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====================================== 夏希と遭遇 ======================================
【背景:駅前】
前日のスキーのせいで筋肉痛・・・ということはなかった。
結構気にしていたのだけれど、取り越し苦労のようで良かった。
未夢「あれ、彷徨?」
いつも先にいるはずの彷徨がいなかった。
そんな時、メールが。
彷徨(ちょっと病院行ってくるから、先に行っててくれ)
え、ちょっ、何事っ??
ぴっぴっ
未夢(ちょっと、大丈夫なの?)
送信っと。ぴっ
1分も経たず返事が来た。
彷徨(大丈夫だよ)
彷徨は必要最低限のことしか言わないから、何かあっても詳細がわからない。
そのことが、わたしをいつも不安にさせた。彷徨を信じるしかなかった。
でも、彷徨のことだから、きっと大丈夫。なはず!
【背景:学校への道】
零「お前、昨日のスキーで調子乗ってこけてたよな」
烈「うっせーなハゲっ」
零「ハゲじゃねぇよ・・・」
烈「あ、未夢さんおはよう!」
登校途中、一緒になった烈くんたちと一緒に登校することに。
烈くんは朝から元気だった。
烈「あれ、西遠寺くんは?」
未夢「うん、病院行くって」
烈「ええ〜。大丈夫なの?」
いきなりだとそう思うよね。
未夢「う、うん。多分」
烈「ええ〜。大丈夫なのかな…」
烈くんも心配性のようだった。
【教室】
惠「おー、未夢おはよう!」
可菜「未夢ちゃん、おはよう」
わたしが気付くや否や二人が挨拶をした。
未夢「お、おはよう。なんで二人がここにいるの?」
惠「えっ。なんだよ連れないなあ。あたしらがこんなに未夢を恋しく待ってたのに」
可菜「そうよ、未夢ちゃん」
未夢「えっ。何かあったの?」
惠「いや、特に何もないけど」
ずるっ。
惠「廊下で可菜と会ったからそのまま話してたんだけど]
惠「なんか虚しいなって言ったら可菜が未夢の席に行こうって」
可菜ちゃんを見た。無言で親指立ててた。
惠「こいつ時々わかんないけど、面白いからいいんだよ」
言いながら惠ちゃんは可菜ちゃんの頭をくしゃっとした。可菜ちゃんはくすぐったそうに顔をしかめた。
なんか、惠ちゃんが彼氏で、可菜ちゃんが彼女みたい。
未夢「ふふっ。もう2人とも結婚しちゃいなよ」
惠「それはこっちの台詞だっつーの」
可菜「そういえば、西遠寺くんは?」
みんな同じような反応するなぁ。
未夢「う、うん、病院行ってて〜」
惠「はっは〜ん、土日で何かあったな…」
惠ちゃんの目が鋭く怪しく光る!
未夢「白状しなさい未夢!何があった!」
未夢「別に何もないって〜」
ややこしくなりそうなので、伏せておくことにした。
未夢「それはそれとして、写真できたよ」
烈「おっ、見せて見せて!」
言うや否や、烈くんが真っ先にがっついた。
先日のスキーで、ママがいくつか写真を撮ってくれていたのだ。
零「…」
零くんは一つ写真を手に取り、見た。
未夢「零くん、目瞑っちゃってるねっ」
烈「私の、未夢さんと2ショットで写ってる写真も見て〜」
みんなで行ったスキーの記憶。宝物にしよう。
惠「へぇーみんなでスキーに行ったのか。ちゃっかり紅瀬も入ってるじゃん」
烈「えへへ」
惠「西遠寺と未夢のラブラブ写真はどれかなー?」
未夢「そんなのないって〜」
惠「おっ?これじゃないかっ?」
未夢「えっ?」
見ると、こけそうなわたしが、というか今にもこけるわたしが彷徨にぶつかりに行ってる。
知らない人が見たら、抱き付きに行ってるとしか見えない。
おのれママ!いつの間にこんなベストショット?を!
未夢「ギャー!?」
惠「みんなー!未夢が見せびらかしたい写真があるんっ、」
ボカっ!
惠「ぶぎゃっ!?」
言い切るより早く、未然に防いだ。
惠「ぶった!未夢がぶった!」
烈くんと同じことを。
可菜「未夢ちゃんがブッダ」
可菜ちゃん合掌してる。寒いオヤジギャグは放置!
