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朝

 ====================================== 雪の戦争 ====================================== 

【背景:未夢の部屋(暗)】

ちゅんちゅん・・・

未夢「・・・」

雀の鳴き声で目が覚めた。
というより、気付いたら朝で、雀の鳴き声が聞こえたと言った方が正確かも。
今日は寝起きが良いようだ。
いつも目覚めが悪いので(冬はいつもそうだが)、低血圧かと思っていたけど、そうでもないのかもしれない。
ベッドから降りたってすぐにカーテンを開け放った。
カシャァッ!

【背景:未夢の部屋】

未夢「うわっ!何これ・・・!」

【背景:住宅街(雪積もり)】

めちゃくちゃ天気だけど、昨日と地面の雪の量がぜんぜん違う!
いつの間に降ったのかと、わかっていても思わず驚いてしまうほど積もっていた。
昨日の夜中の間に急激にたくさん降って、今朝明ける前に止んだんだと思う。
雪の夕立だった。

【背景:リビング】

未夢「ママっ、すごい積もってるよっ」

開口一番がそれだった。
別に珍しくもないのかもしれないけど、なんとなく興奮した。

 【立ち絵:未来】

未来「おはよう、未夢。夜中の間にすごい降ったみたいね」
未夢「おはよう、ママ。うん、そうみたいだね〜」

挨拶するのが遅れてしまったが、二人していつの間にかの天からの雪置きに驚いていた。

 【立ち絵:優】

優「何だい、騒がしいようだけど・・・」
未来「あら、パパ。ごめんなさい、起こしてしまったかしら・・・」

 【立ち絵:未来(驚き顔)】

優「おおっ!なんだこりゃ!いつの間にこんなに雪が積もったんだい!」

未来「夜中の間に増えたみたいよ」

 【立ち絵:優】

優「そうか〜。そういえばニュースで、夜中に大寒波が通り過ぎるとか言ってたっけ」

 【立ち絵:優、未来】

未来「そろそろ朝ご飯にしましょう。未夢も起きてきたことだしね」

 【立ち絵:優(真面目顔)】

優「ふ〜む・・・」

パパは外の積もった雪を見ながら何か考えていた。

未夢「パパ、どうしたの?」

わたしの声も届かず、何か考えているようだ。

【画面更新】

 【立ち絵:優(笑顔)】

優「よし!明日明後日の土日は、みんなでスキーでもしに行こうか!」
未夢「えっ」

 【立ち絵:優(笑顔)、未来(笑顔)】

未来「いいわね、それ。ぜひそうしましょう」

ママは手を叩いて賛成していた。

 【立ち絵:優】

優「未夢はどうだい?予定が空いてなければ無理することもないけど・・・」

パパは遠慮がちに言ってきたけど、スキーの提案は嬉しかった。
わたしは急いで首を横に振るのだ。

未夢「ううん、そんなことないよ!スキー行こう!家族みんなで出かけるのって久しぶりだね」

パパとママが休暇状態になってからは別にそんなこともないのだが、今まで一緒に行けなかった分、楽しみたい。

 【立ち絵:未来】

未来「良かったら彷徨くんも誘ってらっしゃい。きっと喜ぶわ」
未夢「いいの?」

 【立ち絵:優(困り顔)】

優「ええ〜、ママ〜」

 【立ち絵:未来(怒り顔)、優(困り顔)】

未来「私がイイって言ったら、イイの!」

ママが、めっ、とパパを睨みつけたら、パパが泣きそうな苦笑いと言うか、口をへの字にして、え〜という顔をした。

 【立ち絵:未来(笑顔)】

未来「明日明後日が楽しみね」

ママはそういうと、わたしの方へ向いて、にやりとした。
なんか、楽しみと言うのがスキーが引き起こした別の何かのような気がする・・・。

未夢「そういえば、明日明後日、って・・・お泊り?」

 【立ち絵:優、未来】

優「こんなに雪が積もったんだから、明日だけじゃ物足りないだろう?」

 【立ち絵:優、未来(笑顔)】

未来「どこかいいホテルが予約できるといいわね。未夢が学校行っている間に、予定立てておくわね」

ママはもはや楽しみでしょうがないらしい。
ノリで進んでいく計画にポカンとするわたしだったけど、その様子を見るのは楽しかったし、これからも楽しみだった。
明日も晴れるかなぁ。

【背景:住宅街(雪積もり)】

朝ご飯では明日の話でパパとママが盛り上がっていた。
その様子を見ているのは楽しかった。
朝ご飯や朝準備を済ませてから家を出ようとすると、玄関前の鉄格子が凍っていた。
お湯で雪ごと氷を溶かしてからじゃないといけなかったほどだ。

未夢「しっかし、雪がっ、積もりすぎてっ、歩きにくいっ」

ブーツでズボズボ歩いて行く感じが何とも・・・。
しかし、なんて言うか、足が固定される感じなので、逆にこけにくかった。

【背景:電車】

それにしても彷徨も誘うのか・・・
パパやママもいるとは言え、彷徨と遠出できるのは初めてじゃなかろうか?
考えたらすごく恥ずかしくなった。というか、期待も合わせてよくわからなくなった。

【背景:駅】

駅に着いた。彷徨がこちらに気づいたようだ。

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「ん」
未夢「おはよう彷徨」

 【立ち絵:彷徨(疑問顔)】

彷徨「ああ、おはよう。なんか、浮かない顔をしてるな。何かあったのか?」
未夢「ううん、ちょっと考えごと」

最後に彷徨のことを考えていたのでなんとなく目を背けてしまった。
自分でもおかしなものだと思った。

彷徨「?」
未夢「それより彷徨、明日空いてる?」

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「ああ、特に用事はないが・・・」
未夢「だったら、明日スキーに行かない?」

 【立ち絵:彷徨(疑問顔)】

彷徨「はぁ?」
未夢「スキーよ、スキー!」

 【立ち絵:彷徨(呆れ顔)】

彷徨「そんなに告白されてもな・・・」

彷徨は頭をかく仕草をしている。

未夢「ちっがーう!雪の上で滑るスポーツよ!」

なんとなくわたしも顔が赤くなってしまったじゃないっ。

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「わかってるよ。しかし何でそんな突然。お前と2人で?」
未夢「パパとママも一緒だよ」
彷徨「それなら、家族水入らずで行ってこればいいじゃないか」

彷徨が遠慮した。なんか残念な気もした。

未夢「でも、ママが彷徨も連れてきなさいって」

 【立ち絵:彷徨(困り顔)】

彷徨「未来さん、俺行ってもいいのかなぁ・・・」
未夢「ママが良いって言ったらおっけーだよ」

ママが、自分が言ったらOKだという、パパを退けたシーンが思い出されて、なんとなくおかしかった。

未夢「それに・・・」

 【立ち絵:彷徨(疑問顔)】

彷徨「それに?」
未夢「わたしは・・・彷徨にその・・・来てほしいな・・・」

自分でも大胆なことを言ってしまったな、と思った。

 【立ち絵:彷徨(照れ顔)】

彷徨「うっ、しょ、しょうがないな、そこまで言うなら、ついて行ってやらないこともない、ぞ」

彷徨は向こうを向きながら言ったので、何を言ったのか全部は聞き取れなかったけど、大体は予想できた。
彷徨とスキーができる。わたしはうれしかったのだ。明日が楽しみだ。

