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それは遠い昔に遡る…
かつて僕には夢があるはずだった。
気付いたころには、その夢には程遠い場所に居た。

遠い過去の記憶 -far past memory-

今ならまだ引き返せる!
僕は、夢でも見ているかのように、自分を他人と認識し、引き返せ!と命令していた。
そして僕に命令された僕は、引き返し、一人の人と会う。

『私も、道を間違えてたんだっ』

道を間違えて居た時の話をするのが、どういうわけか楽しかった。
それが永遠であってほしかった。そう願っていた。
寿命がわずかだということも知らずに。







烈「あーやっべー宿題なんもしてねぇーです」

教室に着くなり、烈くんがそう切り出してきた。

烈「ところで、昨日のニュースでさ、娘のために7300万円詐欺したとかあったんだけどさ」
烈「7300万も詐欺れるもんなのかな?って」

零「着眼点そこかよ…」

烈「仮に3年で500万円溜まるとして、子供が15歳ならその前から働いてたとしても」
烈「20年、3500万くらいしか貯金できんよ…この父親は一般人かな?」
烈「億に近い金があるなんて一般人とは思えん」
烈「まぁ借金してるってニュースで言ってたけど」

零「詐欺じゃなくて借金じゃないのか…」

烈「別のニュースじゃ、ドラッグしてた社員が消えたけど、社長がいつでも戻ってきていいとか言ってて」
烈「報道内容をみると、優しい社長だなぁ〜と思える」
烈「一般の周りはひどいこと言ってるけど」
烈「自分の会社の正社員を守りたい、という気持ちがあるからかな」

零「まぁあるのかもな」

烈「でもこの場合の世間体とは共存できなかったんだろうね」
烈「その人を守るたい気持ちばかりが先走っちゃって」
烈「それにしても、もうこういうことが起こらないように『マニュアルちゃんと作ります』」
烈「って言ってるところがえらいと思ったよ」
烈「っていうか普通なんだけど、TV関係の人は今後どうするつもりなのかとか」
烈「明言しない人多いからなぁ〜」

零「何がだ?」

烈「いやぁ、悪いことしても、もう悪い事しないためにどうするとか、具体案」

烈くんたちの話を聞いてた。
お金と守るかぁ〜。
そういう風に見境なくなるものなのかな?
もし、もし子供がいたら…。
まだ、わたしには早すぎる。想像もつかなかった。


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烈「うーん…はっ」

烈「なんちゅう夢を見るんじゃ私は…」
烈「以前は、キレて泣かせて謝って仲直りだったけど」
烈「今回は、キレて無視されてまたキレて余計悪化」
烈「夢にまで現実とリンクしだすな」
烈「一人で居ても誰かと居ても四六時中これでは精神が保たん」

午前中の授業が終わった。
烈くんは寝てたけど、夢を見てたようだ。

未夢「どうしたの烈くん。何か怖い夢でも見た?」

烈「ある内容をある友人に相談したことがあったんだけど、全然見当違いの助言しかもらえなくてさ」

返答は答えではなく、語りだった。

烈「友達ってなんだろうね」
烈「互いの思いがすれ違ったり、他人にとってどうでもいいと思ってることが私にとって大切なことで」
烈「私にとってどうでもいいと思ってることが他人にとっては大事なことがあって」
烈「意思疎通が思い通りに図られないのは歯がゆくもあるけど」
烈「それが人生故に楽しくもつまらなくも感じる」

未夢「う、う〜ん、そうだね、なかなか思いって通じなかったりするよね」

言ってみて、はっと思う。それこそまさにわたしのことだ。

烈「でも、私は本当に運が良かったと思う」
烈「私はばかだけど、この高校に来れて良かったと思う」
烈「この場で出会えた人たちを大切にする!」

未夢「うん、そうするといいよ」

烈「だけど、他で出会った人とはどこかしらすれ違い…」
烈「だから、人は100%理解しあえることはない、というのもわかる気がするけど…」
烈「私はそんなことはないと思う」
烈「運が良ければ、それはしあえるんだ」