未夢「今度、惠ちゃんの嫌いなピーマン料理作ってあげるよ」
惠「ぎゃっ!ピーマンの上に未夢の料理だと、二回死ぬだろ!そんなお得いるか!」
自分で言っておいてなんだけど、どこか悲しい気持ちがした。
あと、ピーマン料理ってなんだろう。パスタの上に振りかけるくらいしか思いつかなかった。
烈「ピーマン嫌いだなんて子供みたい」
烈くんが笑っていた。
惠「お前に言われたないわ!」
烈「…しくしくしく」
一時間目が終わる。休憩もたけなわの頃…
がらっ。
未夢「彷徨っ…!?」
彷徨は松葉杖を両手に持って現れた。
未夢「ちょっ、彷徨、それっ」
烈「全然大丈夫じゃないじゃん!」
彷徨「うるっさいっ。仕方ないだろ…」
未夢「折れてたの?」
彷徨「いや、痛ぇーから借りただけだ」
未夢「いつ治るの?」
彷徨「全治一週間」
見かけほど大したことはないようだ。
未夢「そうなんだ…でも、良かったぁ〜」
心底安心した。わたしのために彷徨の足が折れてたら話にならない。
惠「おーっす。おわあぁ、なんだ西遠寺その様は」
惠ちゃんは入ってくるなり彷徨を見つけて、妙な驚き声を上げながら言った。
彷徨「色々あったんだよ…」
惠「みたいだな」
惠ちゃんは、にかっと笑って済ました。もっと突っ込むかと思ったけど。
【背景:教室】
教師「じゃあこの部分についてはここまで」
教師「みんな、しっかり復習しておくようにー」
教師「次の部分も、予習しておくように」
復習はともかくとして、予習まではあんまりしないなぁ。
未夢「はあー、お昼だね、彷徨」
見ると彷徨は眠そうな顔をしていた。
わたしも眠かったから気持ちはわかる。
彷徨「ああ・・・ふわあ」
未夢「なに彷徨、やけに眠そうだね」
彷徨「ああ・・・この部分前に予習してたからな」
彷徨「もうわかってたもんで退屈だったよ」
予習してる人がここにいた・・・。
っていうか、怪我してたのに予習してたんだ。
マメだなぁ。
彷徨「お前もかなり眠そうだったな」
未夢「わ、わたしも予習してたからっ、退屈してただけよ!」
彷徨「わからなくて退屈してたんじゃないか?」
未夢「ちっがーう!」
彷徨「はは・・・ふわあ」
未夢「あれ、彷徨、本当に眠そうだね」
彷徨「昨日予習であんまり寝られなかったからな・・・」
昨日の予習で夜更かしをして肝心の授業で寝てしまっては本末転倒だ。
彷徨は昼休みだというのにそのまま机に伏してしまった。
未夢「あれ、彷徨。お昼休みだよ。ご飯食べないの?」
彷徨「眠い・・・今日はお前だけで行ってくれ」
そういうと彷徨は本当に寝てしまった。
未夢「もう仕方ないなあ・・・お腹空くよ」
心配してかけた声も、もう彷徨の耳には届いていなかっただろう。
届いていたとしても、今の彷徨には何だって子守歌になっているかもしれない。
未夢「あれ?烈くんは?」
そういえば、烈くんが声をかけてこない。
いつもなら真っ先に、ご飯ご飯と元気よく先導するのに。
今日に限っては、その楽しそうな旋律は聞こえなかった。
烈「未夢さん・・・」
未夢「烈くん、どうしたの?」
彷徨と違って、なんか、眠そうというよりは具合が悪そうに見えた。
烈「今朝、牛乳一気飲みしたらそれからお腹の調子がよくないんだ・・・」
お手洗い行きなよ・・・。
未夢「大丈夫?保健室連れていってあげよーか?」
零「大丈夫だよ光月。こいつが悪いんだ」
うわ、きびしー。
しかし烈くんからの反応がない。
どうやら本当に具合が悪そうだ。
零「烈のことは俺が見てるから、光月は先に行っててくれ」
未夢「ごめんね」
零「別に光月は何も悪くないさ」
烈「そうだよ・・・未夢さんは何も悪くないし・・・私は大丈夫だし・・・うん・・・」
烈くんが、嘔吐でもしてしまいそうな顔で言ったが、説得力がなかった。
未夢「あとで来れそう?」
零「こりゃこの調子じゃ難しいだろうな・・・」
未夢「零くんもご飯食べないの?」
零「時間足りなくなりそうになったら、購買のパンでも適当に買うよ」
なんだかんだ言って零くんはホントに烈くんと一緒だな。
⇒なんならわたし、買いに行ってあげようか?
お大事にね
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未夢「なんならわたし、買いに行ってあげようか?」
零「いや、いいよ」
未夢「時間、足りなくなるよ?」
零「それならその時だ」
わたしも何かしてあげたらと思ったけど、どうしようもなさそうだった。
未夢「じゃあ、わたし先に行くね」
零「・・・光月」
未夢「うん?」
零「・・・ありがとな」
未夢「うん」
その一言で、なんだかとてもうれしい気持ちになった気がした。
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なんならわたし、買いに行ってあげようか?