未夢「わっ」

唐突に、頭をくしゃくしゃっとされた。

未夢「なっ、何するのよっ、このぼけーっ」

 【立ち絵:彷徨(笑顔)】

彷徨「明日、楽しみだな」
未夢「・・・」
未夢「うんっ!」

ママたちに感謝しなくちゃな。


【背景:通学路】

未夢「あれ?」

【イベントCG 4_烈_溝にはまっている後姿】

見ると、烈くんと思しき姿が見えた。

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「あいつ、何やってるんだ・・・?」
未夢「さぁ・・・」

 【立ち絵:烈】

烈「誰か助けてくれーっ」

多分、こけてドブに嵌り、一人で抜け出せない状態のように見えた。

未夢「烈くんっ?大丈夫?よいしょっ」

 【立ち絵:烈、零(困り顔)】

零「まったく、何やってんだお前・・・」


 【立ち絵:烈(笑顔)、零】

烈「ふう・・・助かったよ未夢さん。お昼1000円で手を打とう」
未夢「はい?」
烈「ご飯おごるよ、あ、でも200円おつりは返してね」

 【立ち絵:烈、零(怒り顔)】

零「1000円じゃなくて800円じゃねーか」

 【立ち絵:烈(疑問顔)、零(怒り顔)】

烈「え?あ、そうか」

この子は馬鹿か・・・。


【背景:教室】

 【立ち絵:惠】

教室につくと、惠ちゃんがいた。

 【立ち絵:惠(笑顔)】

惠「よぉ未夢、おはよ」
未夢「惠ちゃん、おはよう」

 【立ち絵:惠、彷徨(困り顔)】

彷徨「またお前は勝手にうちのクラスに・・・」
惠「だって暇だし。あと、勝手が困るなら今度から西遠寺に許可取ればええのか」
彷徨「いやいい・・・。暇って自分のクラスに友達いるだろ」

 【立ち絵:惠(笑顔)、彷徨(困り顔)】

惠「こっち見てた方が面白いのよ」
彷徨「別になにもないぞ?」
惠「いいよ」
彷徨「・・・」
惠「・・・」
彷徨「・・・」

惠ちゃんはにこにこしながらこっちの様子を楽しむかのように窺っていた。

彷徨「なんか怖ぇよ・・・」
未夢「あはは・・・」

【画面更新】


お昼休みになった。

 【立ち絵:零(目つむり)】

零「ふわ・・・」
未夢「零くん、眠そうだね」
零「昨日、烈に夜遅くまでゲームにつき合わされたからな・・・」

 【立ち絵:烈(笑顔)、零(目つむり)】

烈「いや、やる気がないだけだろぉ」

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「それより、ご飯ご飯!」

前の話題に反応するより先に、別のことを促された。
烈くんは話題に一貫性がない時があるなぁ。

未夢「烈くんそんなにお腹空いてたの?」

実は前の授業中、前の席からお腹の音が鳴りまくっていたのだ。

 【立ち絵:烈】

烈「私、すぐお腹減る体質みたいなんだよ」
未夢「朝ご飯は食べなかったの?」

 【立ち絵:烈(疑問顔)】

烈「ううん?食べたよ?」

朝の授業開始と同時に何か、"く〜"という音が聞こえたのは気のせいだったのだろうか?
もし朝ご飯食べて尚それだったら、ものすごい消化能力だ。

未夢「なんか、すごいね・・・」

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈「すごいといわれてるのにうれしい気が全くしないのはなんでだろ・・・」

苦悩していた。

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「ということで、食堂行こう!」

表情がコロコロ変わる子だ。見ていて面白い。
お弁当はすでに持ってきていたが、食堂で食べるのもいいと思った。

 【立ち絵:彷徨】

未夢「彷徨も行く?」
彷徨「未夢が行くなら」

 【立ち絵:烈(笑顔)、彷徨】

烈「うわ〜未夢さんが行くならって、金魚のフンだね!」

 【立ち絵:烈(笑顔)、彷徨(目つむり)】

彷徨「・・・殴る。黒焦げになるまで殴る」

 【立ち絵:烈(驚き顔)、彷徨(目つむり)】

烈「ごめんなさい!嘘です!っていうか黒焦げになるまでって、なにで殴るつもり!?」

 【立ち絵:零(目つむり)】

零「早く行かないと席埋まるぞ・・・」

零くんに促されて一行は食堂へ向かうのだった。

【背景:食堂】

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「よーし未夢さん、何を奢ろうか!」

未夢「え?」

烈「朝の話っ」

ああ、朝ハマっていたのを抜け出すのを手伝ってあげた時のことかな。
1000円で手を打つとか。本気だったんかい。

烈「何がいい?カツどんか、カツどんか、カツどんか、どれ?」

未夢「今カツどんしかなくなかった?」

烈「気のせい気のせい!」

未夢「わたしは、自分で払うから、気にしないで」

困ったけど笑顔で答えた。

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈「残念」

何故かとても残念そうに、自分の食べたい食券を選び出すのだった。

【画面更新】

未夢「すごい・・・」

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈「だから、すごいと言われてるのに嬉しくないのは何でかな・・・」

 【立ち絵:烈】

烈くんは食堂の要領がわかったのか、食券を買うと、唐揚げ定食とハンバーグ定食の2人分を持ってきて一人で両方食べ始めたのだ。
どうせなら、定食と単品を頼めばいいのに、ご飯が足りないのか両方とも定食なのでご飯のお皿も二つ分。おみそ汁も二つ分。
席に着く途中は、お店のウェイトレスのようにお盆を二つ持つ烈くんに対して周りが何事かと見ている視線もあった。
誰かの分を運んでいるようには、何となく見えなかったのだ。
・・・しかも何故か、惣菜のジャガイモが4皿分。謎。
これは定食のおまけではなく、小鉢として別個だ。何故それをしかも4つもチョイスした。

烈「なんとなく、食べたくなったんだよ」

視線をそのジャガイモに向けていたら、考えを読んだのかそんなことを言ってきた。
隣の零くんは、普通の顔で澄まして食べている。

 【立ち絵:烈、彷徨(困り顔)】

彷徨「なんか、食べ物を粗末にしている気がするぞ・・・絶対全部食べられない」
未夢「烈くんっていつもこんななの?」

以前一緒に食べに来た時は普通だったけど。

 【立ち絵:零】

零「ああ・・・いつもじゃないけど、たまに暴走する」
彷徨「胃下垂じゃないのか?」
未夢「いかすい?」

イカが水泳でもしてるのかな?