烈「私は、零と通じ合ってるからね」

零くんの首に腕を回し、引き寄せて言っていた。
零くん迷惑そうだった。そして腕を離した。

烈「でもだからと言って、親友だからこれをやる、とか」
烈「親友だからあれもやる では、いずれその心も遠のいてしまうと思う」
烈「実際にそういう経験をしている人もいるだろうし」

烈「気の合わない友達」
烈「友達なのに気が合っていない」
烈「いったい何を考えているのか…」
烈「それを来週、直に確認するつもり」

未夢「よくわからないけど、がんばって」

烈「想像の中での確信を、事実の確信に変えて、私はどうするつもりなんだろうね」
烈「傷つくことはわかってる」
烈「だけど、1%の救いを信じている自分がいる」
烈「どうせ叶いっこないのに」
烈「人を変えることはできないのに」
烈「傷ついてでも納得したい」
烈「私は未だ愚か者」

なんか、恋人に告白する前みたいな感じに聞こえた。

烈「信頼しあえなければ、全てを理解しあう必要はないと思うんだ」
烈「必要なところだけ、利用しあえば、いい…」
烈「人はそれを表に出さないようにして生きてきたんだから…」


烈「直に確認すると言ったけど、頭が冷えて、傷つくだけだ、と思ったら、止めるかも」
烈「きっと時間と精神の無駄遣いだから」
烈「ただでさえ最近疲れてるのに、これ以上体をいじめるわけには、ね」

その気持ちは少しわかる気がする。
彷徨が本当にわたしのことを好きなのか、確認するのが怖い、それと似ているのだ。

烈「ようやく人間の心がわかる一般人になったと思ったら地元のダチとは気が合わないだけだったり」
烈「実は自分がまだ意外と変だったり。なんなの?と思う」
烈「成長できてないわけがないし」

烈「大人気ないって何だろうね」
烈「ここまで気持ちを馬鹿にされて踏みにじられることってないよ」

烈くんは一人で苛ついていたようだ。
わたしは苛々はしなかったけど、気持ちはわかる気がする。

烈「あーも今最高にイライラしてるな〜…」
烈「人間関係でこんなにイライラしたことなかった」
烈「中学時代はただ一方的にいじめられるだけだったけど」
烈「これはこの時点でツライとしても今の辛さはまたベツモノだ」

未夢「え、烈くん、いじめられてたの?」

烈「もしかしたら、端からはそういう風に見えなかったのかもしれないけどね」




彷徨「もし、もしお前の考え方が普通でないのなら」
彷徨「それは是正する必要があると共に普通の考えを取り入れる必要がある」
彷徨「なぜならば、生き物は大多数の中に生きるものであり、そして普通とは大多数の代名詞だからだ」

未夢「彷徨…やぶからぼうに」

なんでそんな口調なの。

彷徨「普通ってなんなんだろうな」
彷徨「でもそれが必要なら、持ってないなら、持つ必要があるんだよ」

未夢「彷徨が言っても説得力ないよ…彷徨、普通じゃないもん」

彷徨「そうか?」

未夢「なんていうか…しゃべらないよね」

彷徨「俺より静かそうなやつなら前に居るんだが…」

零「…」

未夢「ま、まぁ今は前より話すようになったかな」

彷徨「前の人よりだけにってことか」

未夢「そうじゃなくっ」

烈「…聞いてて思ったよ、でもそうなのかもね」
烈「なんていうのかな、人それぞれ個人的な考えはあると思うけど」
烈「でもそれは常識の上に乗っていてほしいよね」
烈「なんか、気の合う合わない以前に、普通におかしいだろ?って」
烈「そう思える事象が多々あったりすることあるじゃない?」
烈「それはコミュニケーションを行う上で、非常に困るからさ」