⇒お大事ね
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未夢「お大事にね」
零「ああ」
烈「未夢さんごめんね〜」
みんなを置いていくのが何となく後ろめたかった。
そして、一人で教室を出るのが寂しい気がした。
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未夢「えーと、今日は何を食べようかな・・・」
廊下に出てから、今日のメニューを物色する。
というかまだ内容はわからないから、食べたい物を想像するという感じだ。
あれが食べたいこれが食べたいと思ったら目の前にそれが出てこないかな、と一瞬で
も期待してしまう自分がいた。
惠「あれ、未夢は今日一人?」
未夢「恵ちゃん」
惠「西遠寺は?」
未夢「彷徨なら、眠いって言って教室で寝ちゃってる」
惠「ふむふむ、旦那さんは死亡中ですかっ」
未夢「だから旦那さんじゃっ・・・」
惠「あれ、紅瀬たちもいないじゃん?」
未夢「烈くんは具合悪いって言って教室で休んでる」
惠「なるほど、さしづめ闇無はお守りってとこか」
未夢「恵ちゃんも今日は一人なの?」
惠「ダチが他メンバーと食うんだってさ」
未夢「そうなんだ」
惠「未夢も一人なら久々に一緒に食べに行こうか」
未夢「うん、いいよ」
惠「じゃあ可菜も連れてってやるか!」
未夢「え?でも可菜ちゃんはお弁当じゃ?」
惠「一緒に食堂で食べればいいじゃん」
半強制的だった。
未夢「もう。恵ちゃんは半ば強引なんだから・・・」
惠「飯は大勢の方が美味いって!」
惠「未夢も賛成したということで早速誘いに行きますか!」
未夢「誰も賛成だとは言ってないけどっ」
惠「なに未夢、反対なの〜」
未夢「そうじゃなくってっ、せっかく一人でゆっくりしてるだろうから悪いかなと・・・」
惠「未夢水臭いなあ〜薄情者〜。よーし未夢のその思いを告げ口に参ってやろう」
未夢「待って〜そんなのじゃないよぅ」
惠「はは、ウソだけどさ、ほら早くしないと席埋まっちゃうしっ」
半ば強引だけど、なんとなく納得してしまうのだった。
それは、恵ちゃんの元気が、人を心配させないからなのかもしれない。
未夢「そうだね」
惠「そうと決まったら早く行くよ」
惠「あれ、可菜いないねえ?」
可菜ちゃんの教室に行ったが、席にはその主の姿は見当たらなかった。
未夢「いつものとこじゃない?」
惠「行ってみようか」
図書室前。
可菜ちゃんは思いの外、本を読むのが大好きだ。
たまにご飯抜きで本読みに夢中になっていることがある。
ガラッ・・・
惠「あ、いたいた」
恵ちゃんが向いている方を見ると、案の定というべきか、可菜ちゃんが本に読みふけ
っていた。
食事を忘れるほど何かに集中できるのは羨ましいと思った。
惠「おーい可菜、飯行くぞ」
恵ちゃんが小声で可菜ちゃんに呼びかける。
ぴくっ。
可菜ちゃんが、何かに気づくように反応した。
可菜「・・・図書室では静かに」
小声でも可菜ちゃんにとっては、本読みを妨げるものは騒音だったようだ。
惠「あはは、ごめんごめん」
恵ちゃんもわかっていたのか、冗談っぽく謝っていた。
未夢「可菜ちゃん、一緒にご飯食べに行こう」
未夢「もしかしてもう食べちゃった?」
まだ昼休みになってから長くはないのでそんなわけはないと思いつつ一応聞いてみる。
可菜「ここに・・・」
惠「お」
見ると、大量に積み重ねられた本の横に、桃色のナフキンに包まれたお弁当がちょこんと置いてあった。
っていうか、食事を忘れるほどと思ったら忘れてなかった。
惠「って可菜、ここは飲食禁止っ」
可菜「前に未夢ちゃんに、ご飯は食べなきゃダメって言われたから」
未夢「あ、あのね可菜ちゃん?せめて食べるときは教室とか食堂とかで」
可菜「冗談・・・」
わたしたちが来なかったらその冗談はどこに向けるつもりだったのだろうか。
可菜「来ると思ったから」
人の心を読むな。そして予見するな。神ですか。
パタン。
惠「それじゃ、食べに行こうか」
可菜ちゃんは本を閉じると、側にあった大量の本も元に戻すために片づけ始めた。
惠「誘ったはいいけどこりゃ確実に席余ってないね」
未夢「あはは・・・」
-----------------------------------------------------------
惠「ほらー未夢が遅いせいで席がないー」
えええぇぇぇ。
惠「はは、まあ未夢が早くてもこの時間は混んでるけどさ」
可菜「あそこ空いてるよ」
可菜ちゃんが指差す先にはちょうどよい塩梅に、席が3つ空いていた。
可菜「私が席取っておくよ」
未夢「他の人たちが入ってこないかなあ」
惠「その時は蹴り飛ばして、外にダンクよ」
未夢「蹴り飛ばさないのっ」
惠「じゃあ可菜よろしくね」
そういうと可菜ちゃんは小さく手を振って合図した。
わたしは今日はミニハンバーグ定食を選んだ。
未夢「恵ちゃんは前もカレーだったね」
惠「カレー好きだかんねえ」
どこかのおやじっぽい返事を返す恵ちゃん。
未夢「もしかして毎日?」
惠「んなこたないけど」
未夢「可菜ちゃんはどんなの?」
可菜「ん?これ?」
惠「ぉ、可愛いじゃん」
桃色のナフキンに包まれた桃色のミニパックの中には、のりご飯に桜色のふりかけ。
横には卵焼きとミートボール、ミニトマトにブロッコリーと色鮮やかだった。
未夢「わ〜すごいね」
「私一人で作ったの」
惠「可菜が!やるねぇ」
可菜「ちょっとだけお母さんにアドバイスもらってね」
未夢「恵ちゃんは作らないの?」
惠「あたしは全然」
恵ちゃんは苦笑いしながら手を横に振るだけだった。
惠「そういう未夢はどうなのよ?」
未夢「わ、わたしも全然」
惠「またまた〜。そんなこと言ってると愛妻弁当待ってる西遠寺が悲しむぞ」
未夢「だから愛妻って何っ・・・」
惠「ん〜?アジサイの聞き間違えじゃない?」
じゃないです。
未夢「てゆうか今の会話のどこにアジサイの要素がっ!?」
可菜「未夢ちゃん、ナイスツッコミ」
可菜ちゃんがキリッとした顔で親指を立てた。
可菜「今度、料理の仕方教えてあげるよ?」
未夢「べ、別にいいって・・・」
惠「そんなこと言わんと素直に受け取っときや。いざという時役に立つんだから」
何故か一部関西弁だった。
未夢「う、うん。まぁそうだね・・・!」
また半ば強引に返事させられてしまったのだった。
惠「それはそうと、未夢のメニューはまたそれかい」
未夢「え?またじゃないよ、前と違うよ」
惠「ちっがーう!そっちじゃなくて、こっれ!」
恵ちゃんが指差す先には、プリン。
未夢「あれ?いつのまにかプリンがおいてあったー。わーいラッキーおほほほほ」
惠「・・・未夢ってこんなキャラだっけ」
未夢「・・・プリンおいしいもん」
惠「わっ、未夢かわいい!どれどれ、そんな未夢が好きなここのプリンの毒味をしてさしあげよう」
未夢「わーっ、わたしのプリンっ」
プリンを巡って激しい戦争が勃発するっ!