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「わからないのか?胃が下に垂れてることだよ」
未夢「そうなの?大丈夫?」
彷徨「病気じゃないけど、そういう症状というか体質のことで、要するにいっぱい食べられるんだ」
未夢「へえ・・・」
彷徨「それでいて、大抵は肥らないな」
未夢「ええー」

 【立ち絵:なし】

それだけ食べてその体の小ささを保持できるのなら、反則だ。

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈「ええーと言われても・・・」

 【立ち絵:なし】

烈くんは反論しながらも食事に夢中だ。

 【立ち絵:彷徨(困り顔)】

彷徨「竜玉の主人公のようだな」
未夢「ああ、あの有名漫画の・・・」

確かに。そう思った。

 【立ち絵:零(目つむり)】

零くんはすでに完食していて、目を閉じて静かに待っている。

 【立ち絵:彷徨(困り顔)】

未夢「わたしたちも食べよう」
彷徨「あ、ああ・・・」

そう思いながら、烈くんを思わず見ていると、ジャガイモに添えてある緑色のもパクっと食べた。

未夢「ええー。それ食べ物なの?」

 【立ち絵:彷徨(疑問顔)】

彷徨「なんだ?」
未夢「今、ジャガイモの横の飾りを・・・」

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「ああ、パセリのことか?見栄え用だからあまり食べないけど・・・一応食べられるな」

なんか、雑食みたいだ。

未夢「イカスイってなんでも食べられるんだね・・・」

 【立ち絵:彷徨(困り顔)】

彷徨「好き嫌いとそれは関係ないと思うぞ・・・」


【背景:教室】

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈「動けない・・・」

 【立ち絵:烈(困り顔)、零】

零「あんなに食べるからだ」

 【立ち絵:彷徨(困り顔)】

未夢「結局全部平らげちゃったね・・・」
彷徨「ああ・・・」

彷徨の予想も虚しく、烈くんは見事全部完食したのであった。

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈「食べ物を粗末にはしないよ・・・」

とは言いながらも苦しそうだ。

烈「でも、無理はしないけどね。お腹壊したら元も子もないから」

わたしにとってはすでに無理だった。



【画面更新】

授業後。

烈「ぐーっ、ぐーっ」

安らかに寝ていた。
授業の最後、起立礼があったのだが、後ろの席のせいかそのまま座っているのがバレなかったのだ。
みんなが立つので、上手い具合に隠れる形となったのだ。

未夢「烈くん、授業終わったよ」

肩をとんとんっと叩いてあげる。

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈「んあ」
零「ヨダレ」

 【立ち絵:烈(驚き顔)】

烈「うあっ」

零くんのすかさずの指摘で、急いですくいあげていた。

 【立ち絵:烈】

烈「んんーっ・・・良い朝だ・・・」
未夢「爆睡してたね・・・」

お昼にご飯をたくさん食べるとこうなってしまうということがよくわかった気がする。

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「さて、帰ろうか」

烈くんはがたっと勢いよく席を立つ。
あんたは学校に何しに来たんだ。

 【立ち絵:なし】

声「未夢ー」

 【立ち絵:惠】

教室の前のドアから、惠ちゃんが入ってきた。

未夢「惠ちゃん」
惠「一緒に帰ろうぜ。と言っても駅までだけどね」

彷徨の方を横目でチラ見した。

 【立ち絵:惠(驚き顔)】

惠「ああっとーごめん旦那様の存在を忘れていたー」

惠ちゃんは棒読みで言いながら大げさに体を反らせてみた。

 【立ち絵:彷徨】

未夢「彷徨は今日も部活なの?」

彷徨「わからない。一応部室に顔は出してくる」
未夢「じゃぁここで待ってるよ」

 【立ち絵:惠】

惠「じゃぁあたしもついでに待つかな」

 【立ち絵:烈(笑顔)、惠】

烈「じゃぁ私も」

 【立ち絵:烈(笑顔)、惠(怒り顔)】

惠「あんたは帰れ」

 【立ち絵:烈(驚き顔)、惠】

烈「ええーっ。何この扱い」
惠「未夢と旦那様のジャマでしょ」

 【立ち絵:烈(><顔)、惠】

烈「イヤだー何となく残りたい」

何となくか。

 【立ち絵:烈(><顔)、零(目つむり顔)】

零「ほら、帰るぞ・・・」

手をぶんぶん振る烈くんの首根っこを零くんが掴んだ。
なんか、追い払うようで気が引けた。

未夢「べ、別に居てもいいよ」

そんなことを言ってしまっていた。

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「じゃぁお言葉に甘えまして」

烈くんは笑顔になった。

 【立ち絵:惠(苦笑い)】

惠「全く、お人よしなんだから」

惠ちゃんはため息をついた。

 【立ち絵:惠(苦笑い)、烈(困り顔)】

烈「ちょ、ちょっと、どいてよっ・・・」

 【立ち絵:惠(怒り顔)、烈(困り顔)】

惠「ここはあたしの席」

惠ちゃんは来た時にすかさず前の席に陣取っていた。
零くんもその場の流れで、席についていた。

 【立ち絵:烈(困り顔)、零】

烈「私はどこに座れば・・・」
零「立ってろ」

 【立ち絵:烈、零】

烈「ええーっ。ああそうだ、西遠寺くんの席に座れば」

そう言うと、ささっと彷徨の椅子に座る。

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「これで平等だ」
未夢「別に、椅子取りゲームしてるわけじゃないんだから」

わたしは苦笑しながら諭すように言った。

 【立ち絵:惠(怒り顔)】

惠「旦那様の席に座るとは。それにしても、暇だねぇ・・・」
未夢「惠ちゃんは今日は部活ないの?」

 【立ち絵:惠(=o=顔)】

惠「雪積もったし、行く気しないや」

屋内活動だし、雪は関係ないのでは。

未夢「アルバイトは?」
惠「今日は、休み」

惠ちゃんはファーストフード店でアルバイトをしている。
なんでも、自分のお小遣いを稼ぎたいとのこと。
わたしにはまだ働くという感覚がよくわからなかったので、何となくすごいと思った。

 【立ち絵:零】

未夢「そう言えば零くんは、部活には入らないの?」
零「こいつのお守りが要るからな」

零くんは席で前を向きながら目をつむり、左手の親指で後ろの席を指した。
烈くんは目をぱちくりとさせている。

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「どうも」
未夢「烈くんも、部活は?」

 【立ち絵:烈(疑問顔)】

烈「うーん・・・」

 【立ち絵:烈】

烈「なんとなく入らないかなー。入ってもやめちゃいそう」
未夢「持続力なさそうだしね・・・」

 【立ち絵:烈(怒り顔)】

烈「そんなことないよ!継続は力なり!これでも意外と続けられるんだよ」

 【立ち絵:惠(怒り顔)、烈(怒り顔)】

惠「自分で意外とって言うなよ。しかもついさっき言った事と矛盾してるぞ」
未夢「あはは」

 【立ち絵:惠】

惠「未夢こそ、部活は?ウチに入ってくれる気になった?」
未夢「いやー・・・あはは」

 【立ち絵:惠(笑顔)】

惠「あっ、そっかー旦那様とイチャイチャしたいか〜」
未夢「いや別にそういうんじゃないけどっ・・・!」
惠「イチャイチャしたくないの〜?じゃぁあたしが取っちゃおっかなー」
未夢「惠ちゃんっ」
惠「冗談冗談」

 【立ち絵:なし】

ガララっ

 【立ち絵:可菜】

音の方向に反応するように顔を上げると、周りは、教室の中はわたしたちだけになっていたことに気付いた。
ドアには、可菜ちゃんがいた。

未夢「可菜ちゃん!どうしたの?」
可菜「未夢ちゃんと、一緒に帰ろうと思って」
惠「おいおい可菜、もうこんな時間だぞ。居なかったらどうするつもりだったんだ」
可菜「雪積もって、帰ってないと思ったから」

なんで?