烈「それさえ是正してくれたらいいのに、何故か変なこだわりを持って直さない」
烈「それはただの子供だよ」

彷徨「お前が言うか…」

烈「私もどちらかというと子供っぽくて常識がなかったけど」
烈「今はどんな時の言動も、常識を知った上で」
烈「通常なら大多数がどういう言動をするかを一瞬で予測して」
烈「そこに自分の考えを乗せて言動するようにするよ」
烈「そして、大多数の人間がそうしていると思う」

烈「これができてない人が、結構いると思う」
烈「非常に疲れる…」
烈「プライベートとそうじゃないとで、こんなに差が出るとはと思うくらいに」

彷徨「…なんでこんな話になったんだ?」

未夢「さ、さぁ…?烈くんが怖い夢でも見たってところからだっけ?」

烈「うーん、なんでだっけ…?」

零「お前な…」

烈「黒歴史を作った数だけ人は悩み、成長するんだよきっと」


零「ところで次の授業宿題あったけど、お前やったか?

烈「あー!やってない!」

零「言い訳すんなよ、屁理屈言うなよ、御託は要らないぞ」

烈「零厳しすぎ!」

零「ちなみに今言ったやつの説明が宿題だからな」

烈「えー、零やったの?」

零「言い訳は、物事の筋道を立て自己の事情を説明し、弁解をして罪などをわびること」
零「屁理屈は、筋が通らない、道理の合わない理屈」
零「御託は、自分勝手な事をもったいぶってくどくど偉そうに言うこと」

彷徨「それにしてもひどい宿題内容だよな…」

烈「零、写させて」

零「自分でやらないと意味ないだろ…」


未夢「あっはは…」





午後の授業が終わった。

教室に戻ると、烈くんがケータイをいじってた。

未夢「烈くん、メール?」

烈「ううん、ゲームで遊んでるんだよ」

彷徨「話しかけるとまた訳わからん話題に巻き込まれるぞ…」

烈「ひどっ」

未夢「それにしてもよくこんな小さい画面でゲームできるね」


烈「全くだよ。ケータイゲームをテレビモニターに映せないのかな〜?」

烈「こんなもん覗き込んでやってたら肩がこって目が疲れるよ…」

未夢「じゃぁやらなければいいのに…」





烈「家帰ったらのんびりテレビゲームするよ」

未夢「結局遊んじゃうんだ」

烈「学校ではしゃべったり、家ではマンガ読んだりだね」

未夢「勉強しなきゃ、ダメだよー」

烈「将来ゲーム作りたいから研究するんだよ」

未夢「それはそれは」

烈「でもなんか最近飽きてきたよ」

未夢「ええ、早!」

烈「飽きたと言うか、特定のやつだけ、やりたいやつだけやりたいみたいな」

未夢「趣味を仕事にするのは、大変だろねぇ」

烈「優先順位バラバラになっちゃうよね。やりたくないのにやらないといけないとか」

烈「でも一度やると決めたら、やりきりたいよね」

未夢「偉いね。がんばれ〜。何かあったら協力するよ!」

烈「ありがと!じゃぁ未夢さんにはイラストレーターになってもらおうかな」

未夢「ええ〜!そんないきなり無理だよ!」

彷徨「何やってんだ…」



今日は補習じゃなくて図書室に行くことにした。
相変わらず可菜ちゃんがいる。

可菜「この人は個人的には最高峰の位置づけのライターさん」
可菜「テーマというか扱うものが好み。人間の本質というか」
可菜「この人は、多方面の知識と己の世界を形にする」
可菜「この人は、王道的ジャンルに独創性を上乗せ、萌とシナリオ両立」
可菜「この人は、キャラ同士の掛け合いがウマー」
可菜「この人は、主人公の言動に魂を感じる」
可菜「この人は、丁寧な心理・状況・心象描写が秀逸」
可菜「この人は、独特の言い回しと綻びの無い世界観、緊迫感ある描写」
可菜「この人は、短いセンテンスの反復や一見普通に見えるものに意味を持たせるのが上手い」
可菜「この人は、平易な日本語で緊迫感のある描写」
可菜「この人は、独特の言い回しはないけど、展開にとことん無駄がない」