惠「・・・なわけないだろがっ」
未夢「あれ」
意外とあっさり返された。
惠「しっかし、そんなに美味そうに食べてるとさー」
惠「見た目ただのプリンとわかっててもどんだけ美味いのかと思ってしまうよ」
可菜「未夢ちゃん、プリンのコマーシャルに出れるかもね」
未夢「おいしいおいしい」
プリンを無事食せて幸せなわたしなのだった。
--------------------------------------------------
ぐう〜
未夢「?」
なんか妙な音が聞こえたような・・・
ぐうぅぅ〜・・・
気のせいじゃなかった!
彷徨「なんだよ未夢、まだ腹減ってるのか」
彷徨が小声で話しかけてきた。
未夢「ばっ、わたしじゃないわよっ」
彷徨「じゃあ屁か」
未夢「だからわたしじゃないってばっ。っていうか、失礼ねっ」
教師「ちょっとそこっ、うるさいですよっ」
未夢「スミマセン」
彷徨「授業中は静かにな」
未夢「くうぅぅぅぅぅ〜っっ・・・!」
ぐうぅぅ〜っ。
彷徨「腹減った・・・」
未夢「やっぱりあんたじゃないのっ!」
彷徨「恥ずかしかったんだよ」
未夢「わたしだって恥ずかしいわよっ・・・!」
彷徨「いや、未夢ならいつものことだから恥ずかしくない」
未夢「あ〜ん〜た〜ね〜」
彷徨「叫ぶな、腹に響く・・・」
未夢「だから言ったのに」
彷徨「お前が飯作ってきてくれたらいいんだよ」
未夢「えっ・・・。っていうか、それなら購買のパンでも買っておけばいいじゃない」
彷徨「いや、お前のが食いたい」
彷徨はわたしに期待しているらしかった。
未夢「そっ、そこまで言うなら、作ってあげてもいいわよ」
烈「わーい未夢さんの手料理」
零「お前じゃない」
烈「わぷっ」
彷徨「・・・いや、やっぱりやめとく」
未夢「彷徨、今何考えた?」
彷徨「殺される」
未夢「あ〜あ〜いいわよ、わたしの愛の篭もった料理でトドメをさしてあげるわよっ」
彷徨「ああ・・・いろんな意味でな・・・」
未夢「・・・?と、とにかく!弁当が必要ならちゃんと前もって連絡しなさいよね。急には作れないんだから」
彷徨「わかったよ・・・」
烈「わーい未夢さんの手料理・・・わぷ」
零「だからお前じゃないってば・・・」
未夢「今日の晩ご飯はパパもママもいないから、一緒に食べない?」
わたしは授業が終わるとすぐに彷徨に声をかけた。
彷徨「ああ、いいぜ。そのかわり、ちゃんと食べられるもの作れよな」
わたしが作ること前提らしい。
彷徨は舌をペロっと出して、わたしをからかう。
そんな彷徨に向かって、わたしは頬をぷうっと膨らませた。
未夢「ヒ、ヒドイよっ! わたしだって最近は失敗する回数も少なくなったし!」
未夢「こないだのお弁当も惠ちゃんや可菜ちゃんにほめられたんだからね!!」
彷徨「へぇ、じゃぁ楽しみにしとくぜ。じゃあな」
そう言って手をヒラヒラさせながら彷徨は教室を出て行った。
未夢(彷徨のバカッ!)