 【立ち絵:可菜(怒り顔)】

可菜「ほら、案の定、いた」

ぴっ、とわたしたちを指差す可菜ちゃん。
別に雪が理由で居たわけじゃないけど・・・。
でもそれによって彷徨が部活があるかどうかを聞きに行った。
それを待つという体でわたしたちは結局教室にいる。
そこまで読んだ?いや、いつもの天然適当偶然だと思うけど。
可菜ちゃんはカバンを両手で前にしながらここまでやってくる。

 【立ち絵:可菜】

可菜「この子は・・・?」

可菜ちゃんは烈くんを見て聞いてきた。

未夢「あっ、そういえば可菜ちゃんは初めてだったね」
未夢「紹介するね。転校生の烈くんと零くんだよ」
未夢「転校生来たって、聞いたことあるんじゃないかな」

 【立ち絵:烈】

烈「あ、どうも、初めまして・・・紅瀬 烈です・・・」

未夢「・・・?」

なんとなく途切れの悪さを感じた。
初めての時だけ、人見知りするのかな?

 【立ち絵:可菜、烈】

可菜「これはご丁寧に」

可菜ちゃんはお辞儀した。

 【立ち絵:可菜】

可菜「・・・」
未夢「・・・」

 【立ち絵:烈(疑問顔)】

烈「・・・」

 【立ち絵:零(目つむり)】

零「・・・」

 【立ち絵:惠(怒り顔)】

惠「って、お前も名乗れよ!」

 【立ち絵:可菜(驚き顔)】

可菜ちゃんは驚いて、あっ、そうか、という顔をしてみせた。

 【立ち絵:可菜】

可菜「内田 可菜です。よろしくね、烈くん」
烈「よろしくお願いします」

可菜ちゃんはお辞儀しながら言った。
すると烈くんもつられてか、頭を下げながら挨拶した。

 【立ち絵:惠(困り顔)】

惠「同い年なんだから、そう改まることもないだろうに。って言うかあたしも自己紹介したっけ?」

未夢「転校してきた次の日に早速してたよ」

 【立ち絵:惠】

惠「忘れたよ。じゃぁもう一回。あたし武乃邑 惠。よろしく」

 【立ち絵:惠、烈(きょとん顔)】

烈「よろしく」
烈くんはさきほどと同じように頭を下げた。

 【立ち絵:可菜】

可菜ちゃんの視線と言うか顔は、零くんの方に向く。

 【立ち絵:零】

零「・・・闇無 零」
可菜「内田 可菜です」

零「・・・」

 【立ち絵:可菜】

可菜「・・・」

 【立ち絵:烈(きょとん顔)】

烈「・・・」
未夢「・・・」

 【立ち絵:惠】

惠「・・・」

 【立ち絵:可菜】

可菜「それで未夢ちゃん」

あれ?
確かに改まることはないけど、今の流れは一体?
烈くんたちは雰囲気悪くなったと考えるかもしれない。
でもこの可菜ちゃんの不思議適当天然感覚を知っているわたしと惠ちゃんにとっては、あれと一瞬思いつつもいつものかと落ち着くのだった。

未夢「なあに?可菜ちゃん」
可菜「まだ帰らないの?」
未夢「実は彷徨がまだ戻ってこなくて」
可菜「西遠寺くん?」

 【立ち絵:なし】

可菜ちゃんは後ろのドアを見る。

 【立ち絵:可菜】

可菜「誰もいませんが」
未夢「いやだから、まだ戻ってないんだよ。部活があるかどうか様子見に行ったんだって」
可菜「なるほど」

 【立ち絵:惠】

惠「あれから結構経つ気もするけど」
未夢「そうだね。戻ってこないってことはやっぱり部活あるのかな・・・帰ろっか」

 【立ち絵:なし】

ガララっ

後ろのドアが突然開いたと思ったら、彷徨だった。
噂をすれば影とやら。

 【立ち絵:彷徨(目つむり)】

彷徨「未夢、今日は部活ないみたいだ・・・」

 【立ち絵:彷徨(驚き顔)】

彷徨「ってなんか大所帯だな」

未夢「体育館でもやらないの?」

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「他の部員も集まると狭くなるからな。今日は速やかに帰りなさいって先生がな」
未夢「そっか。じゃぁ帰ろっか」

 【立ち絵:惠(怒り顔)】

惠「そうだ!」

惠ちゃんは急に声をあげた。

未夢「な、何?惠ちゃん、びっくりするじゃない」
惠「暇だし、、西遠寺も部活休みになったことだし、人数もいるし、明日休みだし、雪積もってるし、みんなで雪合戦しようぜ!」

 【立ち絵:可菜】

可菜「それ、ナイスアイデア」

ええ!?色々と、ええ!?だよ。運動苦手な可菜ちゃんも納得してるし。
どんな流れですか。

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「面白そう」

烈くんは笑顔で楽しみにしているようだ。

 【立ち絵:彷徨(呆れ顔)】

彷徨「何が悲しくて雪合戦しなきゃならないんだ・・・」

 【立ち絵:惠(笑顔)、彷徨(呆れ顔)】

惠「部活ができなくて、じゃない?」

 【立ち絵:彷徨(呆れ顔)】

彷徨「全く・・・。未夢はどうする?」
未夢「彷徨は?」
彷徨「いや、俺がお前に聞いてるんだが・・・」

 【立ち絵:惠(笑顔)、可菜】

惠「聞いた聞いた?今の思いやり合い!うあーっ」
可菜「いつものことね」
惠「うらやましい限りだ」

聞こえるように言うひそひそ声が聞こえた。
わたしは照れ恥ずかしで困って、なんとなく口元が波線になった。

 【立ち絵:彷徨】

未夢「わたしは、別にいいよ、やるよ」

 【立ち絵:彷徨(呆れ顔)】

彷徨「じゃぁ俺も部活の代わりとするよ・・・」

未夢「烈くんは楽しそうだから置いといて・・・零くんはどうする?」

 【立ち絵:烈(お気の毒顔)】

烈「ハブられている・・・」

 【立ち絵:烈(お気の毒顔)、零】

零「こいつがいるからな」

と、さきほどと姿勢を変えずに親指で烈くんを指した。
零くんも、自分の意思でイエスノー言えばいいのに。
でも仲もよさそうなので、ついてくるんじゃないかとは思った。

 【立ち絵:惠(笑顔)】

惠「よーし決まり!じゃ、みんなグラウンドに行こうぜ!」

 【立ち絵:烈(勢い顔)】

烈「おーっ!」

 【立ち絵:零(目つむり)】

零「・・・」

 【立ち絵:可菜(怒り顔)】

可菜「未夢ちゃん。あなたを、ぶつけます」

可菜ちゃんは、探偵が犯人に向けて指差すようにいった。
やる気まんまんのようだ。何故か火のスイッチがついていた。

 【立ち絵:彷徨(困り顔)】

彷徨「先生に怒られないかなぁ・・・」
未夢「ほら、わたしたちも行こうっ」

 【立ち絵:彷徨(苦笑い)】

彷徨「やれやれ・・・どうしてこんなことに」

とは言いつつも顔は楽しそうだった。


【背景:グラウンド】

 【立ち絵:惠】

未夢「惠ちゃん、チームはどう分けるの?」

 【立ち絵:惠、烈(笑顔)】

烈「平等に男女で分けるのはどうかなっ?」

惠ちゃんに聞いたけど烈くんが答えていた。

 【立ち絵:惠(困り顔)】

惠「それ何となく平等じゃねぇよ・・・。そしたら、ぐっぱで合わせでいいんじゃね?」
未夢「なるほど」

グーとパーを出して、同じものを出した人同士でチームを組むことになった。

【画面更新】

 【立ち絵:惠】

惠「ぐっぱで合わせっ」

いきなりキレイに3対3に分かれた!顔ぶれを見てみる・・・。

 【立ち絵:惠(笑顔)】

惠「よっし!可菜と分かれた!」

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「未夢さんと一緒」

わたしの仲間は惠ちゃんと烈くんのようだ。

 【立ち絵:可菜】

可菜「未夢ちゃんと分かれちゃった」

 【立ち絵:零(目つむり)】

零「・・・」

 【立ち絵:彷徨(ニヤ顔)】

彷徨「ついにお前と戦うことになるとは・・・」

彷徨が何故かやる気を出していた!