色んな本の著者の書き方について語ってた。
可菜ちゃんが楽しそうに話す様子を見て過ごしてた。




=============================================

彷徨「今日はこっちに居たか」

未夢「彷徨」

可菜「おや、彼氏様の登場ですか。オジャマ虫は退散しないと」

未夢「別にそんなことないよ」

可菜「いやいや。っていうかもう閉館の時間ですから」

未夢「ええっ、じゃぁすぐ出ないと」

可菜「だいじょーぶだよ、私が係だし」

未夢「それなら尚更早く閉めないと」

可菜「もう私たちしかいないし、私が係だから、私がルール!」

未夢「それ、言いたいだけじゃないよね…」




可菜「さてさて、私は先に鍵を職員室に返してくるから、後はごゆっくり!」

未夢「えー、どうせなら一緒に…」

可菜「西遠寺くんと図書室で二人きりになりたいってか?そんなことさせたら、何が起こるか」

未夢「あの、そんなこと一言も言ってませんけれども…」

可菜「とにかく、バイバイね。また明日」



ぴゅーっと言ってしまった。

未夢「ああ…」

未夢「…帰ろっか」

彷徨「ああ」

二人で帰ることに。

彷徨「そういやお前、あんまり紅瀬を甘やかすなよ」

未夢「なんか、二回目の同じやりとりをしそうな予感…」

彷徨「ん?」

未夢「自分がさ、本当にどうしようもなくピンチに陥った時、救いがほしくなるんだと思うんだけど」
未夢「だから相手がそれを望もうと望まずと、側にいたなら助けてやりたいと思うんだ」
未夢「彷徨のいう、そーゆう性格ってやつだよっ」

彷徨「…まぁやりたいようにやるのがいいさ」
彷徨「大人になりきる前に、やりたいことがあるなら、済ませておくのがいいさ」

未夢「彷徨は、何かやりたいことあるの?」

彷徨「うーん…」

こっちをじっと見る。

未夢「えっ、な、なにっ?」

彷徨「うーん、何でもない」

未夢「えー、なによー」

彷徨「言うようなことじゃないさー」

未夢「何よー、気になるー」

彷徨「じゃぁその時まで秘密だ」

未夢「隠し事なんてひきょうよっ」

彷徨「あっはは…」

普遍的だ。

昨日、変わりたいって言ってたのに。
急に変わる事なんてできない。
でも、変わらない今が大事なんだ。
これが、ずっと続いていけたらいいのにな。
それは、結局変わらないって事なのかな?
これ以上、進展しないってことなのかな。
笑顔のまま、その先の考えには至らなかった。


【彷徨サイド】

あいつが自分で、自分があいつで。

擬似一人暮らしの我が家はいいものだ。
孤独を寂しく感じる時もあるが、時には、静かなところで一人にしてほしいと思うこともある。

ある人が笑っているとき、それを『かつて自分に向けられていた笑い声』と考えられるのは何故だろうか?
過度な気持ちの末路か。

それを過剰に理解できるのは、自分も誰かにそれを確かに与えているから。

俺は誰かに笑顔を向いてもらいたいが、その誰かはもうその笑顔を俺にくれることはない。
逆に、別の誰かさんは俺に笑ってほしいと思っているだろうけど。
俺はもうその人に対して心から笑ってあげられないかもしれない…。


俺も、あの人と同じところに行けばいいだろうか…。
間に挟まれたその気持ちの行く末は何になり変わろうとするのか。

気持ちがわかるからなんて理屈や言いわけは必要ない。
相手の立場を自分に置き換えて考えても、結局は主観が入るので自己中心的なのだ。
結局、俺の我儘なんだ…。