わたしはさっきのやりとりに憤りを覚えながらも、心の片隅ではワクワクしていた。
最近では料理の腕も上達してきているので、その腕前を彷徨に見せるいいチャンスだ。
絶対に美味しいと言わせてやる、と意気込みながら、わたしはメニューを思い描いていた。
廊下は冷えている。
触ればまるで氷のようだろう。
雨水でも流れ込んできて一晩でも経てば、明日には廊下がスケート場にでもなっているかもしれない。
それぐらい冷えてきている。
冬の昼は短い。
早く帰ろう・・・
何とはなしに改めてそう思ったところで、足にわずかな感触があった・・・。
未夢「野球のボール?」
わたしは疑問を声に出していた。
そう、野球のボールがわたしの足元に当たったのだ。
堅いから、硬式かな?
そう思ってボールを拾い上げてボールを見ながらどうしたものかと思案していたところ、何かが迫ってきた。
声「あ、すいません、そこのボール渡してくださ・・・わぁっ!?」
野球のボールを山ほど抱えた女の子?が、こちらに寄って来たかと思ったら、体勢を崩して倒れてきた。
【イベントCG 1_夏希_登場−こけたところ(尻もち)ユニフォーム】
頭と頭がぶつかってしてしまい、わたしは痛みで呻き声を上げながら頭を抑える。
声「いてて・・・」
ぶつかった相手の呻き声が聞えて、わたしはジンジンする頭を働かせて慌てて謝った。
なぜなら、わたしと相手の周りには数え切れないほどのボールがそこら中に転がっていたのだ。
未夢「ご、ごご・・・ごめんなさい! わたし、考え事してて、その・・・周りが見えてなくて」
わたしは必死に頭をぺこぺこ下げて謝った。
女の子「・・・いや、いいよいいよ。私の方が不注意だったし、ごめんね?」
わたしは相当焦っていたが、ぶつかった相手の女の子は意外にも笑顔を見せて応えてくれた。
でも、どうやら転がってしまったボールが気になるようで、心ここにあらず、といった感じだ。
未夢「あ、あの・・・わたし手伝うね!」
わたしは近くにあるボールを掴んで、カゴの中に入れ始める。
ボーっとしていた女の子も、「ありがとう」と言って拾い始めた。
女の子「ありがとう、手伝ってくれて」
かなり遠くまで転がっていってしまったボールも全て集め、数を数え終えたところで女の子が言った。
未夢「いいの。わたしも悪かったしこれだけのボール1人で集めるのは大変だよ」
苦笑しながらそう言うと、女の子はホッとしたように笑って言った。
さっきは慌てていて気づかなかったが、よく見ると女の子は野球部のユニフォームを着ている。
(てことは、もしかして・・・)
女の子「私、2−Hの五十嵐夏希(いがらしなつき)。よろしくね!」
やっぱり、と思った。『五十嵐夏希』という名前を聞いたことがあったのだ。
男だらけの野球部で、マネージャーとしてではなく部員として活躍している唯一の女の子。
それもレギュラーだ。
レギュラーなんて、なろうと思って簡単になれるわけじゃない。
この学校はあらゆる部活に力を入れているが、中でも特に力を入れているのが野球部。
その野球部のレギュラーに女の子がいる、と言う話は有名で、もちろんわたしの耳にも入っていた。
ただわたしの頭の中で、顔と名前が一致していなかったので、わからなかった。
でも、今彼女が名前を言ったことで確信した。
未夢「わたしは、2−Aの・・・」
相手に言わせっぱなしは良くないので、自分の名前を言おうとした時、五十嵐さんがその続きを阻んだ。
夏希「知ってるよ。光月未夢さんでしょう?有名だよ。眉目秀麗のバスケ部キャプテン、西遠寺くんの彼女」
未夢「えっ!?」
声「夏希ー!ボール早くしろー!持ってこーい!」
夏希「はーい! ・・・良かったらうちの部の練習見ていく?」
未夢「えっ」
突然誘われた。
見に行く
⇒遠慮しておく
===========================/////////////////////////////========================
未夢「やっ、遠慮しておくよ。邪魔しちゃ悪いし・・・」
夏希「・・・そう。残念ね。また機会があったら、ゆっくり話しよっ」
五十嵐さんは少し残念そうな顔をしたけど、すぐ笑顔になって話してくれた。
未夢「うん!」
夏希「ぶつかっちゃってごめんね」
五十嵐さんは小さく舌を出しながらウィンクした。大量のボールを詰めたカゴを再び持って、去って行った。
未夢「可愛いコだったなぁ・・・」
何となくそう思ったのだった。
【移動 このシナリオファイルのチェック001に移動する】
===========================/////////////////////////////========================
⇒見に行く
遠慮しておく
===========================/////////////////////////////========================
【フラグNの値を+1する】
未夢「いいの?そしたら、ちょっと見に行ってみようかな・・・」
夏希「うん!ぜひ来て!」