彷徨「日ごろのうらみ、思いしれーっ」
未夢「ぶっ!」

 【立ち絵:なし】

急に視界が暗くなるのと同時に顔に冷たい感覚が。
いきなりぶつけてきた!笑顔で!

 【立ち絵:彷徨(ニヤ顔)】

未夢「ちょっ、わたしが何したって言うのよーっ!」

わたしも負けじと彷徨を狙う。
が、彷徨はひょいと避けてしまう。悔しいがさすがだ。

 【立ち絵:彷徨(笑顔)】

彷徨「あははっ!なんとなくだ!」

 【立ち絵:惠】

惠「おおっ、向こうは早速殺伐としてるねぇ。ということで可菜、こっちも行くぜいっ」

 【立ち絵:可菜(目つむり)】

可菜「かかって来て下さい・・・」

 【立ち絵:烈(勢い顔)】

烈「零、日ごろのうらみ、思い知るがいいっ」

 【立ち絵:零(目つむり顔)】

零「・・・」

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「とりゃーっ」

いつも手袋をしている烈くんの右手から放たれた弾は、軌道は悪くない。
が、零くんは、残像が見えるかの如く(実際はそんなに早くない)消えるように避けて見せた。

 【立ち絵:烈(驚き顔)】

烈「なにっ」

代わりに、レーザーのような弾が飛んでくる!

 【立ち絵:烈(><顔)】

烈「あだっ」

烈くんは顔面に雪玉を食らい、雪が砕けて顔が見えるころ、ぼーぜんとしていた。

 【立ち絵:烈(勢い顔)】

烈「やったなーっ」

 【立ち絵:惠(笑顔)】

惠「ほいっ」

どかっ。

 【立ち絵:可菜(目つむり顔)】

可菜「甘いですね・・・」

とか澄ましながら食らってるんですけど!心の中は避けてるつもりなのだろうか。幸せな人だ。

 【立ち絵:彷徨(ニヤ顔)】

彷徨「ほらほら未夢、余所見してると危ないぞーっ」

彷徨の次なる弾が襲いかかる!

 【立ち絵:烈(驚き顔)】

烈「未夢さん、危ないっ」
未夢「ぶっ!」

 【立ち絵:なし】

烈くんは身を呈してかばってくれたが、弾はわたしの顔にクリーンヒットしていた。

 【立ち絵:烈(驚き顔)】

烈「・・・」

 【立ち絵:彷徨(驚き顔)】

彷徨「・・・」

彷徨は狙って当てただろうに、不思議そうな顔をしていた。

烈「すみません、私の仇を取って下さい・・・がくっ」

未夢「言われずともっ」

彷徨に弾を当てたい。

そして倒れた烈くんに容赦なく弾を撃つ零くん。

烈「埋まりますから・・・このやろーっ!」

 【立ち絵:烈(勢い顔)】

烈くんはキレるように起き上がると、弾道は決して悪くない連続の弾を放っていた。
がしかし、零くんは綺麗に避けてみせる。さながら彷徨に勝るとも劣らなさそうだ。

 【立ち絵:惠(笑顔)】

惠「うりゃりゃりゃっ」

  【立ち絵:可菜(目つむり顔)】

可菜「効きませんから・・・」

直立不動で可菜ちゃんは受け続けていた!
可菜ちゃんはわたしにぶつけるんじゃないのかい。
わたしも惠ちゃんに負けてられない!

未夢「とりゃーっ」

 【立ち絵:彷徨(笑顔)】

彷徨「甘い甘い」

 【立ち絵:彷徨(困り顔)】

彷徨「うっ」

どしゃっ。

彷徨の胸元に弾を当てた。

未夢「どうだ!避けたところに弾を投げる2段式よ!」

 【立ち絵:彷徨(ニヤ顔)】

彷徨「意外とやってくれるじゃないか未夢・・・」
未夢「甘いのよ・・・わっ」

 【立ち絵:なし】

お腹の辺りに弾が当たった。

 【立ち絵:彷徨(ニヤ顔)】

彷徨「隙あり」

彷徨はにやりとするのだ。

未夢「このーっ!」

 【立ち絵:彷徨(笑顔)】

彷徨「あははっ」

【画面更新】

 【立ち絵:惠(疲れ顔)】

惠「はぁっはぁっ、このくらいにして帰ろうかっ、未夢っ」

時間は夕刻を過ぎ、街に隠れた太陽からはわずかに光が洩れる程度の明るさとなっていた。
いつの間にか夢中になってしまっていた。

 【立ち絵:可菜(目つむり顔)】

可菜「その程度ですか・・・」

可菜ちゃんは全身どろどろになっていた!目を詰むって澄まし顔だ。
っていうかむちゃくちゃ寒そう。大丈夫かな。

 【立ち絵:惠(疲れ顔)】

惠「めちゃくちゃ当てたのに、負けてる気分なのは何故・・・」
未夢「そうだね、もうそろそろ帰ろっか。ママたちも心配しちゃうし」

烈くんは・・・と。

烈「・・・」

倒れていた。

未夢「もしもーし?烈くん?」

しゃがんで話しかける。

烈「・・・」

返事がない。死んでいるようだ。

 【立ち絵:彷徨(疲れ顔)】

彷徨「なんか、妙に運動になったな」

彷徨もところどころ濡れている。わたしも相当当てられたが、彷徨にもそこそこ当てることができた。
というかもしかしたらわざと当たってくれている部分もあったかもしれない。彷徨の運動神経と気持ちを考えれば。

 【立ち絵:惠】

惠「未夢の愛の弾は何個ぶつけれた?」
未夢「変なこと言わないでよ惠ちゃん」

 【立ち絵:惠(疲れ顔)】

惠「あたしの命中率は100%だぜ・・・」

見ていたわたしから考えても、どう見ても惠ちゃんが一方的に当てていた。
それなのに可菜ちゃんが勝ったように見えるのは何故だろうと、小一時間考え込んでしまいそうだ。

未夢「っていうか、チーム組んだけど結局1対1になることが多かったね」

たまに惠ちゃんとかが乱入してきてたけど、彷徨に反撃された惠ちゃんが腹いせに可菜ちゃんに当てるというループだった。

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「内田は役立たずだったな・・・いやそんなことないか」

彷徨はいたずら半分でたまに可菜ちゃんの後ろに隠れていた。
けど大抵その後は可菜ちゃんが彷徨の後ろにすばやく隠れていた。
そのせいで彷徨は食らって、その時の彷徨の食らい率は100%ではなかったろうか。

