくない方向に考えてしまう。
だけど、最初の3年間で仲良くできたということは、相性は良かったはずなんだ。
そして3年の間は、特に決別的な喧嘩が起こるようなこともなかった。
常に一方的に嫌だと『思われただろう』という事実はあったと思うけど。
わたしは、問題を直せないことが一番嫌だ。
推測・憶測を繰り返し、どんな理由の無い確信をしたとしても。
それはやはり確認できなければ結局はただの勘違いかもしれない、と思う。
もはや、わたしの何がダメだったのかなどとは問うまい。
でも、理由を言って嫌な人だと思われたくがないために黙るのは最悪の手だ。
それはあまり許したくない。
だから、もう互いに憶測で自分を傷つけるのは止めよう。
わたしの何かが嫌で、でもわたしを傷つけまいと向こうが黙る。
解決策がわからないわたしが悶え苦しむ。
わたしはあと1年の高校生活をこんな形で過ごしたくない。
今までわたしの思ったことに少なからず外れた/合っている部分があるだろう。
わたしは、嫌な女と思われたくないために、愛想良く接しているのではない。
もし最終的に絶交するのだと決めていても、決めた時点で愛想悪くしない。
学食で彷徨を探したけど見つからず、結局一人で食べた。