五十嵐さんは満面の明るい笑みで喜んでいた。
夏希「色々話もしたいしね」
---------------------
男の子「あー、夏希!遅ぇよ・・・って誰?」
知らない男子にいきなりなご挨拶をされた。
まぁ当然かもしれない。
いきなり全然知らない女の子がホームに現れたら誰だってそう思うだろう。
夏希「うっさいわねー色々あったのよ。・・・んああこの子?」
男の子「待て、なんか見たことあるぞそいつ・・・名前がわからねぇ」
わたしは苦笑して成り行きを見守っていた。
男の子「あ、そうだ!バスケ部部長のいつも隣にいるやつ!」
急に大きな声を出されてびっくりした。
しかし周りの人にはそう見られているのか。
夏希「光月 未夢ちゃんよ」
未夢「は、はじめまして」
男の子「2年か。同級生なんだからかしこまることねぇよ」
ネクタイの色で判断されたらしい。
男の子「俺は畑中。畑中 広志(はたなかひろし)。よろしくな!」
未夢「改めまして光月 未夢です」
わたしは頭をぺこっと下げた。
夏希「挨拶は基本で重要よ」
畑中「・・・で夏希よ、こんな連れてきてどーすんの。なんか頭下げられたけどチームに入るってこと?」
未夢「え!」
自分で頭を下げたのはただの挨拶。チームに入るなんて聞いてない。
夏希「そこでぶつかっちゃったから、お詫びに練習見ていかない?って誘っただけよ」
夏希「ってかその手もあったか」
未夢「その手もあったかって、わたし聞いてないよ五十嵐さんっ」
夏希「夏希でいいわよ。その代わり、未夢ちゃんって呼んで、い?」
未夢「う、うん」
畑中「遅かったのはそのせいか・・・ってか詫びになってねぇし」
畑中「まぁ見られる分には別にいいから、適当に見ていってくれよな」
未夢「う、うん、ありがとう」
畑中「相手チームにうちの動きとかデータちくるんじゃねぇぞ」
未夢「そんなことしないよっ」
っていうか、やり方がよくわからないのでできないと思う。
夏希「さっきの話だけど、よかったらうちの部活に入らない?」
未夢「えええ」
色々唐突過ぎた。
っていうか入れないと思う。
答え方に迷っていると、話が引き続いた。
夏希「あはは。まぁ半分冗談よ。でも未夢ちゃんって部活入ってなくない?」
未夢「う、うん、部活には入ってないよ」
夏希「そしたら、もしよかったらうちの部活に入らない?」
さっきと同じセリフだった。
未夢「でもわたし、野球なんて全然わかんないし・・・みんなが許さないんじゃないかな?」
夏希「私がOKと言ったらOKよ!それに、最初は全然わからないものだよ」
夏希ちゃんは何故わたしを誘おうと思ったのだろうか?
道端でぶつかったから?そんなわけはない。
でも道端でぶつかったというきっかけで、烈くんはたくさん話しかけられる人(わたし)を。
いつもの人(零くん)以外に見つけることができた。
何かの始まりなんて、ちょっとしたきっかけにすぎないのかもしれない。
でもわたしに野球なんて向いていない。断るタイミングがわからなかった。
夏希「それじゃぁいつも帰りにうちの部活に顔出してってよ」
夏希「みんな可愛い女の子が来たーって喜ぶだろうから」
未夢「え・・・な、夏希ちゃんも十分可愛いよっ」
夏希「うふふ、ありがと。でもみんなは私のこと見飽きてるしね」
夏希「未夢ちゃんの方が目の保養にも英気の養いにもなるわ」
目の保養って、なんだかオジサンくさかった。ボーイッシュなことしてるとそうなるのかな。
それはともかくとして、帰り道に通りすがっていくだけなら別にいいかも・・・
未夢「ま、まぁ見ていくだけなら・・・」
どこか心地よい誘いに断り切れずにいた。
夏希「ホント!?やったぁー!」
なんでそんなに喜んでくれるのか・・・なにかがんばって喜ばれるのならともかく。
何もしない(できない)ので、複雑な心境だった。
畑中「夏希ーっ!そろそろ練習に入れよーっ!」
夏希「はーいっ! じゃ、そうゆうことで、適当に見てってね!」
夏希「明日から毎日グラウンドに顔を出すことっ!」
夏希ちゃんはこちらを向きながらぴっと指を立てて、グラウンドの方へ走って行った。
わたし、いつの間にか部員化みたいになってる・・・やばい。
練習の様子をまだ見ていく
→もうそろそろ帰る
移動 このシナリオファイルのチェック001に移動する
------------------------------------------------------------------
→練習の様子をまだ見ていく
もうそろそろ帰る
(フラグNの値を+1する)
とか思いつつ、付き合いで何となく抜け出せないでいた。
でもそんなにイヤというわけでもないからそのまま見ていることにした。
夕日もくれる頃、練習は終わったみたい。
夏だったらまだ明るいし、涼しくなる頃だからまだやるのかな。
冬だと、明るさもあるけど汗が風で冷えて体に悪そうだ。
部活の最中、夏希ちゃんは活き活きしていた。
何も考える暇もなさそうだ。
自分のやりたいことを見つけ、夢中になれるのは羨ましいなと思った。
わたしの、自分のやりたいことってなんだろう?