わたしは、可菜ちゃんに当てるのは可愛そうだったので狙わなかった。
惠ちゃんで十分だったし、というか当ててもなんか変な意味でいい気分がしなくなるだろうと読んだのだ。

 【立ち絵:零(目つむり顔)】

だから零くんを狙ったけど、一度も当たらなかった。反撃がくることもあったけど、ゆっくりで、全部交わせた。
多分、零くんなりの無言の思いやりなのだと思う。避けられるように投げてくれたのだろう。
零くんは烈くんと同じくらい体が小さいけど体力はある方のだろうか。
あまり息が乱れていない。
肩で大きく息を吸っている程度だ。それとも見栄張りさんなのかな。

 【立ち絵:烈(困り顔)】

烈くんと言えば、いきなり乱入と言うかわたしをかばいに来たかと思ったら、必ずと言っていいほどわたしを守れず。
逆にかばいに来てくれた時の、彷徨のわたしに対する命中率は100%だった。
互いに虚しい気持ちだった。

 【立ち絵:惠(疲れ顔)、彷徨】

惠「この勝負、なんか西遠寺のチームが勝ちっぽいな」
彷徨「当てた数で言えばどっこいどっこいか、そっちじゃないのか?」

可菜ちゃんが相当食らっていたので、それを考慮してのことだ。

 【立ち絵:惠(困り顔)】

惠「や、なんか精神的に・・・」

 【立ち絵:惠(困り顔)、彷徨】

彷徨「まぁいいけどな」
未夢「運動場、掃除していかなくていいのかなっ」

まだ息が整わない。
体は暖かくなったので途中から手袋を取ってやっていたけど、汗をかいたので落ち着いたら余計に寒くなりそうだ。

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「雪で遊んだだけだから、溶ければどうとでもなくなるだろ」
未夢「う、うん、そうだね」

 【立ち絵:なし】

なんか、すごい荒らし逃げしてる気分だったが、掃除しきれる量ではないので、肯かざるを得なかったところだ。

 【立ち絵:彷徨(笑顔)】

彷徨「帰ろうか、未夢」

手を差し出してくれた彷徨の手を取って立ちあがった。

未夢「うん」

取った手は、とても冷えていた。



【背景:通学路(夕方、雪積もり)】

未夢「そういえば、明日はスキーかぁ・・・」

 【立ち絵:惠(疑問顔)】

惠「なになに、明日どっか行くの?」
未夢「うん、家族でスキーに行くんだよ」
惠「へぇ〜」
未夢「彷徨も一緒だよ」

 【立ち絵:惠】

惠「おいおい西遠寺、水入らずで行かせてあげろよ〜不粋だなぁ」

 【立ち絵:惠、彷徨(困り顔)】

彷徨「誘われたんだよ・・・」

 【立ち絵:惠(ニヤ顔)、彷徨(困り顔)】

惠「未夢に?」

惠ちゃんはニヤっとしてわたしを見る。

未夢「ち、ちがっ・・・ママだよ」

 【立ち絵:惠】

惠「ああ、未来さんね。確かに誘いそうだ」

惠ちゃんはうちのママを知っている。
1年生の頃にうちまで遊びに来た事があったし、その時に色々話したりしたのだ。

 【立ち絵:惠(困り顔)、烈】

烈「なになに、何の話っ」

さっきまでへばっていた烈くんが復活した。
元気な子だ。

未夢「明日、スキーに行くんだよ」

惠ちゃんが、話に入ってくるなーとか言うかと思ったけど、疲れたのかわたしに持たれかけながら歩いてて、突っ込まなかった。

 【立ち絵:烈(疑問顔)】

烈「誰が?」
未夢「わたしが」

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「うそっ。私もスキー行きたい!」

 【立ち絵:惠(困り顔)、烈(笑顔)】

惠「邪推すぎるだろ・・・」

 【立ち絵:烈(><顔)】

烈「行きたい行きたい行きたいっ」

手をぶんぶん振る烈くん。
惠ちゃんは邪見していたけど、わたしは別にそんなことなかった。
だからこんなことを言ってしまっていた。

未夢「ど、どうしても行きたいっていうなら、ママに相談してみるよ・・・」

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「ホント!?やったーっ!」

 【立ち絵:彷徨(怒り顔)】

彷徨「おい・・・」
未夢「あ、ごめん・・・」

疲れているのか、勢いで言っちゃったかな・・・。

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「いや、そうじゃなくて、未来さんは了承してくれるのか?」
未夢「わかんないけど、多分大丈夫だと思う・・・」

疲れていて思考が回らなかった。


【駅前】

 【立ち絵:彷徨】

彷徨「それじゃ、未来さんによろしくな」

 【立ち絵:烈(笑顔)】

烈「よろしくねっ」

 【立ち絵:零(目つむり)】

零「・・・」

零くんは無言で頭を下げていた。
多分、零くんも来るだろう。

未夢「話してみるよ。それじゃぁね」

 【立ち絵:惠】

惠「お疲れーっ!」

 【立ち絵:可菜(目つむり)】

可菜「その程度ですか・・・」

可菜ちゃん、まだやっているのか。

 【立ち絵:可菜】

可菜「バイバイ、未夢ちゃん」
未夢「バイバイ〜」


【背景:玄関(夜)】

 【立ち絵:未来(疑問顔)】

未来「おかえりなさ・・・あらなぁに未夢、泥だらけじゃないの」
未夢「えへへ、ちょっとね・・・」
未夢「それよりママ、パパにもちょっとお話があるんだ」

 【立ち絵:未来】

未来「わかったわ。その前にお風呂に入ってきなさい。服は乾かしておいてあげるから」
未夢「ハーイ」


【背景:リビング(夜)】

なんか、お風呂上がりの食卓がやたら気持ちいい。
久しぶりに自発的に思いっきり運動したからか、いい空腹感と満足感が体中を駆け巡っているようだ。
パパはもう席についていた。

 【立ち絵:未来(疑問顔)】

未来「それで、話ってなぁに?未夢」

ママがエプロンを取って椅子に座った。

未夢「あのね、明日のスキーのことなんだけど・・・」

 【立ち絵:優(困り顔)】

優「やっぱり無理なのかい?未夢」

悪い方向に予想したのか、パパがそう危惧してきた。

 【立ち絵:未来(疑問顔)、優(困り顔)】

未夢「そんなんじゃないよっ、彷徨も来るって」
未来「それなら、なぁに?」
未夢「この前、転校生の子のこと話したよね。その子も来るって」

 【立ち絵:未来(疑問顔)】

未来「まぁ。眼帯してるって子?」
未夢「うん。一緒に連れてってもいい?」
未来「一人?」
未夢「あ、えっと、もう一人一緒に転校してきた子もいるから、2人、かな・・・」
未来「パパ、大丈夫?」