もう、見つけないとまずい時期なのかもしれない。
夏希ちゃんを見てて、少し気が焦った。
夏希「未夢ちゃん、今日は練習見てってくれてありがとね」
畑中「しかし夏希よ、一体どうした?急にこんなん連れてきて…」
確かにそうだ。どんなつもりなんだろう。
夏希「前から未夢ちゃんとはお友達になりたいと思ってたのよ」
可愛い夏希ちゃんは語尾もちゃんと女の子だけど、話し方の雰囲気がどことなくボーイッシュだった。
男の子といるとそうなるのかな。
未夢「あ、ありがとう…。で、でも!こちらも夏希ちゃんのことは、気にかけていたよ?」
夏希「うふふ、ありがと。未夢ちゃんは思った通り、やさしーね」
笑顔で答えてくれた。ちょっとお世辞だって読まれちゃったかな…罪悪感だった。
夏希「明日も是非見に来てねっ」
未夢「う、うん」
少々強引な誘いを断り切れず、返事をした。
けどまぁ、明日また考えよう。
チェック001 /////////////////////////////////////
今日はママとパパが夜遅くまでいないので、西遠寺で食事を取ることにしていた。
つまり、彷徨と2人きりでご飯だ。
そんなことは今までも何回もあったが、今は気恥ずかしさよりも嬉しさの方が大きかった。
西遠寺の階段を登り切った。
思えば、中学時代は一年間毎日ここを登り降りしてたんだっけ。
疲れたけど、その疲労もどこか懐かしい感じがした。
ピンポーン
インターホンを鳴らした。相変わらず、我が家のをイタズラで押してる気分にすらなる。
彷徨『はい』
未夢「わたしだよ」
彷徨『ああ、ちょっと待ってろよ』
プツッ
彷徨は、アポを取ってても確認せずに出てくることはない。
がちゃっ
ガラガラガラっ
横開きの玄関が開けられた。
彷徨「お疲れさん」
未夢「彷徨もお疲れ様。大丈夫?」
彷徨は松葉杖姿だ。
彷徨「ああ。もう腹ペコで…」
未夢「ちがーう!足よ、足!」
彷徨「え?ああ」
忘れていたように言う。
彷徨「こんなの平気だよ」
彷徨のことだから、きっとやせ我慢してるに決まってる。
未夢「決めた!彷徨の足が治るまで、毎日彷徨の家に寄るわ!」
彷徨「大丈夫だってのに」
強がって見せたが、否定もされなかった。
こういう怪我をすると、何かと不便だ。
もし、足一つ失ったら、どう生活するというのだろうか。
未夢「彷徨、脱ぎなさいっ」
彷徨「えええっ。な、なんだよいきなり」
未夢「そんな怪我してたら、お風呂入れないでしょ。体の汚れ落としてあげるから」
彷徨「いいよ、そんなの」
彷徨は億劫そうに苦い顔をした。
未夢「よくなーい!みんなから臭い臭いって言われるよ」
彷徨「いいよ、別に」
彷徨は昔から他人からの視線に興味がなかった。それが厄介でもあった。
未夢「わたしがよくないのよっ。今日だって、彷徨経由でわたしのこと知ってた子いたんだから」
彷徨「え?誰だよそれ」
そういえば、夏希ちゃんと会ったこと話してなかった。
未夢「ご飯の時に話すわよ。それより今は、脱がすよっ」
彷徨「わ、馬鹿おいやめろって」
有無を言わさず、ワイシャツを脱がした。
彷徨「…」
中学生の頃より、男前になってる。気がする。
男の子らしい肩の形と大きさ。たくましかった。
未夢「あれ、そういえば、おじさんは?」
彷徨「知らないよ。たまにどっかふらふらっと出ていくんだから。しょーがねーよなぁ」
未夢「!」
ということは、彷徨と二人きり!?
上半身裸の彷徨と二人きり!
彷徨「…どうした?ここまで来たんだから、体拭いてくれよ」
未夢「う、うん」
二人きりという事実に加えた、目の前の彷徨の上半身。しかも、そうさせたのは自分だ。
自分から望まずとこのシチュエーションを作り出してしまった。
意識してしまって、どぎまぎする。
と、とりあえず、タオル探さなきゃ!あとボウル!
西遠寺の家に、どこに何かあるかは把握済みだった。あの、濃い一年間を忘れるはずもない。
タオルを濡らして、少し石鹸をつける。絞って水気を切らし、彷徨の背中を拭いた。
非力なわたしの力じゃ、固い彷徨の背中には心地よくないかもしれない。
っていうか、目の前に彷徨の裸!
恥ずかしさを誤魔化す為に、思いっきり背中を擦った。
彷徨「んっ、いててっ、おいおい、もっと落ち着いてやってくれよ」
未夢「あっ、ご、ごめん」
未夢「…」
無言で拭く。彷徨は基本的に無口だから、わたしが何か話さないと、話題がない。
だけど、それどころじゃなかった。
彷徨「…同じとこばっか拭かれても仕方ないんだが」
未夢「あ、ご、ごめん」
一心不乱に拭きすぎた。彷徨の背中一部が真っ赤っかだ。
タオルをすすいでしばらく拭いて背中を拭くのを終えることにする。
未夢「はい、終わりっ」
彷徨「ああ」
未夢「…」
彷徨「…」
しかし彷徨は服を着ない。
未夢「し、シャツ着なさいよっ」
彷徨「え、前も拭いてくれよ」
ま、前もっ!?
彷徨「当たり前だろ。せっかくなのに背中だけ拭いてもらっても」
背中だけでこんなに恥ずかしいのに、前なんか拭いたら、何されるかわかったもんじゃない!
か、彷徨も、い、一応男の子なんだしっ…。
ていうか気付きなさいよね。
このデリカシーなしのスカポンタン!