 【立ち絵:未来(疑問顔)、優(真面目顔)】

パパは何とも言えない顔をしていた。

未来「ダメ?」

 【立ち絵:未来(疑問顔)、優(泣き顔)】

優「未夢が色んな男の子に話しかけられている・・・しくしく」

 【立ち絵:未来、優(泣き顔)】

未来「何言ってるのパパ。大丈夫そうね。OKよ、未夢」
未夢「えっ、でも」

 【立ち絵:優(泣き顔)】

パパ、何故かスゴイ落ち込んでいるんだけど。

 【立ち絵:未来】

未来「違うのよ。きっと感動してるのよ、そういうことにしておきましょう」
未来「っていうか、ママもその子は何となく見てみたいわね」

未夢「そ、そうなんだ・・・ありがとう、パパ、ママ」

 【立ち絵:優(泣き顔)】

パパはもう無言で親指を立てていた。

未夢「烈くんに連絡しなくちゃ」

 【立ち絵:未来(疑問顔)】

未来「烈くんっていうの?名字?」
未夢「あ、烈くんっていうのは下の名前だよ。名字は紅瀬」

 【立ち絵:未来】

未来「まぁ、もう下の名前で呼んでるなんて、よほど仲がいいのね」
未夢「そ、そんなんじゃないよ・・・成り行きで」
未来「じゃぁ、紅瀬さんの親御さんにも、ごあいさつしておかないとね」
未夢「え?」
未来「ほら、泊まりだし」
未夢「ああ、なるほど」

あ、そう言えば、零くんは名字が闇無だから、その事を伝えておかなくてもいいのかな・・・。
でもそうするとママは多分、闇無さんの親御さんにも〜って思っちゃうだろう。
まだ色々話してないからだけど、零くんは烈くんと同じ家に住んでるみたいだし、今話すと混乱するので今度話すことにした。

未来「それじゃぁご飯にしましょう」

 【立ち絵:未来、優】

優「いただきます」
未夢「いただきます」
未来「はい、召し上がれ」

最近の料理担当はほとんどママがしている。
こんなこというのもなんだけど、昔は酷かったものの今はすごくおいしい。
わたしも、料理上手になりたい。

【画面更新】

 【立ち絵:未来(疑問顔)】

未来「そしたら、その烈くんにお電話してお話が済んだら私に電話変わってね。番号わかる?」
未夢「えっと・・・」

ケータイを登録してないので、クラス名簿から電話番号を見て、家からかけることにした。

未夢「うん。ママも、お話終わったら一回わたしに戻して」

 【立ち絵:未来】

未来「わかったわ」

 【立ち絵:なし】

ぷるるるっ・・・ぷるるるっ・・・

ガチャっ

女性の声「はい、紅瀬でございます」

優しそうな女性の声が応えた。

未夢「あ、あのっ・・・第四私立高校に通ってる光月と言います。クラスメイトの、烈くんいませんか?」
女性の声「光月さんですね。少々お待ち下さい」

電話は何となく緊張してしまう。
とても丁寧な対応の後、待ち時間があって、しばらくしたら相手が出た。

烈「変わりました。烈です」

声だけ聞くと、小学生を相手にしてるかのような感じだった。
そういえば烈くんは男の子だけど、彷徨に比べて声が高い。喉仏出てないのかな。

未夢「あ、未夢です。えっと、烈くん?」
烈「うん、そうだよ。どうしたの?もしかして明日の件?」
未夢「う、うん、実は」
烈「ダメなの〜?」

みんな悪い方向に予想するんだなぁ。

未夢「う、ううん、違うよ、おっけーだよ」
烈「ホント!?やったぁー!」

思わず電話から耳を話してしまうほど大きな声で喜んでいた。
仕方ない子だなと苦笑した。

未夢「それでね、ママが烈くんのお母さんに挨拶したいっていうから、ママと変わるね」
烈「う、うん」

緊張の面持ちのような感じの声が聞こえた。

 【立ち絵:未来】

未夢「はい、ママ」
未来「ありがと、未夢」

 【立ち絵:なし】

未来「お電話変わりました、未夢の母で、未来と言います・・・」

ママが烈くんと話だした。烈くんは最初人見知りするみたいだけど、大丈夫かな。

 【立ち絵:優】

優「そういえば、眼帯をしてるって言ってたね。目を怪我してるの?」
未夢「ううん。よく聞いてないからよくわからないけど・・・」

 【立ち絵:優(疑問顔)】

優「けど?」
未夢「黒い眼帯をしてるから・・・」

多分・・・失明している・・・?

未夢「あ、でも片側だけだよ」

 【立ち絵:優】

優「そうなんだ・・・」

 【立ち絵:なし】

ママの話声が消えた。多分今、烈くんがお母さんを呼びに行っているのだろう。

 【立ち絵:未来】

未来「あ、どうも、未夢の母で未来と申します〜」

ぴっと音が聞こえた。
パパにも聞こえるよう、スピーカーホンにしたようだ。

女性の声「こんばんは。紅瀬雪と申します」

雪さんか。綺麗な名前だな。

雪「この度は、うちの烈が変なことを言ってしまったようで・・・大変申し訳ありません」
未来「いえいえ、子のクラスメイトを通じてお宅様と交流が持てるのは嬉しい事ですよ」
雪「大変、恐れ入ります。恐縮です」
未来「いえいえ。それでですね、紅瀬さんの子を、2日ほどお借りしたいのですが、宜しかったでしょうか」
雪「構いません。主人には私の方から通しておきますので。あの子にも色々外の事を教えてやってください」
未来「了解しました」

外のこと?烈くんは活発そうに見えたけど、あんまり外出しないのかな。

雪「烈が行くとなると、もう一人行く子がいると思うのですが・・・大丈夫ですか?」
未来「あ、ハイ。お二人を預かることになると、うちの未夢から聞いておりますが」
雪「なるほどわかりました。ご面倒をおかけしますが、お世話になります。宜しくお願い致します」
未来「了解いたしました。それでは烈くんと・・・ええと」
雪「零ですね」
未来「零くんですか。烈くんと零くんをお借りします」
雪「わかりました。宜しくお願いします」
未来「宜しくお願いします。それでは失礼いたします」
雪「はい、失礼いたします。おやすみなさい」
未来「おやすみなさい〜・・・」

ママっ、ママっ。忘れないでっ。
ジェスチャーでまだ、電話したいことを伝えた。

 【立ち絵:未来(驚き顔)】

未来「あっ、すみません」
雪「えっ」

まだ話があったのかと当然のように驚いた。

 【立ち絵:未来】

未来「申し訳ありません、娘がまだ電話で用事があるようですので、変わりますわ」
雪「はい」

未夢「もう〜ママ、忘れないでよ」

 【立ち絵:未来(笑顔)】

未来「あはは、ごめんごめん」

 【立ち絵:なし】

未夢「お電話変わりました、未夢です。あ、こ、この度は、ありがとうございます。宜しくお願いします」
雪「はい、よろしくお願いします」

なんだか、緊張してしまって変な挨拶をしてしまっていた。

未夢「それであの、烈くん居ますか?」

さっき居たから居るに決まっているのだろうけど、他に聞き方がわからなかった。

雪「ちょっと待ってて下さいね」
未夢「はい」

電話越しの声は聞きづらいので苦手だ・・・。

烈「もしもし、烈です〜」
未夢「あ、烈くん?」
烈「うん!どうしたの?」
未夢「えっと、烈くんに直接連絡できる方法があったら便利だなぁって」
烈「うんうん。つまり?」
未夢「え、え〜っと・・・ケータイ電話持ってる?」
烈「うん、持ってるよ。アドレス交換?」
未夢「う、うん」
烈「やったー」