未夢「ま、前ぐらい自分でやりなさいっ」
彷徨「何だよ、自分から脱がせたくせに…」
彷徨はやや斜め後ろに位置したボウルを手に取り、自分で体を拭き始めた。
彷徨はあぐらをかいて、無言で体を拭いている。
わたしは彷徨の後ろで横を向いて正座していた。
何もできない。何も考えられない。頭が真っ白だ。
この世には時間だけが存在しているような感じだった。
両目を思いっきり瞑っていたら、服が擦れる音が聞こえた。
彷徨「終わったぞ」
見ると、彷徨がシャツを着、整えていた。
未夢「あ、う、うん」
何が、あ、う、うんだ。わたしは何しに来たのだ。
彷徨「早く飯作ってくれ」
いつの間にか彷徨は立ち上がっていて、戸に手をかけているところだった。
そうだ。ご飯作らなきゃ。
彷徨「未夢」
未夢「えっ」
突然、彷徨がわたしの名前を呼んだ。
彷徨「その…サンキュ…な」
それだけ言って彷徨はそそくさと部屋を後にした。
未夢「…」
この変な気持ちを払拭するために、強引に気持ちを切り替えることにした。
しびれかけた足を動かし、わたしもその部屋を後にする。
彷徨は体を拭かれている時、どんな気持ちでいたんだろう。
彷徨の感謝の言葉…
良い風に受け取って、いいんだよね。
いきなり一年間を共に過ごし、彼氏彼女の間柄になって、半ば何でも以心伝心できるんだと思ってた…。
だけど、全然わからなかった。
まだまだ、これからかな。
未夢「あ、待ってっ」
彷徨にもっと近付きたいため、わたしも駆け足で追いかけた。
彷徨「それで?俺をきっかけに知り合ったやつって?」
今日の晩御飯は、カボチャソースのパスタ。少し彷徨用に、お塩風味にしあげてみた。
あとはピーマンの切れをまぶすように載せてある。
彷徨は好き嫌いしないけど、その分選択肢が広がる。
だけど母親の影響で異様にカボチャ好きだから、こればっかになるのだ。
彷徨が実はお母さん大好きっ子だったこともここから読み取れた。
未夢「野球部に女の子が居て…」
彷徨「ああ…五十嵐?だっけか?」
未夢「知ってるの?」
彷徨なら何でも知ってそうだ。
彷徨「と言っても、名前だけで実際に顔合わせて会話したこともないし」
彷徨「で、その五十嵐が未夢にどんな用だ?」
わたしはいきさつを話した。
【フラグN < 1 ならこのシナリオファイルのチェック002に移動】
彷徨「はぁぁ?お前、野球部に入んの?」
未夢「いやっ、まだ決めてないよっ」
彷徨「決めてないって、やる気があるのかよ」
未夢「う、うーん…わかんない」
【チェック002 /////////////////////////////////////】
彷徨「ふーん…何でもいいけど、何かあったり決めたりしたら、また話してくれよ。相談に乗るから」
未夢「う、うん。わかった」
彷徨「ごちそうさま」
未夢「早いね」
彷徨「美味かったからな」
綺麗に完食していた。
さらっと言うが、ぶっきらぼうな彷徨なりの褒め方なのだ。
不器用過ぎる。彷徨を知ってるわたしだから、わかるのだ。
未夢「うふふ。ありがと」
未夢「じゃあ、帰るよ」
彷徨「下まで送ってくよ」
未夢「いいわよっ!そんな足であの長い階段をケンケンされたら、気になってしょうがないじゃない」
その方が心臓に悪かった。
彷徨「…気をつけて帰れよ」
彷徨は怖そうな顔で言った。
未夢「大丈夫だよ…どうしたの?」
彷徨「いや…気をつけてくれよ。最近物騒だからな」
確かに。ニュースにもあった。
彷徨「ごめんな。俺がこんな無様な格好で」
彷徨は心配してくれているらしかった。
未夢「ううん。そんなことないよ」
その怪我は、わたしを想ってくれた対価の勲章だと思う。
未夢「じゃあね。お休み」
彷徨「ああ。また明日」
また明日。彷徨に会える。
それを楽しみにし、西遠寺を後にした。
未夢「ただいまー」
未来「おかえりなさい。遅かったのね」
未夢「彷徨の家に行ってて」
未来「うふふ。そんなことだろうと思ったわ」
ママは何でもお見通しか。
未来「ご飯はいいの?」
未夢「彷徨んちで食べてきたよ…連絡してなくてごめんなさい」
未来「だいじょーぶよ」
ママは笑って済ませた。その笑顔が嬉しいと共に、わたしの中の罪悪感を増幅させた。
次からはちゃんと連絡しよう。
未来「早くお風呂に入って、寝なさいね」
未夢「はーい」
未来「宿題とか大丈夫?」
未夢「大丈夫だよ」
わたしはママの横を通りすがった。
未夢「ママ」
未来「ん?」
未夢「いつも、心配かけてごめんね。ありがとうね」
未来「はいはい」
今日も色んなことがあった。
彷徨がいきなり松葉杖ついてきたり…
夏希ちゃんとも出会った。
彷徨の家でどきどきしたり…
冬の寒さもどこへやら。
明日を楽しみにして、わたしは眠りについた。