なんだか、一々喜ぶ子だな。微笑ましい。
互いのアドレスと番号を教えあったけど、後で一応ワン切りテスト送信することにした。

烈「連絡ありがとね。それじゃーね〜」
未夢「うん、おやすみなさい」
烈「おやすみ〜」

ガチャ。

 【立ち絵:未来】

未来「とりあえず挨拶は済ませておいたし、明日から少し大変ね」

 【立ち絵:未来、優(困り顔)】

優「もう、ママったら。僕の気も知らないで」

 【立ち絵:未来(笑顔)、優(困り顔)】

未来「パパなら大丈夫よ」

 【立ち絵:未来(笑顔)、優】

そう言ってママはパパの肩に両手をかけて微笑んだ。
パパのこと心底信頼してるんだなぁ。
わたしも彷徨を・・・。

 【立ち絵:未来(驚き顔)】

未来「あっ、そうだっ、いけないすっかり忘れてた、彷徨くんのお父さんの宝晶(ほうしょう)おじさんにも連絡しなくちゃ」

彷徨のことを考えていたから、わたし以外から『彷徨』という言葉が出てきてびっくりしてしまった。

 【立ち絵:なし】

宝晶おじさんは彷徨のお父さんで、お寺の住職。
彷徨はお寺に住んでいるのだ。その一人息子。
わたしもかつてはあの家に1年ほど住んでいた。
今も、あの家の中の様子がわかるかのように頭の中をよぎった。

未夢「えっ、子機からかけるの?ケータイですればいいんじゃぁ・・・」
未来「何言ってるの、宝晶さんケータイ持ってないでしょ」

そうだった。

ぷるるるっ・・・ガチャっ

早っ。

声「はい。西遠寺です」

彷徨の声だ。

 【立ち絵:未来(笑顔)】

未来「彷徨くん?私よ私、わかる?」
彷徨「ああ、未来さん」

スピーカーホンのままなので相手方の声が筒抜けだ。

 【立ち絵:未来】

彷徨「どうしたんですか?こんな時間に」
未来「明日の件よ。未夢から話聞いてる?」
彷徨「ええ。未来さんありがとうございます。すみませんお邪魔しちゃって」

 【立ち絵:未来(笑顔)】

未来「いいのよ!未夢も来てほしがってるわよ!」

と思うよ じゃなくて言いきっていた!ちょ、ママ!余計なことを!
口パクとジェスチャーで抗議した!

彷徨「あいつはすぐ転ぶから・・・」

むかっ!

 【立ち絵:未来】

未来「うふふっ。あ、そうそう、宝晶おじさんいる?」
彷徨「あ、はい。少々お待ち下さい」

 【立ち絵:なし】

静かになった。

 【立ち絵:未来】

未夢「ちょっとママっ、変なこと言わないでよ〜っ」

 【立ち絵:未来(笑顔)】

未来「あらいいじゃない別に。ホントのことだし」

自分のことのように言うなっ。全くもう・・・
ママのいたずらは相変わらずだった。
まぁ我が事のように思ってくれるのは嬉しいけど、恥ずかしい話は勘弁だった。

 【立ち絵:なし】

声「お電話変わりました。宝晶です」

野太い声が聞こえた。

 【立ち絵:未来】

未来「宝晶さん?未来です」
宝晶「おおー、未来さん!お元気ですかな?」
未来「はい、おかげさまです」
宝晶「ほうかほうか。この前のお茶の効能が聞きましたかな」

 【立ち絵:未来(笑顔)】

未来「あれは美味しかったですね」

ママは笑いながら話していた。話が長くなりそうだ。

 【立ち絵:未来】

未来「ところで明日なんですけど、彷徨くんを一日お借りできます?」

と思ったら軌道修正した。

宝晶「うんん?何事ですかな?」
未来「明日、私たち家族とクラスメイトの子や彷徨くんでスキーに行ってくる予定なんです」
宝晶「おおー、そうかそうか、彷徨め何も報告せんと・・・」
未来「やっぱりそうでしたか」
宝晶「彷徨にも困ったものじゃ」

あっはっはと空笑いする宝晶おじさんの声が聞こえた。
別に彷徨と宝晶おじさんは仲が悪いわけじゃないけど、彷徨はいつもめんどくさがって連絡を怠っていた。
というか、宝晶おじさんがいつも勝手にどっか行っちゃって連絡のつけようがなかったからかな。
男の子同士で住むとそうなるのかな。

未来「それで、彷徨くんを明日明後日お借りしたいのです」
宝晶「おお、修行なら連れて行ってあげて下され」

あれ?なんか修行だと思ってるぞ。

未来「わかりました。ありがとうございます」
宝晶「うむ。ビシバシ鍛えてやって下され!」

 【立ち絵:未来(笑顔)】

未来「わかりましたわ。それでは」
宝晶「はい。おやすみなさい」

 【立ち絵:未来(普通)赤い服】

未来「おやすみなさい」

 【立ち絵:なし】

がちゃーん。

 【立ち絵:未来】

未夢「宝晶おじさん、なんか山籠りの修行だと勘違いしてたね」
未来「いつものことよ」

うわ、なんかヒドッ。扱いがよくわかってるなぁ。

未来「さぁこれから忙しいわよ。未夢も、明日の準備して今日は早めに寝なさいね」
未夢「はーい」

【背景:未夢の部屋(夜)】

部屋に戻って寛ぐ。
電話の話を済ませたら、今日の疲れがどっと出た。
今日はゆっくり眠れそうだな。明日、寝坊しなきゃいいけど。
土日出かけるので宿題が出来ないけど、まぁいいかー。
や、持っていけばいいのか。夜にみんなとやろう。
そう思っていると、ケータイが鳴った。メールだ。多分、烈くんだろう。

『烈です。なんか無理言っちゃってごめんね。ありがとうね。明日楽しみにしてます。親御さんによろしくです。おやすみなさい(^O^)/』

未夢「全く・・・」

なんとなく苦笑いした。世話が焼けるので、急に弟ができたような気分だった。

(いえいえこちらこそ。明日は宜しくね!おやすみなさい。)

ぴっ。送信した。
あれ?メールがもう二件来ていた。片方は不明なアドレス・・・。

『零です。アドレスは烈から聞いた。急に送ってごめん。明日は宜しく』

必要なことだけを手短かに書いて相手に重要なことを伝える文面だ。
形式的すぎて返答に困ったけど、無難に返すことにした。

(了解しました。わたしの番号も送っておくね。何かあったら連絡してね。明日はよろしくね!)

こんなことを思ってはなんだが、烈くんの隣に零くんが居ると、少し助かるな。
零くんのことは烈くんに聞かなきゃわからないけど、零くんが居れば烈くんの抜けた部分をフォローしてくれるから。
2人は一心同体みたいだ。

来ていたメールのもう一件は彷徨だ。

『明日寝坊するなよー』

むかっ。相変わらずだな。

(彷徨こそ!)

大体いつも、こんな一言メールのやりとりばっかだ。長文の時もあるけど。
それでも、こうして気軽にメールを送りあえるのはいいことだと思った。
いつでも彷徨と言葉を交わせる・・・。

【背景:未夢の部屋(暗)】

明日、また準備の確認をすると思うので、今日は早めに寝てもいいかな・・・。
お風呂も入ったし、ご飯も食べてお腹いっぱいで眠かった。
明日着ていく服を選定した後、布団に入って電気を消してしまうと、準備も忘れてすぐに眠りに落ちていった。